2008年9月議会(一般質問)
9月9日
改革の鈴木一夫です. 通告に従い質問を行います.
まず道州制について,全般的な認識と盛岡市の立場について確認したく思います.
道州制の議論が全国的に浸透し,
各政党や日本経団連,
学識経験者等が素案や私案を公表し
地方の自立と道州制の姿を示しているのは
すでに周知の事実であります.
例えば日本経団連の道州制案では
現在の都道府県を廃止して全国を10程度に区分する
「道州」 を新たに設置をして
道州と基礎自治体に対し必要な権限と財源を備えるとして,
中央集権体制を解体し
その権限と財源が地方に委譲され
地方自治が活性化するとあり,
道州制移行により地方自治体も権限,
財源とも強化されるとされております.
他方盛岡市は県庁所在地としての都市機能,
行政機能を有する都市として発展してきた歴史があり,
仮に県庁が廃止,
もしくは道州制という名のもとに県庁が発展解消されることになれば
影響は何らかでることになると思われます.
つまり県が廃止されることでの盛岡市におけるマイナス要因と市に権限委譲されるプラスの面の差によっては今後の市の発展が左右されることから
道州制における個別の議論を見守る必要もあると思います.
盛岡市は特例市の設置に尽力をし地方自治の拡大,
発展を先頭で担ってきた歴史を持ち
更に4月より中核市に移行を行い着実に自治拡大を図ってきましたが,
この道州制の議論に対し盛岡市としてどのような認識なのか,
全国市長会での盛岡市の立場や地方分権要求におけるこれまでの行動の歴史など
総括いただいきたく思います.
また道州制に移行によって盛岡市として県庁があったことでの恩恵と今後の変動について
どのような想定をしているのかお尋ねをいたします.
他方盛岡市は
県庁所在地にあぐらを掻いてきたと周辺の市町村から揶揄されていることも事実であると思います.
ここでお尋ねをいたしますが
県庁が盛岡市にあることでの経済効果はどのくらいなものなのか
試算しているようであればお示し願います.
道州制の結論が出ていない今から,
来るべき道州制の動向を睨み
県内での優位性の時代から東北六県全体や東日本での立ち位置や特性をはっきりする時期にきていると思います.
盛岡市は東北六県および東日本においてどのような存在であり特徴があるのか,
また何が足りないのか市の自己分析の状況はいかがでしょうか,
お示し願います.
2015年には新幹線も函館延伸され
いずれは札幌にも繋がります.
東京と札幌の中間点が盛岡市であることを最大限アピールするキャッチコピーを作成する必要があると思います.
秋田県仙北市も北東北の拠点都市と自己紹介をしております.
盛岡市としては北東北の拠点からスケールを大きくし
「第二国土軸のまんなか」 を生かし,
国際化社会を踏まえた全国的な視野での市の特徴を示す分かりやすいキャッチコピーが必要だと思いますがいかがでしょうか?
市長のいう選ばれる都市として,
道州制移行後の広域化・都市間競争での盛岡市の戦略や決意の程をお聞かせ願います.
次に県との二重投資についてお伺いいたします.
盛岡市は県庁所在地であるが故,
県都として県直営の施設を多数市内及び近郊に配置をして
結果市民もその恩恵に預かっているものと認識しております.
ところで二順目岩手国体の主会場に盛岡市と北上市が意欲を示しておりますが,
現在の県営運動公園改修に関しては
市長からは市も応分の負担をしてでも改修をして行きたい旨の発言がありました.
先ずこの県営運動公園改築に関して市民の税金で県の施設の改修をしていく法的な根拠なり,
国の補助制度との整合性はどうでしょうか,
お尋ねをいたします.
また市税を投入するのであれば県営運動公園という名称はどうするのか,
盛岡市運動競技場などと改名するのかもお示し願います.
私はこの取り組みができるのであれば例えば市営野球場を新設するのではなく,
今の県営球場に市も応分の負担をしてドーム球場にするなどして冬期間でも練習や試合が出来るようにするとか,
県立図書館で借りた本を市立図書館でも返せるとか,
既存建造物の利用者の視点での互換性を高めるべきと思いますがいかがでしょうか?
盛岡市総合計画なり各種のマスタープランでは
県庁所在地でありながら県直営の盛岡市域における施設設置について触れている項目がありませんが,
県直営の事業の盛岡市域での実施の際の整合性をどのような部署でとってきたのか,
市と県の事業内容の調整はどのようにやってきたのかお尋ねをいたします.
今後は道州制を見据え
より基礎自治体に優位に事業ができるようにするために
中二階といわれる県と盛岡市での独自事業の二重投資を見なおしが必要だと思います.
市民起点の意味には当然
納税者が納得出来る意味合いがあるものと思います.
私は博物館やスケート場など市に存在する県の保有する
「類似する箱もの」 の盛岡市への管理移行や
利用者の視点に立った互換性をもつ利用向上策を含む集約のための協議を県と行うべきと考えます.
