2023年 3月 6日
盛岡市議会
令和5年 3月定例会
一般質問


 戦災や大火に遭わなかった盛岡市は古くからの街並みや史跡が多くみられ、 市民では気づきにくかった盛岡市の良さを外部の方からお褒め頂く機会があります。 その最たるものが、 今回のニューヨークタイムス紙に掲載された「今年訪問するべき52の場所」の選定であると感じております。
 盛岡市内の店舗の特徴は、 経営者の顔や志がわかるような個性的な飲食店や個店が多いこと、 また地元の経営者をみんなで支えようという機運があることではないでしょうか。
 一方で法規制内であるとはいえマンション建設では、 その高さそして岩手山など周辺の自然景観との眺望との関係で、 様々なご意見や論争があることも承知しております。
 景観の政策推進は、 都市政策100年の計を持って推進するべき課題であると訴えてまいりました。
 特にも、 世界から注目されることとなった盛岡市では、 その残された情緒ある歴史的景観や自然環境を生かしながら、 これまで行ってきた建物個々の表彰や鶴が池に代表されるスポット的なものの保全から、 一歩踏み出し面的展開を期待したいものです。 一般住宅街まで含め住民参加型の景観運動を展開していきたいものです。
 そのため一般住宅の意匠やデザイン、 庭園・外構に至るまでの標準仕様としての盛岡モデルを構築できればとても街並みはそろってくるものと認識をしております。 自身の住宅も景観形成の一つであるという機運づくりを続けてく必要があるものと認識をしております。
 都市景観でいえば、 まちづくりの総括も必要です。 盛南開発時に盛岡市の新しい顔となるということで議論を経て作られた都市計画道路盛岡駅本宮線、 杜の大橋南交差点から本宮の南イオンまでの幅 50メートル道路のことです。
 今日振り返ってみた場合、 都市景観上はどう総括をされるでしょうか。 建物群は連続しているとはいえ残念ながら盛岡の顔とはいえないと感じております。

 盛岡市役所建て替えの課題にあって、 底地の有無や地理的位置からの議論は伝わってきますが、 都市景観や都市の顔という視点が希薄であると感じます。 新市役所建設では、 一体的な地域の整備を含め都市政策 100年の計として是非、 都市景観という視点を大項目に加えていただきたく思います。

 都市景観を市民ひとりひとりが自ら作り上げるものという機運の醸成、 つまり社会教育の機会はぜひ必要であると考えます。
 都市景観政策にあっては、 盛岡市を知る機会の一つとして学校教育や社会教育において景観教育の推進を図ることとそこへ講師派遣や教材を配布することが必要ではないでしょうか。 都市景観賞では地域活動を主体に受賞をする緑賞を贈呈しております。 この緑賞を拡充させて、 町内会や学校単位で行った景観活動や環境美化など住民運動としての景観向上運動を向上していただきたいと考えております。
 特にも子供たちが行う景観向上運動は将来の盛岡市のまちづくりに大いに役に立つものと認識をします。 盛岡市が制定する都市景観賞のうち学校や学級単位が繰り返し受賞できるような誘導策やその体制を作ってほしく思いますがどうでしょうか。

 今後の盛岡の景観政策の大きな課題として 100年をかけてでも行っていくべき課題は、 電線地中化です。
 例えば中津川を横断する無数の電線がゆえ、 各橋から見ると愛宕山や姫神山を遮っており電線を無意識に除いてみているのではないでしょうか。 盛岡市の景観にあって「空」を回復させるために盛岡市として電線地中化宣言都市を宣言する時期に来ているものと思います。

