2010年十二月議会質疑
盛岡市議会議員 鈴木一夫
会派改革みらいの鈴木一夫です.
まずはじめに, 福祉施策についてお尋ねをいたします.
介護についてお尋ねをいたします.
盛岡市における介護施設入所規模者における待機者は介護老人福祉施設に 1,123 名,
介護老人保健施設に 114 名など計 1,245 名となっており,
今後の高齢化の進捗や潜在的なニーズもあることから
この人数は,
今後増え続けるものであると認識するものです.
次期の制度設計がされるところですが,
その内容は,
保険料の上昇や自己負担増が先ず注目され,
保険本来の目的の達成と保険制度の堅持への議論が希薄なようで不安を感じています.
小手先の制度改正には限界があり,
次期制度改正には抜本的な改正が求められるものと認識しているところです.
介護難待機者解消では,
今回,
介護施設の前倒し整備を実施するわけですが,
今後の整備計画や施設の拡充はどのような見通しで実施する予定なのでしょうか.
また待機者の解消のための施設整備をする場合には,
どの程度の整備費が概算でかかるものかも併せてお知らせ願います.
また施設のサービスや施設水準なども,
市が主体的で弾力的な運営が図られるよう
施設の参酌水準の撤廃において,
どのような施設整備を目指していく予定でしょうか.
これら基準の見直しが検討されておりますが,
当市における保険料水準は同規模の都市と比較しどの程度の水準なのかをお知らせいただいたうえで,
財源確保策についての見通しをお示し頂きたく思います.
地域包括支援センターの機能強化についてですが,
どのように進捗をしているものでしょうか.
委託費などの加算措置を行って機能強化を図っていくことや国の地域支援事業が見直される状況ですが,
それらを踏まえご見解をお聞かせ願います.
介護現場の基本報酬の改善についてお尋ねをいたします.
介護現場の就労については低賃金であり,
夜勤を含む交代制をとるところが多く,
労働条件は厳しい状況と認識するところです.
先日の47歳の大卒男性で介護施設で働く方と意見交換する機会がありましたが,
月10万円の手取りでは,
結婚はおろか親孝行もできないという状況をお聞かせいただきました.
求人も介護現場だけが倍率が高めであることから,
待遇面の改善は急務であると認識します.
市内の介護施設の平均年収や平均在職率などの待遇はどの程度の水準なのか,
お知らせいただき,
担い手確保策をお知らせいただきたく思います.
個人情報保護との関係についてお尋ねをいたします. 地域で高齢者を支え, 孤独死などを防ぐためには, 高齢者の情報が必要となりますが, 個人情報保護の理由から, 地域になかなか伝わらない状況です. 東京都中野区では, 本人の同意なしで町内会などに高齢者の情報を提供できる条例案が策定されました. 中野区の事例について, 盛岡市では高齢者情報の開示にどのような認識なのかを含め 地域で支える社会づくりについての見解をお聞かせ願います.
生活保護の現状と今後の対応についてお尋ねをいたします.
盛岡市で現在生活保護受給数は,
2010年10月現在3,368世帯で4,842名であり,
これは,
盛岡市民の1.6%,
実に63名に1名の割合で盛岡市民が生活保護受給世帯であると認識しているところです.
生活保護受給者数は2006年度に3,000名を超え,
2009年度は4,000名と急激に増加している傾向を示しております.
この数年は失業による勤労収入の減少や不労所得の減少が主な要因とされ,
景気や雇用情勢の悪化など市民の貧困化に対し,
行政のセーフティネットの発動がされているものと認識するものです.
憲法第25条の規定や諸法令の定めにより,
生活保護制度では財源負担が国が4分の3,
自治体が4分の1を給付することとなっておりますが,
平成8年以降一貫して受給者が増加しているおり,
生活保護を論じる上では,
同時に財政面を加味していかなければならないものと認識するものです.
生活保護受給世帯の平均受給年数はどの程度になるものか,
また生活保護受給してからそのまま死亡に至るする方の割合はどの程度にのぼるものでしょうか.
また一度生活保護から自立した市民で再び (三度~)
生活保護を受給するに至った人数とその要因はどのようは現状なのかお示し願います.
また,
年金の給付水準より生活保護の給付水準の方が,
高いという逆進性も改善するべき課題ではないかと思います.
高齢者医療制度や健康保険,
介護保険を含めた生活保障をトータルなセーフティネットとして制度設計することが必要だと認識します.
この点についての市の認識をお示しください.
生活保護施策では,
ケアワーカーの人数の一人あたりの負担増が問題となっておりますが,
増員を含めた対応や生活保護受給世帯の急増に対応した体制については,
どのようになっているものか,
お知らせいただきたくと思います.