また周辺市町村も独自に野球場や歴史民俗資料館や体育館等を保有しているわけですが
広域圏での施設の役割分担はできないものか,
市長の御所件をお願いいたします.
つづいて青少年育成について
特に情報通信の扱いとの兼ね合いからお尋ねをいたします.
盛岡市では青少年施策として盛岡市新青少年健全育成計画を策定しており
青少年の育成のために家庭や学校,
地域,
職場行政が一体となった取り組みを計画しているところです.
近年インターネットや携帯電話の普及により情報収集や連絡が容易になった反面,
あふれる情報の中で峻別や区別をどのようにしていくかが
青少年育成における大きな関心事となっております.
特に判断力が育っていない青少年から氾濫する情報の防御が大きな課題だと認識しているところです.
先日7月23日 「平成20年度青少年を非行から守る県民大会」
が開会され講演を聴いてまいりましたが,
サイバーボランティア活動でネット上の青少年の掲示場の書き込み監視活動をする神奈川県少年補導員の講演は私の想像を越える内容でした.
特に学力低下や有害サイトとのアクセスといったこれまで指摘されていた内容に加えて
青少年自身が投稿者となり有害サイトへの有害情報の提供者になっていることや,
その実態また不特定多数との出会いとその派生する犯罪などの誘発を未成年から仕掛けていることなど
正に無法地帯の中で倫理観や社会規範の崩壊を垣間見た気持ちとなりました.
またこれらの抑止には,
携帯電話通信料の定額制の廃止やフィルタリングの徹底が必要だという見解を示しておりました.
また先日川井村松草地内での宮城県在住の女性死体遺棄事件は
携帯サイトを通じた出会いがきっかけとも指摘されており,
身近なところで事件が発生することで,
情報通信技術の進歩と青少年の保護を改めて認識したところです.
市ではケータイ出前講座を実施しておりますが,
この実効性を確認したく思います.
また盛岡市内におけるサイバーボランティアや少年補導員のネットでの監視活動,
更には県警の取り組みなど社会的な抑止・監視活動についてお知らせ頂きたく思います.
また健全育成関連の条例の制定など行政として意思表示が必要だと思いますが
ご見解をお示し願います.
ところで,
県が実施した岩手県内の中高生に対する平成19年12月実施の携帯電話に関するアンケートでは携帯(PHS)電話を所持している割合は中学生が28.7%,
高校生が95.7%とあり
携帯電話の使用時間が3時間以上の割合が中学生20.3%,
高校生が28.6%となっております.
更に出会い系サイトへの接続も中学生1.7%,
高校生4.8%あり
さらには出会い系サイト接続後実際に異性に会った割合が中学生24.4%,
高校生21.6%で全国平均より高いという調査結果がありました.
また長崎県の小学校では
学校サイトの書き込みによる生徒同士のトラブルから学校で殺人事件まで発生するなかで,
情報通信機器の使用方法およびルールの指導について改めて再認識される中で
小学校・中学校でのパソコン利用の指導の現状や,
父兄との意見交換の実態はどうなのか.
また学校への持ち込み禁止や所持禁止といった指導以外に
どのような啓発を行っているのかをお示し願います.
特に情報に対する善悪の判断が付きにくい青少年に対する大人側の自主規制など
社会のルールを作る側の積極的な関与が必要だと思います.
また,
国に対しこれら有害情報を強力に規制を実施することへの認識はどうかも併せてお示し願います.
次に盛岡市の所有する市道の管理についてお尋ねをいたします.
六月議会の補正予算で
市道の穴ぼこに二輪車が転倒して休業補償など60万円ほど支出する項目があり
建設常任委員会でもその質疑がされたところであります.
道路の穴ぼこについては指摘をすれば即対応をしていただけることは敬意を表するわけであります.
しかしながら,
盛岡市の市道は全般的に継ぎはぎだらけ,
ヒビだらけだと私は思いますが管理や更新はどうなっているのでしょうか?
盛岡市としてどのような状態までを舗装道路と認識をしているのかまずお示し下さい.
例えば盛岡バスセンターから明治橋に向かう市道などをはじめ
あちこちで道路の痛みなりヒビがなぜ放置されているのでしょうか.
まずお伺いいたしますが,
道路の穴ぼこの補修は1年でどの程度実施しているのか,
また実施数にしめる通報者の割合は市民や市関係者などどのような割合かもお示し願います.
また近年市道の管理不備により市民へ賠償した件数とその中身,
総額はどのような実態であるかをお示し願います.
市道の舗装の更新にはどのような基準があるものなのかお示し願います.
更に市道の補修に際しどのような形で計画的に予算組みをしているのか,
予算の確保状況が以前と比べてどういう状態なのかお尋ねをいたします.
また市道の総延長に対し現行の舗装の更新をして行く場合に何年で一巡するものなのか,
また計画的な道路補修費の積み立ては実施しているのかもお示し願います.
