2009年6月議会(一般質問) 盛岡市議会議員 鈴木一夫

http://www.suzukikazuo.com    所属会派「改革・みらい」


「改革・みらい」の鈴木一夫です. 通告に従い質問を行います.

 まず5月に公表した もりおか交通戦略の策定 及び 将来道路網計画の検証結果についてお尋ねをいたします.

 市の中心市街地活性化の戦略については, 今までも中心市街地活性化に関する構想が商工観光部および都市整備部よりしめされ, 今回の歩いて楽しむ中心市街地形成戦略実施方針が更にしめされたわけであります. 市の計画とはいえ, 街づくりには交通を含め商業活性化と環境整備やインフラ整備という関連する分野があるものと思います. 別な言い方をすれば, 複数の部局が中心市街地に人材を投入することは, それだけ力の入れ具合の度合いを示すものと認識しております.
 まず確認するのが 市の現在の中心市街地活性化事業に関わる担当者は兼務をいれてどの程度の人数になるものか, また何年で一定の完成を見て, またその総事業費はいくらと見積もられるのでしょうか.
 またこれだけ力を入れるのであれば, 中心市街地活性化に対する専門部署を作るなどの体制強化を講じることはできないものかお尋ねをいたします.
 中心部の回遊性についてですが 現在建設中の仮称クロステラス盛岡における想定の入り込み客数はどの程度と想定されるものか, 併せて MOSS ビルを含め大通り商店街あるいは菜園通りなどへの波及効果や歩行者交通量など回遊性についてどの程度想定しているのか, お示し願います.
 駅から菜園あるいは大通の連続した商店街の配置が 消費者マインドを喚起するものと思います. 駅から菜園・川徳まで連続した街並みの形成はできないものか, また行政としての支援策は講じる事は出来ないものかお尋ねをいたします.
 現在の中心市街地における買い物客の滞在時間や消費額はいくらでしょうか. また, ポケットパークのように憩う場所の整備や休憩スペース, からくり時計など観光の目玉となるモニュメントの設置についてはどのように認識しているのかお示し願います.
 今回の計画では交通処理を中心とした方針ですが, 大通商店街の路線バスの乗り入れについての見解, またつづじが丘団地発着のバスが運行されておりますが, 大通り運行における利用状況はどのようになっているものでしょうか, お尋ねをいたします.
 また自転車走行空間ネットワークについて, 実施二年が経ちますが, 交通量の現状や利用者の声, 更には中心市街地地区におけるこの数年でのネットワークの拡大についての路線は何処を想定しているのかをお示し願います.

 つづいて, 公共交通軸の充実・強化を図る戦略についてお尋ねをいたします.
 一つ確認をすることは, 概ね10年後の目標値を出しておりますが, この戦略にないことはやらないと認識してよいものか, それとも公表できる段階にないものも含んでいると認識してよいものか, まずお尋ねをいたします.
 公共交通の活性化についてですが, まずお尋ねをするのは, 盛岡市の交通戦略をいうのであれば, 行政の関与をどのようにするのかを明示する事と認識します. 例えばゾーン均一運賃制度やバス乗り換えに対しても 初乗り地からの距離によるキロ制運賃制度, また欧米では既に運用されている交通運輸連合など 事業者間の連携を軸にした共通運賃制度の設定など 行政の調整や関与の高い公共交通施策を盛岡市の交通戦略として策定できないものでしょうか.
 ちなみに, 乗換え抵抗や運賃の単純な課金での逸走率はどの程度と算定しているものでしょうか. この逸走率を低減させるために, この抵抗値を下げて行くという施策に市が仲介なり指導性を発揮できないものでしょうか.
 今回の公共交通戦略を例にとってみれば, 例えば岩手飯岡駅を活用し三本柳地区とのアクセス性向上を掲げておりますが, 利用者からすると一旦バスに乗ったらそのまま目的地に行きたいと考えるのが人情であります. 仮に鉄道とバスの連係と言う側面でみれば, 市が進めるこの案からすると, 飯岡駅東口の整備後のバス運行ダイヤやルートもさることながら, バスを降りて鉄道に乗りかえるためのバリアフリー化は必須であると認識します. 駅舎改築と駅西口整備とその取り付け道路を含む今後の見通し併せ, 飯岡駅の場合, 都南バスターミナルと駅前バスターミナルとどのような役割分担とするつもりなのでしょうか. 近接地に二箇所バスターミナルができると認識してよいものでしょうか. また駅舎についても花巻駅よりも乗降客の多い駅でありながら駅ベンチの数をはじめ狭隘な駅待合施設の改良も, 例えば駅乗降客数を生かしコンビニや診療所あるいは, 学習塾など民間資本を誘導した複合施設にすることにより, 市の負担を押さえながら駅利用者の利便性向上を図る施策を図るべきと考えます.
 前潟駅新駅設置の検討に300万円の調査費計上が今回されましたが, いつから, どのように調査をする方向で検討しているものでしょうか. 複数の駅建設予定地が出されるのか, それともイオン裏のように1箇所に絞られ調査がされるものでしょうか?  また新駅設置について地元との協力関係はどのように進める予定かもお知らせ願います.
 また, 鉄道利用促進のためのパークアンドライドについて 巣子駅で実施されている施策を市はどのように評価しているものでしょうか. 巣子駅の施策を盛岡市内の駅のどこかで実施できないものかもお尋ねをいたします. パークアンドライドといえば, 仙北町駅であれば, 駅西側の JR 用地が現在でもかなりの面積であるわけでありますが この用地を活用した駅前駐車場の整備は可能かどうかもお示し願います.
 今回岩手県北バスが会社更生法を申請するという報道がありました. 特に市北部や一部盛南地区にも乗り入れている県北パスの今後の支援策はどのように検討されているのか確認のためにお知らせ願います.