また近年の生活保護の不正受給の実態はどのようになっているものか,
事例と給付した金額,
摘発できたきっかけ,
回収した金額などもお示し願います.
つづいて扶助費の状況について,
お尋ねをいたします.
先日の市議会全員協議会で示された中期財政見通しにおいて扶助費の増大が顕著に示されたことに改めて驚きと,
今後の高齢化社会における覚悟とあわせて,
財政の硬直化を懸念するものです.
今年の就職状況をみると,
新卒者の就職が厳しい現状ですし,
青年の無職率が10%というデータもあります.
次世代のささえる側の崩壊ともいえる状況のなかで,
理論的には4人に1人とか3人に1人とかいう高齢者を支える状況も脆弱化すれば,
扶助費の給付を持続できなくなるのではないかと,
私は強く懸念するものです.
今後の扶助費の増大の中で,
財源をどのように手当てをしていくのかを確認したく思います.
福祉施策の充実には欠かせない財源論をしっかりと市民へ説明し,
納得していただける必要があると認識します.
市長は,
扶助費の増大に対し,
どのような財源の裏付けをとっていくお積りなのか,
是非ご見解をお聞かせ願います.
どの程度扶助費の割合と市税収入の割合が接近すれば,
増税など市民負担する状況に至るのかを,
現在の交付税水準であった場合の中期的,
長期的試算をお聞かせ願います.
つづいて市営住宅の入居についてお尋ねをいたします.
市内には西仙北や柿の木団地,
乙部,
青山,
夏間木などで計2,768戸の市営住宅が存在しております.
市営住宅においては市営夏間木住宅や青山アパートの改築もはじまり,
老朽化した市営住宅のバリアフリー化などの改修も実施されるわけですが,
最近では入居希望しようとしてもなかなか抽選に当たらないというご意見も頂くなど
市営住宅を取り巻く情勢も多様にわたるものと認識しております.
確認のためにお尋ねをすることは,
市営住宅の居住者の平均居住年数や平均年齢はどのような現状なのか,
(単身か独身かも含めて)
合わせて市営住宅退去の理由の数と理由にはどのような状況があるものか,
お尋ねをしたく思います.
そのうえで市営住宅の事業を実施する際の今後の課題はどのようなものがあると考えるものか,
お聞かせいただきたく思います.
また老朽化した市営住宅の改築計画や今後の戸数の増減,
バリアフリー化対応についてはどのような見解なのか,
高齢者の低層階への転居などについてのご見解もお聞かせいただきたく思います.
また,
介護施設との合築など多目的市営住宅についてのご見解もお示し願います.
また,
盛岡市の空家率を考慮して中古住宅の積極的な買取を実施するなど
ハード事業をせずに市営住宅のニーズを確保する施策の展開についての見解もお聞かせください.
市営住宅の入居についてお尋ねします.
最近の市営住宅の応募戸数と入居希望者の倍率の傾向は,
平成20年度で 2.6 倍から9倍,
平成21年度は7倍から9倍と高水準であり,
今年度に入ってからも 3.8 倍から 5.2 倍と
いずれも高水準の応募状況となっております.
今年は,
いずれも募集者数が20戸程度のところに100名程度が入居希望している状況である,
多くの皆様に待機を強いている現状にあるものと認識をするものです.
私のところにも入居希望者の相談をいただくわけですが,
抽選制となっており,
毎回応募していただくようお願いをするわけですが,
本人からなかなか入居の抽選に当たらないというご不満の意見を頂いております.
かなりの市民が市営住宅の抽選漏れされているものと思います.
大阪市では連続20回抽選漏れをすると,
次回は自動的に入居できると規定をしているようですが,
入居の公平性と合わせて必要性にも着目した配慮は必要ではないでしょうか.
仮に連続20回だとしても年4回の抽選会ですから,
5年以上待機している状況となり,
本人の家庭事情を考えても待機の限界にきているものと思います.
是非,
盛岡市営住宅でも連続した待機者に対して入居を優先できる優遇措置を講じて頂きたく思いますがいかがでしょうか?
つづいて新幹線新青森延伸後の盛岡市の街づくりについてお尋ねをいたします.
12月4日東北新幹線が新青森まで全線開業しました.
建設計画以来実に38年遅れによる開業でしたが,
この計画に携わった方が方々のご苦労に改めて敬意を表するものです.
2011年3月には,
九州新幹線も全通し,
青森から鹿児島までという新幹線で結ばれることとなります.
今後の市政運営は,
新幹線の沿線都市として,
そして中核市としてどのような特徴を出せるのかが大きな市政課題であるものと思います.