また4月より盛岡市は自転車条例を施行し,
レンタルサイクル事業など今後自転車を生かした街づくりを実施するわけですが,
市道としての自転車専用道の敷設などは可能でしょうか,
お尋ねをいたします.
つづいて歩道部分についてお尋ねをいたします. 歩道には樹木を植えているところもありますが, 歩道が決して広くないために歩行者が二人並んで歩けないという歩道を目にいたします. また西仙北にある新幹線側道西側の歩道などは 樹木が大きくなりすぎ歩道の用を成していないという場所もあります. 市として歩道における樹木の設置基準はどのように取り決めているのか, また樹木があることで歩行者が並んで歩けないという現状をどのように認識しているのかお示し願います. また歩道における樹木の選定はどのようになっているのか, お示し下さい. そもそもさほど広くも無い歩道に樹木を植える必要があるのでしょうか? 形だけの景観ではなく, 電動車椅子などでも十分に走行でき, また人が並んで歩ける程度の空間の確保の視点で 全市的な歩道幅員の再点検をするべきと考えます. 市として歩道の幅員考え方, 特に街路樹が障害物となっているという指摘について どのような見解を持つのかお示し願います. また他の都市では歩行者用信号の横に青信号までどの程度の時間かを示す補助灯を見かけますが, 盛岡市の歩行者用信号機脇にも設置願いたいのですが御所見をお願いいたします.
つづいて林道と農道についてお尋ねをいたします. 市が管理する道路に林道や農道という名称がつけられておりますが, どのような理由によるものか確認したく思います. イメージとすれば山の中は林道で農地を行くのが農道となりますが, 道路行政がこのように違う部署で行う理由をお示し願います. また道路管理を建設部で一元化するとすれば不都合はでるものなのか認識をお示し願います. これら林道や農道での計画的な道路補修費の積み立ては実施しているのかもお示し願います. ところで林道や農道など人目につかないところに不法投棄される物の実態および処分費の実態はどうなのかお示し願います. また報道などでは他の市町村では金属性のふたなどが盗難にあっているようですが, 盛岡の林道等ではそのような事例は確認されているのかどうか? また予防策などありましたらお知らせ願います.
市民参画とまちづくりについてお伺いいたします. まず人材の誘致策についてお伺いいたします. 行政主体・市民参加の時代から 市民主体・行政参加により30万人盛岡市民の力を発揮することが 今後の市政運営ではますます必要と認識しております. 現在盛岡市では企業誘致を積極的に推進しておりますが これも人材の誘致も広義の意味では含まれると認識しております. ここで市役所人事における外からの人材の誘致の状況についてお尋ねします. 専門性の高い施策や時代の変化の激しい施策において 一地方ではどうしてもノウハウが足りないというものも現実であると思います. 市役所の3~5年毎の人事異動では 専門性の蓄積や外との人間関係の構築にはむしろデメリットがあるものと思います. 現在市では中途採用をどのように行っているのか? また他の官庁との人事交流はどのように実施されているのかお示し願います. 市役所職員の技量向上の研修もさる事ながら 専門性の高い人材の誘致を積極的にできないものでしょうか. 例えばスポーツ振興における競技指導者や 市立病院あるいは中央卸売市場など市の関与する事業の経営立て直しの請負人, その他中心市街地活性化基本計画の策定を行っておりますが, 他の地区のまちづくりで実績を上げた人材のスカウトなども検討できないものでしょうか. 私は良い意味で市職員と外の人材との摩擦が必要と思いますが, この点のご見解をお願いいたします.
次に市民からの政策提言およびその政策の反映についてお尋ねをいたします. 市民の現場感覚およびネットワーク, 更には市民の潜在力の発揮のために市民からの政策提言を現在どのように扱っているものでしょうか. 政策提言は直接市への要望なり我々市議会議員を経由するもの, また岩手日報への投稿を行い世論喚起を兼ねて行われるもの等有るものと思います. いわゆる口利きや市担当者とのコネクションではなく, もっと透明性・公開性・公平性を確保し 市民参加型の政策提言を制度化していくことが必要ではないでしょうか? 例えば神奈川県では NPO 以外にも企業に対しても政策提言制度を設けており 最高2,000万円の事業費を設けて複数年にかけた事業の取り組みをしております. 市民の方々のアイデアや経済活動から来るノウハウなどの 政策提言のための懸賞論文なり提言を積極的に制度化して募集したらどうでしょうか? また,市民からの意見公募では 昨年までもりおか夢 100 年シンクタンク事業など実施しておりました. 政策提言を市民から募集をするのと, 公共事業として数百万円の単価で調査業務をプロのコンサルに発注することはどのように区別されているのでしょうか. 比較的表面的なコントロールの効くところ, あるいは NPO は安上がりで済むという見方で, 市民参加ととしてはいないか, この点の認識をお示し願います.
(一般質問 終わり)
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