2011年 10 月 7 日
盛岡市議会十月定例会
一般質問

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2011 年 10 月 7 日

盛岡市議会 十月定例会

盛岡市議会 会派「絆の会」 鈴木一夫

 まず、 はじめに市長の政治姿勢についてお尋ねします。
 先の 10 月 5 日の今議会初日に行われました市長挨拶を聞いた上で感じたこと、 また三月議会で述べられました市長挨拶との関連も含めお尋ねをいたします。
 八月執行の市長選挙は盛岡市では六〇年ぶりの無投票当選が決まり、 同日執行の市議会議員選挙では、 投票率が過去最低の 48.87% を記録いたしました。
 今回は、 市長・市議会議員のダブル選挙であり、 市政に関心を持っていただく絶好の機会でありましたが、 結果として盛り上がりに欠いてしまったと思います。
 私自身は、 選挙戦で頂いた得票に敬意を表しながらも、 すれ違った人の 2 人に 1 人が投票していないことを考えると 気持ちよく市内を歩く気になりません。
 現在の市政の果たす役割は大きく、 東日本大震災以降の県都盛岡市の果たすべき役割、 中核市に移行した盛岡市の自治体力向上と、 自立した市政運営や財政硬直化における今後の運営がその大きな争点となるものでした。
 私は市議会議員選挙期間中、 盛岡市の一般会計と特別会計を有権者一人あたりでみると一票の単価は 66 万円であるということを申し上げ、 棄権は自らの納税した税金の使い道を白紙委任するものとなる、 是非市政に関心を持っていただきたいと訴えてきました。
 近年の投票率の下落傾向は、 市政にとどまらず、 県政でも国政でも見られることです。
 市長自身は、 前回の 30% の投票率と今回の無投票当選を率直にどうお感じでいるものでしょうか。 また市政の関心は如何にして高めることができると考えておられるでしょうか。
 私たち 38 名の議員も議会基本条例の制定など、 議会の自己改革を推進し、 信託される議会の在り方を危機感をもって対応していく必要があります。

 市長の三期目の課題として、 市長就任二期八年の在籍の中で、 達成できた点と達成できずに三期目に取り組む市政課題を具体的にどのようにお考えかを伺いたく思います。
 8年前、 市長就任時以降、 財政再建への強い決意の中で、 二次にわたる行財政構造改革を断行しました。 そして、 指定管理者制度の導入や市職員人件費の見直し、 上下水道局の発足などの改革に加え、 玉山村との合併や中核市移行への移行など北東北の拠点都市づくりを推進してきました。
 一方では、 三位一体改革以降の交付税削減のあおりを受けた、 公共工事の削減や市民各層への補助金削減など歳出削減改革も行っており、 毎年の収支を黒字化し財調への積み増しを図る一方で 住民サービスの見直しや補助率削減も行われ 痛みを伴う改革があったことも事実であります。
 改革から未来へ、 今回は 「もりおか元気戦略 2011」 を示したところでもありますが、 総花的であり具体的なイメージができなかったことから以下具体的な項目についてお尋ねをいたします。
 ます、 人事構成についてお尋ねします。 副市長人事についてお尋ねをしますが、 任期中は変更ないとみてよいものでしょうか。 また、 区長の人事や部長人事などについては、 どのような構想であるのかをまずお聞かせ願います。
 政策立案には、 人材の適正な配置が欠かせないものと思います。 配置のほかに市長の重点とする施策における職員教育についてはどのような構想をおもちでしょうか。
 市長挨拶で市町村合併を指向するとありました。 合併以外にも市町村相互に人事交流をする連携もあるのではないでしょうか。
 また、 図書館や火葬場の互恵関係による利用の促進や運動競技場の整備など 各自治体が進めてきたフルセット主義による施設整備から市町村単位で役割分担することや、 コミュニティーバスの市町村間をまたぐ運行など 行政の縦割りを超えた連携が現実的にも選択される課題だと思います。
 火葬場の無い滝沢村に対し、 火葬場の負担金を求める代わりに、 市民同様の基準で利用できる環境の提供のほうは、 現実的であります。
 また矢巾町へ岩手医大が移転するわけですが、 矢巾町とのアクセス改善や矢巾町を含めた交通戦略を合同で行うことが必要ではないでしょうか。
 矢巾町へ岩手医大が移転することで同町がどのような経済波及効果を見込んでいるのかをお示し頂いた上で、 盛岡市と矢巾町との連携には何が必要かをお聞かせ下さい。
 また滝沢村や矢巾町が運行するコミュニティーバスの盛岡への乗り入れを図りながら住民福祉の向上を図ることはできないものでしょうか。
 住民の生活圏と行政の区分は一致しておらず、 行政界により制度が区分されることは不都合なこともあると思います。
 住民起点の運営における連携と信頼関係、 実務面からの経費削減などの見通しのなかで広域合併という機運が高まるものであり、 上から網をかけるような合併の姿勢では、 広域圏の首長の盛岡市への関心は限定的ではないかと思います、 いかがでしょうか。
 今回、 沿岸被災地への長期派遣なども人事交流という側面もあろうと思います。
 中核市相互の人事交流や東北主要都市の交流も含め 国・県など他の行政機関との交流も行いながら 人材育成と活性化を図ることはできないものでしょうか。
 これらを含め市町村合併以外の他の行政庁との連携について市長のお考えをお聞かせ願います。