 欧米との比較では 100% 地中化をしているドイツに始まり、 台湾でも台北市での電線地中化率は 90% をこえており世界の先進国の景観政策ではこの地中化推進がカギですし東京都など先進都市では地中化を推進する動きを加速しております。
 盛岡市の過去作成された古地図や鳥観図、 昔の風景の絵葉書をみると電線が描かれておらず新鮮な気持ちを覚えます。
 景観行政を前へ進めて行くこと、 そして次世代によりよき景観を残していくため、 盛岡市独自の指針をつくり 100年後には電線地中化を達成することを表明していただきたいのですが市長はこの件はどうお考えでしょうか。
 良好な景観形成の誘導では、 一時的な構造物も対象とすることはできませんでしょうか?
 雪あかり盛岡歴史文化館前のイルミネーション(電飾)も一つの景観形成ですが、 これは、 季節性一過性と見ることもできます。 ただし景観に大きく関心を呼び貢献している要素もあります。 このような仕掛けは都市景観賞の対象としてもよいのではないか、 と感じておりますがどうでしょうか?
 また景観と呼ぶべきかあるいはアートと呼ぶべきか、 はありますが一般住宅街におけるカラフルな色合いの住宅群や電飾群を仕掛け団地や山間地の集落で楽しみながら地域活性化が図られないかと感じております。
 日本の住宅にはオレンジやピンク、 黄緑、 空色、 蛍光の黄色などの色彩の自宅は採用されない傾向があります。
 一方では海外では自然景観と一般住宅の景観を見事に協調させ、 景観の一部として生かされている国があります。
 盛岡市の住宅群でこのようなカラフルな色合いによる景観施策の実証実験はできませんでしょうか。 色彩をはっきり目立つようにしながら景観の一部とする手法についてはどのような見解でしょうか。
 これらを含めカラフルな住宅団地の形成や電飾(イルミネーション)群による家並みづくりのご所見をお聞かせ願います。

 都市の文化度、 住宅政策でいえば、 マンションに代表される集合住宅に着けられる外来語由来の名称です。 英語由来にとどまらずフランス語・ドイツ語由来の名前があります。 中には英語とフランス語を掛け合わせた名前もあります。
 このような実態はいつごろから始まったものでしょうか。
 諸外国との住宅性能差が大きい戦後の一時期ならともかく、 今や戸建ての供給も性能も機能も十分であり、 住宅政策は効果が出たと感じます。 いつまでも海外の住宅にあこがれがあるような名称ではないと感じます。 中には本国の外来語にもないような組み合わせもあり、 来日している外国人に対し説明しづらいと私は感じております。
 都市政策として外来語由来の実態や集合住宅における名前の在り方について再点検はできないものでしょうか。 私は外来語が多用される分譲/賃貸の集合住宅については名称について見直しを図り日本語の響きを持ったあるいは城下町にあったような名称を推進していきたいと考えておりますがご所見をお聞かせ願います。

 国道106号線沿道への道の駅の整備について伺います。
 地域高規格道路一般国道106号線「宮古盛岡横断道路」は令和3年 3月に全線開通をしました。 高規格道である東北道は PA や SA がありますがおおよそ 15~20キロごとに設置されトイレ休憩や買い物等をするのに都合の良い施設となっております。
 ところで宮古盛岡横断道は延長約80キロですが途中道の駅宮古市川内のやまびこ館の 1か所休憩所があるだけです。 また区界峠には道の駅はありますが新トンネル後の存廃を検討する報道もあるほか、 トンネル出口から逆行しないとたどり着かない立地の悪さがあります。
 なによりも手代森トンネルを超えると沿道には宮古市街地に入るまで民間のコンビニは一件もありません。
 もちろん、 無料開放されている高規格道路ですから維持経費を考えると贅沢は言えないのはその通りですが観光面や物流面、 安全面を考慮しても手代森トンネル以東に休憩場所がないことは、 開通後利用して見えてきた課題ではないでしょうか?  盛岡からですと次の休憩地点である宮古市川内の道のやまびこ館までは、 48キロ先でありは通常の高速道路の SA PA 配置の約倍の距離があります。
 そこでその間である盛岡市内部分の国道106号線の沿道に休憩地、 道の駅の提案するものです。
 場所は、 私が見たところ県営梁川ダムの駐車場を拡張して利用するのが良いと思いました。
 手代森トンネルから新区界トンネルまでの盛岡市側区間において道の駅を設置することについてどう思うでしょうか?  川目にある産直施設の発展解消をすれば事業体の確保ができるものと思います。