 将来道路網計画についてお尋ねをいたします.
 この将来道路網計画についてですが 今回の見直し案では実現性を踏まえた計画とするこということですが, 概ね30年後完成するものと断言できるのかどうかであります.
 今回の道路網についての総事業費はどの程度とみこまれるものでしょうか. また現行の国の制度があるとの前提ですが, 市の現行の道路予算を単純に30年執行すれば完成すると認識してよいものか, 負担増はでてくるものかをお尋ねいたします.
 私はこの構想の全体像については, 総体においては英断であったと認識するものです. しかし市民感情は道路に高い関心を示しており, 個別地域事情については, それぞれきめ細かな説明をし説得なり納得してもらうようにし, 場合によっては, 代替措置や計画の修正また, 別の還元を行うことを徹底して頂きたいと認識しております.
 構想では, 鉈屋町の四車線の都市計画決定を事実上, 白紙撤回したことが強調されておりました. しかし, 全ての地域で変化のあるところは説明をつけくわえるべきではないでしょうか. 明治橋と南大橋間に一つ橋をかける計画が今回削除されましたが, この場合どのような将来構想に基づき削除にいたったのか, 説明頂きたく思います. 例えばこのような削除をするのであれば, 明治橋の早期の拡幅や直近の交差点の改良を図るなどの代替措置を発動することにより, 住民の合意形成を図るべきではないでしょうか.
 また今度の見直し案での優先着工順位はどのように選定されるものでしょうか. 梨木町から県立中央病院までの四車線拡幅など継続した事業は理解しますが, 新規着工については,どの道路から着工していくのかお示し願います.

 中山間地の活性化についてお尋ねをいたします.
 まずは都市住民の農村部との交流についてお尋ねをいたします. 市ではグリーンツーリズムをどのようなものと認識しているのか, また今後どのように展開したいと思っているのかお尋ねをいたします.
 国立公園を抱える小笠原諸島では, グリーンツーリズムに力を入れており, 環境保全あるいは体験型の日帰りツアーを組織的に実施しております. ビジターセンターなどの充実もありクジラやカメ, タコノキなど動植物の展示・解説 また星座の配置図及び無人島の自然の紹介もあるほかに, 専門の資格を持つコンダクター同伴のツアーが毎日複数開催されております. 中には自然に癒され移住を決意する人もいるなど 自然そのものを演出する活動をしております. 盛岡近郊のこれら自然について 体験型のツアーの開催や盛岡を起点とした周辺市町村を巻き込んだルートの設定など 商業と農村振興をかねた施策は実施できないものか,お尋ねをいたします.
 盛岡における市民農園や体験型の農業施設などの延べ参加者数や栽培品目, 面積はどの程度なのか, 経営的な側面での現状と今後の課題についてお尋ねをいたします.
 また農業体験を修学旅行に取り入れるなど 農業を体験するという取り組みもあるようですが, 盛岡を訪問する修学旅行生に農業体験はできるものかどうかもお知らせ願います.