 盛岡市の抱える市政課題で懸案となる課題にはいくつかありますが、 まずは市立病院収支均衡の課題が上げられます。
 今議会に示された、 平成 22 年度市立病院会計決算は、 累積赤字が 40 億円の大台に到達しております。 地方公営企業法の全部適応を受けた以降、 一貫して累積債務は蓄積されており、 40 億円の大台に到達したわけです。 またこれとは別に、 一般会計から 8 億円余の繰入をされており、 市の除雪費の 5 億 2,000 万円よりも多い金額となっております。
 収支均衡のため、 事業管理者のご努力や医師確保策には敬意を表しながらも 税金投入の額の大きさを考えると看過できない状況であるもの事実です。 三期目の市立病院改革をどのように断行されるものか、 医師確保策や他の医療機関との連携を含め その決意をお聞かせいただきたく思います。
 また盛岡中央卸売市場の課題もあります。 中央のままでいくのか、 地方市場に格下げを行い経費削減するのか、 についても先送りされた感があります。 市場関係者からは中央の看板は必要であるとご指摘を頂く一方 経費削減策は必要な課題であります。
 300 億円台の取引高で手数料収入は、 7 億円台に対し、 10 億円台の償還が続き、 一般会計から 5 億円を超える費用を補填しております。 旧市場跡地の売却益を元にした基金の枯渇も指摘されているなど、 経営面における改革は待ったなしの状況です。 国の中央卸売市場改革では、 仙台を拠点とし あとは、 地方市場化ともとれる再編の流れの中で、 盛岡中央卸売市場の取引高や収支が全国的な市場の地位でみた場合どのような立ち位置にあるのか、 も含め早期に方向性を宣言するべきと思います、 いかがでしょうか。

 盛岡市が 20% 出資している岩手競馬事業については、 3 月の被災で盛岡競馬場一場での開催となりました。 場外馬券売り場の被災と復旧費用の捻出もあり、 存続条件とされた収支均衡の取り決めもあります。 計画収支は達成されているかのような県民向け報道もされておりますが、 この数字もどの程度信頼してよいものかも市議会でも議論されておりました。
 66 億円の融資の回収を含め 今後の競馬事業の全体像をどのように見ているのか、 市長任期の 4 年間における岩手競馬再生の取り組みをどのようにするの、 決意のほどをお知らせいただきたいと思います。 また、 盛岡市側の競馬事業担当者が何度も代わっていると感じます。 どの程度の在籍年数なのかお知らせいただいた上で、 息の長い取り組みが出来ないものかという人材の配置の面についてのお考えもお聞かせ下さい。

 公共施設アセットマネジメントについては、 もっと早くに全体像を明らかにするべき課題です。 いわば隠れ負債であり、 いずれは財政運営に打撃になるだけなく、 耐震工事や施設維持改修、 また地域課題になりうる課題となります。
 基金の積み増しを含め財政的な裏付けをどのように担保していくのか、 また全体像をいつまでに示すのかも含め 3 期目における施設維持の課題についての認識をお聞かせ下さい。