まず,
確認することは,
2002年12月の八戸延伸以降,
終着駅のアナウンス効果がなくなり,
通過都市となった盛岡市が受ける影響をどのように分析しているものでしょうか.
また今回の青森延伸に伴い特にも支店経済の配置状況についてや,
不動産の入居状況や賃料の傾向をお示し頂き,
今後の盛岡市の経済・都市戦略をお示し頂きたく思います.
盛岡に支店を配置するメリットはなんであるのかを是非お聞かせいただいたうえで,
北東北の市場における盛岡の優位性についてお知らせいただきたく思います.
新幹線の延伸は2015年の新函館開業
そして札幌まで北に延伸していきます.
盛岡から北に目を向けると札幌までの沿線大都市は八戸,
青森,
函館,
小樽がありますが,
いずれの都市も新幹線駅は既存のターミナル駅や市の中心部から数キロ程度離れています.
盛岡の次は札幌までは中心部に隣接しない状況となります.
これらの都市ではいわば既存市街地との2重投資や新幹線駅とのアクセスの課題も発生するものと思います.
盛岡市は,
中心地に駅があり,
また秋田新幹線の分岐駅の要素も加わり,
盛岡の地理的優位性は極めて高いものであると考えます.
これに加えて駅西口や盛南地区の広大な公共用地,
旧盛岡駅機関区跡地など駅に隣接する用地にも余裕があることから,
企業誘致や研究機関の誘致などに生かしてるかどうか,
が盛岡の市政発展のカギであると思います.
新幹線の優位性を生かしたまちづくりと遊休地の資源活用についてのご所見をお聞かせいただきたく思います.
企業誘致については,
盛岡市のこの1年での新規誘致企業の進出状況はいかがでしょうか?
また,
撤退する企業の状況もお示し頂き,
この最近の企業活動の状況と盛岡市の企業の総雇用数の傾向や今後の課題をお聞かせ願います.
広域観光圏構想について,
お尋ねをいたします.
県境をまたいだ広域観光圏構想に今回宮古市と小坂町がくわわりました.
この2自治体の参加の理由や今後の観光圏構想の展開についてご所見をお聞かせ願います.
秋田新幹線の結節点として田沢湖や角館のある仙北市の参加はなぜないものでしょうか?
また,
海もあり山もある広大な面積に対し広域観光圏のテーマをどのようにしていくつもりなのかお聞かせいただきたく思います.
観光キャンペーン岩手ディスティネーションキャンペーン
(以下 DC)
の準備状況についてお尋ねをいたします.
平泉の歴史遺産の世界遺産の2011年の再登録の活動も大詰を迎え,
JR 6社との連携の DC,
さらには2016年の岩手国体開催など
今後の盛岡・岩手を取り巻く環境は,
日本中から注目をされる事業が目白押しとなるものと期待するものです.
平泉の世界遺産の世界遺産再登録の動きは現在どのように進捗しているものでしょうか.
富士山や小笠原諸島,
九州の産業遺産など日本中の自然遺産が世界遺産のブランドを求めて活動しておりますが,
最近のユネスコの採択傾向と合わせて平泉の世界遺産登録に対する現在の進捗をお知らせ願います.
前回の DC では
「詩情豊かな岩手路」
のキャッチフレーズでしたが,
今回の DC における全体の総予算と訪問客などの数,
経済波及効果をどのように見積もるのか,
とあわせて盛岡市のおける経済波及効果をどの程度と見積もるのか,
市の準備状況についても合わせてお聞かせいただきたく思います.
まちづくりについて,
電線地中化についてお尋ねをします.
市内には,
電力や電話の電線が張り巡らせられておりますが,
景観の関係から地中化する動きが全国的な街づくりのにて行われております.
当市も映画館通りで実施され
菜園でも現在計画が進められておりますが,
電線地中化をもっと推進することはできないものでしょうか.
例えば上の橋のぎぼしは後ろの愛宕山とあわせて景勝地となりますが,
残念なことに橋のすぐ上に電線があって風景写真上,
残念なアングルとなります.
また盛岡八幡宮山車も電線により小型化したと聞きます.
五所川原市では30メートルある立ねぶたを運行するのに際し,
電線の撤去や信号機を縦に設置するなど祭りに合わせた街づくりにしました.
電線地中化については,
どのような問題点があるのか,
また,
地中化を促進することに対する問題点はどのような点かを含め,
電線地中化における見解や今後の計画についてお聞かせ願います.
盛岡の将来像についてお尋ねいたします.
まず,
市長にお尋ねをしたいのは,
市長就任から2期8年,
明治維新以降,
市制121周年を迎えるにあたり,
盛岡市政の失敗は何であるのかをお聞かせいただきたく思います.