 中山間地域の活性化についてお尋ねをいたします.
 中山間地域とは, 食料・農業・農村基本法での定義では 「山間地及びその他の地勢等の地理的条件が悪く, 農業の生産条件が不利な地域」 と規定されております. 盛岡市においてはおおよそ市街地および平地で農業をする地域以外を指すところであり, 中山間地域と規定するとかなりの面積になるものと認識しております.
 中山間地活性化の活性化の取り組み状況について 市の現状の施策と予算措置の現状, また現在の主要施策についてお尋ねをいたします.
 我が会派では徳島県の JA 東徳島のいろどり事業を視察してきました. 人口2,000人の上勝町で第三セクターで行われているこの事業は 椿・南天などの葉や桜・梅の花など料理のつま物を商品化し 料理店などに販売をする事業をおこなっております.
 女性や高齢者に支持される形であり 販売額が2.6億円にものぼっております. 特質すべきは 出荷・受注業務を効率化するために各家庭を結ぶ光ファイバーの導入し 80を過ぎた高齢者がパソコンを操作し相場を意識し出荷するということです. またIターンの効果もあったということで 若者の定着も図られたということでした. 事業を立ち上げ20年目のいろどり事業の社長の粘り, 人間力・統合力そして 「しくみ」 を作ったことに感心をするとともに, 視察が多いが他の地区ではなぜ成功事例が生まれないのかという質疑に考えさせられました. 意欲的な人材の確保はどの分野でも必要ですが, 市は中山間地域の活性化のためのコンサルをどの程度実施しているのか, また人材の誘致などリーダーの育成をどのように考えているのか その認識をお尋ねしたく思います.
 最近, 山菜取りでの遭難が相次ぎ 先日も岩泉町内で80代の方が遭難しお亡くなりになりました. マスコミなどでも山菜取りなどでの遭難防止に注意喚起をしているところであります. 遭難し警察や消防が出動した場合の費用の負担は現状どのようになっているものでしょうか. 今年に入ってからの市内山中において遭難し捜索の対象となった人数と, その捜索費用及び遭難者への請求額についてお知らせ下さい.

 つづいて県営梁川ダム事業についてお尋ねをいたします.
 県事業である簗川ダム事業については, これまでも市議会で各種の議論が交わされて来たところでありました. すでに市としての負担なり役割分担は完了しており, 県の事業の進捗がすなわち完成に至るものと認識しております.
 まずお尋ねをすることは, 梁川ダムは本当にできるものかどうか, であります. 県からはどのような説明を受けているものでしょうか. 県財政の現状では, 県営運動公園の第1種競技場の改修ですら財政的理由から渋り, 県立病院再編の動きや昨今の景気動向 そして何より人口が盛岡広域圏で減少に転じる中で, 時のアセスメントなど中断にちょうどよい指標が持ち出されることは危惧されないものでしょうか. 現在の進捗は計画に対し何割程度まで進捗をし, 計画では何年度に完成するものかまずお示しいただきたく思います. 計画を縮小変更することは検討されていないのか, 建設位置が20メートル程度変更されたということですがどのような変更点なのか, お示し願います.
 そもそもの当初梁川ダムが建設すると決定した時の着工理由と当初の完成年度, 当時想定されていた盛岡市の人口および多目的利用の際のそれぞれの数値は, 如何でしょうか.
 併せて県が現在完成年度とする時期における推定人口や水需要など 完成年度における指標とその変化, 更には総工事費に対し現在予算執行上何割の執行状況かもお示し願います. 洪水防止などは理解できますが, 人口減少や水需要の減少でダムそのものが要らなくなる可能性はでてくるものでしょうか.
 それを踏まえた上で, 完成年度が遅れることで1年あたりどのような損失が出ているものか, またリスクにさらされているのかを中心に 梁川ダムの盛岡市の必要性を改めてお示し願います.
 また市では梁川ダムの担当を市長公室の企画調整課と水道部にまたがって担当しておりますが, 担当課同士の連係についてはどのような調整がされているものかもお知らせ下さい. 県との話し合いの頻度や内容についても どちらがどのような担当なのかお示し願います.
 国道106号線の梁川ダムによる取り付け道路の進捗についてお尋ねをいたします. 三月に地元説明会を開催し道路用地買収の説明会を実施したと伺いましたが, 説明会における参加者数および説明内容を明らかにされたく思います. そのうち今年度の進捗はどの程度なのか, またその予算と盛岡市の負担分, 全体の完成年度はいつになり当初予定よりどの程度遅れが出るものかをお尋ねいたします. 取り付け道路の完成予定は何年度になるものかも併せてお示し願います.