 道路の整備について、 自動運転車の導入について道路整備側との関係で伺います。 私は自動運転を実施する茨城県境町や厳冬期の自動運転をする北海道上士幌町の自動運転車を体験してまいりました。
 特に上士幌町の運行は、 厳冬期積雪時の自動運転でしたが GPS 機能と建物情報の2つの情報を事前に組み込むことで走行が可能で実際に走行しておりました。
 一方で道路への駐車の際の迂回の課題や排雪した雪山を別の建物と誤認する恐れがあること、 また、 大粒の雪を障害物として関知して走行停止の措置となるなど自動運転において特にも積雪地や寒冷地では課題があるものと認識をしました。
 今後盛岡でも自動運転の本格運行が始まりますが是非実際の道路を使用しての実証実験に踏み込んでほしいと思います。
 JR 仙北町駅ですが現在の木造駅舎は解体撤去し、 駅前広場を作る予定です。
 この際この広場については最初から自動運転車が発着できる規格を採用し、 ラストワンマイルの解消に役立つような仕組みはできないものでしょうか。
 つまり、 概ね半径 500メートルから 1キロの移動を小回りを利かせながら走行する自動運転車を走らせ戸口から戸口までの移動の確保に使用するものです。
 自動運転車は先に盛岡城跡公園で試行運転がされましたがこの総括と今後の実証実験への展開や鉄道駅との連接という次の段階の実証実験の展望についてご所見をお聞かせ願います。

 つづいて、 歳入の確保について伺います。
 固定資産税とあわせて徴収している都市計画税の 0.2% です。 税率が盛岡市とは違う自治体があります。 歳入の確保の観点から今後の課税区域の拡大や税率の改定などの進めて行くことで歳入増を図る手法があると思います。 この可能性があるか、 ご所見をお聞かせ願います。

 盛岡市の公共施設の使用料・入館料は、 いわゆる運営経費を完全に賄うという制度設計ではなく政策的に価格の決定がされております。 実勢や諸物価高騰、 更には最低賃金改定などインフレ圧力で経費と入館料との差は広がっているものと認識します。
 盛岡市の公共施設においてこの間10年以上消費税改定に伴う変更は据え置きと見た場合に、 使用料・入館料を据え置いている施設は相当数にのぼっているものと思いますが総括的に見てどのようなご所見でしょうか。
 直近10年でみると、 消費税の税率改定や諸物価高騰、 最低賃金の改定など物価上昇となって今年は水光熱費の異常な高騰も発生しておりますが、 相対的に割安となったり価格改定が弾力的に実施できないことで指定管理者への負荷がかかっていないか検証するべきです。
 私は、 価格改定や使用料入館料の値上げ、 入館料の施設の采配権(上限範囲を定めた上で)を委譲し、 自主的に運営をしていただく方式に改めてはどうかと思いますがどうでしょうか。

 公共空間の歳入を伴う利用について伺います。
 かつて旧盛岡バスセンター用地をサイドBとして貸し出し、 地域活性化として活用してきましたが、 遊休地を放置している現状が旧中央消防署を含め散見されます。 民間であれば、 土地に課税をされることから利用や売却・貸与がされるのですが、 街づくりの観点からも見直すべきです。
 旧消防署跡地の件で言えば専門部署がないことが、 未利用状態を放置している要因ではないでしょうか。
 専門部署を立ち上げ未利用財産の活用や広告収入を含め歳入の確保をもっと進めて行くべきと考えます。
 この専門部署の立ち上げにあたっては民間会社への出向を含め職員の技量向上が必要と思いますが市長のご所見をお聞かせ願います。
 公共地下道や仙北町・厨川駅自由通路だけではなく工事用で確保している残地や法的に可能で市が管理している物件、 ネーミングライツを活用し屋内屋外広告を掲示しその財源を運営費にあてるという施策を強化するべきと認識しますがどうでしょうか。

 地域の活動センターに顔を出すと今日は会合の無い日だったという会話を何度もしたことを思い出しました。
 市所有あるいは指定管理をしている施設においてコロナ禍前と後で稼働率はどの程度になっているものでしょうか。 また、 稼働率を向上させる策についての提案ですが、 全市一律の空室情報を共有するシステムの導入とネットからの予約ができる仕組みを導入することはできないものでしょうか。
 その際、 稼働率が低い施設においては価格を引き下げるなどしてディスカウント利用料の制定や毎月定期の利用を年単位で行う制度の一定の利用に加え利用が著しく少ない場所は賃貸を含め歳入増に向けた取組を図ることは可能でしょうか。