失政の遺訓はそれぞれの地域にて語り継がれております.
八戸市や二戸市は,
鉄道駅を市の中心部から追いやったということが現在でも尾を引いているとされ,
また郡山市や松本市,
高崎市のように県庁所在地を逃した事が,
120年経っても禍根を残している自治体もあります.
藩閥政治を乗り越え,
平民宰相原敬など先人を排出し,
盛岡人は幾多にわたる困難のを乗り越え今日の市政が継承されておりますが,
産業施策の展開など,
盛岡独自の発展もあってよい施策もあったのではないかと考えるものです.
盛岡市政の失敗や弱点については,
どのようなものがあるのか,
是非お聞かせいただきたいと思います.
一般的に行政には損切りという考え方が無く,
一度実施した施策については,
政変や市長選の争点にでもならない限り,
実施しつづけます.
市政の節目に在籍し市長として後世の世代に対し,
将来像として何が必要なのかの是非メッセ―ジを発していただきたいと思います.
盛岡の将来を語る上では,
30万人市民の総合力を発揮する新たな結集軸が必要だと思います.
例えばプロサッカーチームの育成は,
市民の結集軸として有効であるはないでしょうか?
アルビレックス新潟の取り組みは市民参加,
市民サポーターを巻きこんでおり,
バスケットボールのチームとのサポーターの連携もあると聞きます.
10年程度の期間をかけて盛岡にプロスポーツチームを育成する官民挙げた取り組みはできないものかを含め,
市民の結集軸についてをお聞かせ願います.
上下水道事業についてお尋ねをいたします.
水道事業と下水道事業がこの4月より統合され上下水道事業となったわけですが,
上下水道事業の大きな課題に,
施設の維持・補修と更新があるものと認識するものです.
水道事業については,
昭和初期から水道事業を開始し,
おいしい水の供給を今日まで継続していていることに敬意を表するとともに
施設更新の計画的な実施と市民負担の軽減が大きな課題の一つであると認識しております.
特に,
流域人口の減少や節水意識の定着などにより水道使用量が減少しているわけですが,
施設更新についても同時に行っていく必要があります.
近年は八戸市や北上市などの老朽化に伴う断水事故が相次ぎ水道管の老朽化が注目されてきておりますが,
本市においてどのような状況かが市民の関心時となっております.
まずお尋ねをすることは,
水道における漏水率はどのようになっているものでしょうか.
施設維持については,
受益者負担の中で黒字経営をされているとお聞きしますが,
施設の計画的な補修に際し,
料金転嫁などの可能性はあるものでしょうか
空家率の上昇の中でせっかく設備したインフラの未活用の事態もあるものと思います.
未活用の水道施設はどの程度にのぼるものでしょうか?
あわせて今後の施設補修計画における水道施設の補修計画について改めててお聞きしたく思います.
また経費削減により指定管理者や民間事業者,
公社への委託をすすめておりますが,
経費削減効果と合わせて事業の円滑な実施はされているものか確認を含めお聞かせ願います.
また地上の道路工事を伴う場合,
上下水道の工事については,
他の事業と同時に実施し道路混雑緩和をする調整はできないものかをお尋ねをいたします.
同じく下水道事業における施設更新や
人口減少における今後の使用料収入の減少,
整備しものの活用されていない事例などをお知らせいただき,
老朽化対策や施設の維持補修における計画や試算についてのご所見をお聞かせ願います.
また近年ではゲリラ豪雨という呼び名で
予測できない集中豪雨が九州や西日本で相次ぐ報道を目にします.
温暖化が一因であるとか,
さまざまな要因が指摘されるものですが,
盛岡市におけるゲリラ豪雨に対する雨水の対応は1時間あたりどの程度を想定した設計となっているものかを含め,
ゲリラ豪雨における雨水対策や洪水対策における課題をお聞かせ願います.
10月20日付毎日新聞の一面には下水道債残高が全国で31兆円との見出しのもと
過剰投資が重荷となっているとの一面記事があり
下水道事業債の過剰投資における重荷の状況を記載しておりました.
下水道事業における固定負債は39億5,300万円となっており,
金利支払いや今後の設備投資における回収も課題であるものと認識するものです.
また損益計算書にある他会計からの負担金である一般財源からの繰入も20億7,900万円であり,
補助金の5,283万円をいれて,
21億円近い状況となっております.
下水道事業における一般財源の繰入について,
どのような水準なのか,
他の都市との比較の中で当市における現状をお示し頂いたうえで,下水道事業の財政面における今後の運営や課題についてお知らせ願います.
(十二月議会一般質問 終わり)
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