 つづいて外国人登録及び就労についてお尋ねをいたします.
 人口減少や高齢化社会の進行により不足する労働力を補う為に, 外国人労働力を確保する動きがでております. インドネシアからの介護士の受け入れも始まっただけではなく, 盛岡市も出資する ICS では現在10名のインド人技術者がおり, 課税のシステムを作成するなどソフト開発をおこなっております. インド人が我々の課税システムを作るといった事は10年前には想像ができなかったわけですが, それだけ時代が変化し国際化も進行したものと認識しております. 今後, 外国人に対する受け入れが本格化すれば, これまでにない経験を市民が直面する事態も出てくるものと認識をしております.
 まず確認するのは, 市内における外国人登録者数の実態とこの20年の変化, またその国籍についてお知らせ頂きたく思います. 登録している外国人の主な職種はどうなのかと併せて, また市役所における外国語を話す職員の確保の状況やその言語はどのようになっているものでしょうか. 外国籍の市職員の状況や今後についてはどのような見解なのかもお示し願います. また外国人の生活や就労相談についてはどのような窓口で対応するものなのか. 現在どのような相談事が寄せられているものかお知らせ頂きたきたく思います.
 昨今の景気情勢の中での外国人の就労状況はどのように把握されているでしょうか.
 一方, 生活様式やそもそもの習慣の違いからくる摩擦というのも懸念されており, 例えば移民二世以降の日系人を多数受け入れる企業のある群馬県や静岡県のある地域では, 生活習慣の違いから来る摩擦や教育現場での対応, また現在の景気情勢における就労支援, 更には犯罪などの対処が大きな問題となっていると伺っております.
 市における地域と外国人との一般的なトラブルの事例はどのようなものがあるのか, また盛岡市内あるいは県内における外国人による犯罪はどのようなものがあるものか, また対策等についてもお示し頂きたく思います.

 職業観教育について, 社会人や地域の交流を含め二点お尋ねをいたします. まず第一点目は, 学校教育における地域との連係についてですが, 現在, 地域の行事やスノーバスターズなど地域ボランティアとの連係は 学校経営の大きな取り組みの一つとなっております. 例えば自主防災隊に中学生の力も借りたいとか, 地域文化の継承としてさまざまな祭りごとにも参加していただきたいという期待はあるものです.
 先日も有る中学校で銀行員が訪問し, お金をについての授業をおこなったと伺いました. 時間が有れば, お金の基本的なやり取りに加え, お金を借りることやクレジットの仕組みも触れたかったといっておりましたが, 時間が無くできなかったとおっしゃっておりました. 私はこのような取り組みを評価するとともに, 良い意味で実社会にでてからの心構えや, 経済活動している経済人の講話は人づくりに大きく役に立つものと思っております.
 このような社会人を講師にする授業は市内の中学校でどのような規模で行われており, 今後はどのような展開をするのかその見通しをお示し頂きたく思います. また, 講演のメニューはどこで企画されているものでしょうか. また教育委員会としてはどのような社会人との交流は歓迎したいという意向があればお示し願います.
 また地域行事に生徒が参加する場合, 万が一ということを考えます. 学校以外の地域行事に参加して事故等があった場合の保険については, 死亡時あるいは後遺障がい, また怪我の程度等によって学校保険の支給金額はどのようになっているものか, 天災での担保を含め不担保のものはあるものかどうか, また最近の学校外行事を理由とした保険支払の状況をお示し頂きたく思います.
 つづいて中学校における職業観教育の実状についてお尋ねをいたします.
 高校進学がほとんどのこのご時世でも, 中学校卒業を最終学歴として, 店頭公開企業を立ち上げたり, 億単位の年商を上げる企業を育成する実業家も多数いることから, 中学校卒業後実業界に進出することも大きな選択肢になると私は考えております. むしろモラトリアム的思考で大学に進学をし卒業しても, 手に職をつけられないという状況の方が悲劇ですら思います. 中学を卒業し市内であればナンバースクールといわれる進学校に何人進学したのかを競うという学力という一面だけではなく, 中学を卒業し, 就職する生徒にコンプレックスを持たせず夢を持たせるような就職指導は行われているものでしょうか.
 また若者への職業観就労意識を持たせる為には様々な要素があります. そのうち中学校における取り組みについてはどのような実状なのか, また今後の課題と方向についてお尋ねをいたします. 中学二年生で実施する職場体験に市役所の見学は出来るものかもお尋ねいたします.
 現在, 市内中学校卒業後における就職者数の現状とその就職先, またその就職指導の状況をどのようなものかお示し願います.
 昨今の景気状況の中では, 経済的理由から高校進学を希望しながら断念したという生徒はどの程度に上るものでしょうか.
 また最近の高校進学後の中退者の数とその理由, また高校進学後, 各種奨学金の受給者はこの数年どの程度の割合で推移しているものでしょうか. またそのうち返還における滞納状況とその対策も併せてお示し願います.


(一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2011年10月30日
〒020-0861 岩手県盛岡市仙北二丁目 23 番 24 号
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