 平成 18 年 1 月 10 日の玉山村との合併からまもなく 7 年がたちます。 この間、 新市建設計画に基づく施設整備や渋民土地区画整理事業の清算など懸案であった事項にも着手しているわけですが、 3 期目の新市建設計画の事業はどのよう事業を想定されており、 どの程度の達成率を見込んでいるものでしょうか。
 渋民土地区画整理事業の清算など、 旧村の課題も解決する中で地域の将来構想をどのようにするおつもりでしょうか。
 新市建設計画の推進はもちろんでありますが、 合併で見えてきた現状を踏まえたうえで 新市建設計画外の玉山地区の振興策はでていこないものでしょうか。
 玉山地区の合併の満足度を高めるためには、 合併の期待でもある盛岡市の財源や人材などのソフトの力を玉山地区に投入し、 玉山の資源を利活用することと認識します。
 その期待にこたえられているものか 市長の率直なご感想をお聞かせ下さい。
 現在の玉山区ですが、 「区」 を外すということについてはどのようにお考えかおきかせねがいます。 区という名称が、 微妙な壁になっていないのかも含め 一体的な発展を目指していくということも模索すると感じますがいかがでしょうか。

 市長の 3 大政策と認識していた交通環境の整備については、 10 月議会の市長挨拶では見当たりませんでした。 選挙を経て心情の変化でもあったのか、 あるいは、 優先度が下がったのか、 来年度からは重点施策ではなくなる布石なのかも含め、 今回の市長挨拶に無かった理由をお聞かせ願います。
 前潟駅新設や高齢化社会を見据えた公共交通活性化策は、 市政の大きな課題です。 また、 中山間地区の輸送手段確保など 交通の維持は住民生活には不可欠な課題となっております。
 盛岡市の抱える交通環境の整備にはどのような課題があるのか、 また 3 期目取り組む課題をどのようにお考えなのか、 あらためてお聞かせ下さい。

 つづいて、 市内の経済動向についてお尋ねをします。
 リーマンショック以来の景気の落ち込みに輪をかけて、 今回 3 月の震災の直撃やガソリン不足なども加わり 一時的に経済活動に大きなダメージが加わったものと思います。
 経済活動の停滞は税収の落ち込みに直結をすることから 市政運営においても景気の下支え策の展開を含め、 風評被害からの脱却を図っていく必要があります。 特に観光産業は原発事故や津波映像などの衝撃もあり、 JR の DC キャンペーンの展開や 観光博覧会の実施など テコ入れ策でどれだけ挽回できるのかも未知数であります。
 岩手山における火山性地震の多発した際は、 風評被害からの脱却に 5 年かかったという関係者の指摘もあり、 今回の震災でも風評被害を克服することが第一の課題となります。
 最新の盛岡市の経済活動を示すデーターなどを総合していただきたいた上で、 市内経済の情勢はどのような状況と分析しているものでしょうか。 住宅着工件数や、 失業率など雇用情勢、 工業出荷額、 道路の輸送量の現状や倒産件数などを踏まえ市の判断をお知らせください。
 中小企業金融円滑化法により返済条件の変更が急増している現状があります。 本来ですと倒産や破産に追い込まれる企業が、 金融施策により延命している実態があります。
 例えば金融円滑化法による措置は、 岩手銀行で平成 21 年末が 75 億 47 百万円が平成 23 年 3 月末で 989 億 54 百万円、 同、 北銀が 85 億 37 百万円が 1,061 億 3 百万円、 同東北銀行が 41 億 79 百万円が 712 億 13 百万円となっております。 措置件数も 3 行あわせて平成 21 年末が 1,193 件であったものが、 平成 23 年 3 月末には 15,235 件となっており、 金額件数とも 10 倍以上の件数となっている現状です。
 企業倒産を執行しない銀行の判断材料は、 世論であり特にも震災以降の経済活動の停滞の中で 一時的に貸しはがしなどと先延ばししている銀行経営の判断によるものであります。
 しかしながら、 中には不良債権化するものもあるわけであり、 銀行の経営体力を考えるとこのような措置がいつまでも続くとは考えにくく 早急に対応をとる必要があります。
 市はこのような円滑化法による延命措置の現状をどのように把握され、 また対応を取るべきと考えているのかお聞かせいただきたく思います。
 私は、 市長の判断で公共工事の発注増による景気刺激策が必要ではないかと考えます。
 先ほど申し上げた公共施設アセットマネジメントにもとづく補修工事は、 今後もつづくわけであり 学校施設の耐震工事など前倒し発注などを行うことで市中の金回りをよくすることを検討できないものでしょうか。
 震災関連の予算である国の第 3 次補正予算の具体化が検討され、 復旧・復興の支援策や長期にわたる支援策が求められている中で、 多くの社会資本整備が行われることにもなり、 建設業を中心としていわば特需と期待できる側面もでてくると思います。
 盛岡には、 沿岸被災地への応援や下請けでの参画、 資材調達など波及効果も見込まれるものと思いますが、 この点についてはどのように分析をされているものでしょうか。
 もうひとつは雇用対策の側面からの課題となります。 生活保護関連の急速な伸びに対する対策です。 生活保護は国が 4 分の 3、 自治体が 4 分の 1 の財政負担をすることから、 生活保護受給者の増大はすなわり市財政の負担を増すということになります。
 現状の保護件数をお示し頂いた上で 生活保護の理由とされている経済的な理由からくる給付と それに対する市の負担の兼ね合いを検討する必要があると思います。
 生活保護行政に必要な予算措置を用意するのか、 失業対策を兼ねた公共工事の発注を行うことによる雇用の喚起を行うのか、 それぞれの担当でどのように調整されているものでしょうか。
 また生活保護の適正な執行も市民の強い関心時となっております。 先日の新聞報道にあった不正受給は論外ですが、 現在の不正受給はどのような実態なのか、 債権回収は進んでいるのかを含め実態をお聞かせ下さい。