 つづいて地域の福祉についてです。 まずは、 民生委員の成り手ですが、 この12月に3年任期の民生委員の改選期がありましたが、 盛岡市内の充足率はどうでしょうか。 定足数に達したといっても何とか頼み込んだ町内会もあるようで定足数に達している地区だからといっても人材確保の構造的課題は先送りをされているものと認識をしております。
 民生委員に限らず発足当時の制度設計と今日の時代背景の違いや共働き世帯の増加で今後も改選期ごとに人選の山を越えなければなりません。
 私は行政施策と密接不可分な町内会役員について、 今後はプロ化いわゆる専従という考え方、 また町内会から再委託する代行業の導入という考え方を取り入れるべきと思います。
 特に広報であればデータさえあれば紙面を作成する広報誌作成代行、 掲示物張替代行、 民生委員の欠員の際にはその地域を補完する民生委員代行などです。
 PTA役員代行というサービスがあるようですが本人や町内会が担わなくても守秘義務契約や双方納得の条件で代行するこということを制度化し持続可能な地域の後押しをするのはどうでしょうか。
 またそれを拡大させて総務部が所管する消防団、 建設部が所管している除草処理や穴ぼこの簡易修繕、 住民除雪、 環境部が所管するきれいな街活動、 市民部が所管する交通指導隊、 保健福祉部が所管する地域見守り、 これに加え空き家に住んでいただき見守りを行う請負業、 専従(事務局)を設ける仕組みはできないものでしょうか。
 「官需由来の仕事を全部受ける代わりに生活給を受給する」もので副業人材の解禁あるいは、 ダブルワークで有効にも活用できるものと思います。 また、 移住者に対しては半農半XのX部分として固定された収入で生活の一助となると思われます。
 このような公的需要を取りまとめた仕事づくりについてどのようなご所見かお聞かせ願います。

 町内会と市との関係について伺います。
 以前本議会で町内会加入条例の制定について訴えましたが市ではそのような予定はないという回答でした。 一方町内会から脱退した人にはゴミ集積所を使わせないことを発端とした裁判事例があるようですが、 このようなボタンの掛け違いについてもなるべくなら避けたいというのが地域住民の本音ではないでしょうか。
 町内会加入条例はできないということであるならば町内会活動について行政との密接な関係性を明確化することが必要であると認識しております。
 そこで、 市と町内会との包括連携協定の締結を提案いたします。 包括連携協定は入札制度はなく、 行政と主体が合意すれば成立するものです。
 町内会は市がそれぞれと協定を結び、 その地域については独占的に継続した市民協働の活動を継続して行っていく主体として位置づけ、 具体的項目と対象地番を記載した上で連携するというものです。
 市は町内会活動の公益性を再認識した上で、 協定をもって町内会未加入者への加入促進を進めて行くよう働きかけをしていただきたいのですがご所見をお聞かせ願います。

 教育について伺います。
 新型コロナの影響も3年目、 運動会や音楽祭、 文化祭での地域の交流もなくなり卒業式や入学式への地域代表者もなく寂しい3年間でしたが早期の地域住民の参加を解禁してほしく思います。
 地域の声が届かなくなる、 あるいは学校行事が伝わりにくく保護者と学校との意思疎通に課題があるとの意見をお聞きするものですが、 体型や体力面において心配されるところですが影響をどのように把握しているものでしょうか。 現場からは保護者の意向が見えずらし不満や希望を汲み取れていないということでした。
 保護者と学校現場の意思疎通の課題、 また対外試合の自粛からくる競技力の低下や体力テストの現状など児童生徒の体力面と精神面、 保護者との関係においてどのような課題があるものかお聞かせ願います。

 社会教育施設について伺います。 盛岡市には複数の歴史民俗展示施設がありますが、 私が子供の頃から展示している時代は変わっていないように感じております。
 高度経済成長期の生活様式の変化の時期に貴重な資料を収集保管展示ができたことはとてもよいことですし、 歴代の担当者の熱意を感じるものです。 しかし、 歴史は今日も刻まれるわけですからいずれ収集対象となります。
 盛岡市では保管する場所の関係で収集はできていないようですが、 資料の収集や生活様式の記録をしっかりとることは後世にとってとても大きな財産となるものと認識します。
 そこで仮称「盛岡市民俗資料収集・展示・保管計画」を定め組織的・計画的に資料収集することを提案したく思います。
 計画に基づき予算を組んで映像や実物、 紙媒体や実際の時代背景の所感を残していきながら盛岡の歴史を刻むことを制度化してほしく思いますがどうでしょうか。

 以上もちまして私の一般質問を終わります。

(盛岡市議会 令和5年 3月定例会一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2023年5月17日
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