 教育施策についてお尋ねをします。
 学校の適正規模の維持は、 児童生徒の教育環境の維持や部活動や集団生活など 様々な関係からも一定程度の規模は望ましいと認識しております。
 全国的にも中学校の統合が市町村合併後、 旧市町村の垣根を取り払って行われている自治体もあることから 少子化に伴う統合についてはタブー視せずに実行していく必要があると思います。
 小学校や中学校において最大人数のいた時代から比較して 特にも生徒数の落ち込みの大きいところはどこなのかの全体像をお示し頂いた上で、 今後地域別に特に学校の総合力を高めていく必要のある地域はどの地域となるものか、 お考えをお聞かせください。
 また中山間地域にある小学校や中学校の今後の生徒確保の状況や学校運営の見通しについてお示しください。

 つづいて学校施設の維持補修について。
 繋小学校では県産材を活用した木造校舎を新築で完成させておりますが、 隣接校舎の屋根は錆びだらけで塗装での補修では済まない現状ではないかと思います。
 校舎を新築できる費用はあるにもかかわらず、 既存校舎の屋根を塗装できないのでしょうか。 つなぎ小学校と中学校の事例はどのような制度から、 あのような状態となったのかご説明願います。
 国や県の補助事業の欠点の中に、 ひもつきという予算の縛りがあります。
 予算運営において必要な措置が講じられない場合で、 教育委員会所管の物件はどのようにして予算の獲得がされていくものか、 平成 23 年度当初予算の場合、 いくら要望していくら市長決裁額となったのか、 その中身をお示しください。
 学校の耐震補強工事の指摘は、 中国四川省の大地震で学校が倒壊し、 多数の児童生徒が犠牲となった件、 今回の震災で市民各層に防災の意識が強く浸透したことでも急がれる課題です。 耐震補強工事は、 全体でいくら必要とされ年度の現在の執行では何年かかるものなのか、 また国の要望などで前倒しした工事はできるものでしょうか。

 最後に来年四月開校予定の向中野小学校の準備状況についてお尋ねをします。
 今年度より本宮小学校の副校長先生が 2 名体制となり、 分割後の人事面での継承がいくような配置をされているなど 諸準備も進んでいるものと認識しております。
 以前の質疑では、 開校後校歌や校章の制定を行っていく例もあったので検討していくということでしたが、 改めて開校準備の現状と地域住民との情報交換の状況、 来年の予想生徒数など全体像をお聞かせ下さい。
 その上で、 資材不足あるいは、 工期については順調であるのかどうかの確認をまずしたく思います。
 盛岡市としては平成六年開校の北松園小学校以来の小学校新設であります。
 また向中野小学校卒の生徒は、 仙北中学校に進学することも決定しております。
 仙北中学校は現在すべて徒歩通学となっておりますが、 自転車通学はありうるのか、 また自転車通学がある場合の駐輪場整備はどのようになるものか その計画についてお示し願います。
 また仙北中学校には、 校庭に夜間照明施設が設置されておりません。 以前の質疑では、 全ての中学校に夜間照明施設を整備すること、 教育委員会では見解を示しましたが 仙北中学校に夜間照明施設の整備はあるのでしょうか、 見通しをお聞かせください。 また仙北中学校に向中野小学校の児童が入学することとなると校庭が狭隘となることが懸念されます。 仙北中学校の敷地の確保なり第二校庭の確保などの検討はされるものかどうかお尋ねをします。

以上です。

(盛岡市議会十月定例会 一般質問 終わり)

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