2012年 12 月 11 日
盛岡市議会12月定例会
一般質問

会派 「絆の会」 の鈴木一夫です。
~ 2012 年 12 月議会 ~

 まず、 はじめに、 市民参画とまちづくりについて各部に設置された審議会や協議会・懇話会の運営についてお尋ねをします。
 盛岡市には各部が所管する審議会や懇話会等があり、 それぞれ条例や法令、 要綱を設置根拠に設置をされております。 その中には、 総合計画審議会など市政全体を俯瞰するものから各部における専門性の高いもの、 病院経営や動物公園の運営など事業性があるものまで幅広く存在しております。
 これら、 各種審議会等の議論の内容や報告が積極的に公開されていないと感じます。 30 万人市民の代表した議論が還元されなければ、 宝の持ち腐れであると感じます。 これら議事録の作成はされていると思いますが、 公の役割がある以上、 公開の露出をあげていくべきではないでしょうか。 動画に撮影して公開することや、 ホームページ等に氏名を公表すること、 更にその団体が推挙された理由など人事の透明性についても記すことが必要だと思いますが この点についてどのようなご見解でしょうか。
 また、 議論の過程が、 政策や年度計画になるというより、 担当部の考えやコンサルタントに丸投げした政策が最初から出来ていて、 それにお墨付をつけるような形式的な場に審議会があるような気がしますが、 この点はどのように判断されているものでしょうか。
 市の人事システムでは、 2 ~ 5 年程度のローテーションで代わることから、 審議委員等のキャリアが上であり、 何度も同じことを言っているという状況が生まれていると感じます。
 担当者は過去の動画をしっかりと見ることで 一から議論をやり直さないような議論の財産化を促進するべきと考えます。
 各種協議会の意見や審議会でのやり取りが、 議論の組み立てを経て市の政策になることは、 審議委員等のやりがいではないでしょうか。 しかし、 議論して意見を聞いて終わりでは議論が盛り上がらないわけですし、 マンネリ化・ノルマ化すると思います。
 先進事例の紹介や大胆な政策提言をしても、 市長の政策の方向性は、 結局のところ市職員のスキルの枠内によるものであると感じます。 つまり市民や議会で方向性を提言しても、 担当職員の力量や認識不足で、 結果として現有市職員の器の中で計画が収まってしまうということです。
 大きな方針であれば、 県庁なり霞が関あるいは、 民間から人材を招聘して市の重要ポストに配置をして政策を実行する。 そのような場面はもっとあってもいいと思います。
 もちろん責任ある行政運営は必要です。 より有効な政策実施には、 外部登用を含む人材の力量の向上やその誘致が必要だと思いますが、 この点については、市長はいかがお考えでしょうか。
 予算への反映についてですが、 市民の関心時は予算編成そのものであると思います。 予算書を見たらに予算化されていたということではなく、 市長の予算査定を公開していくことはできないものでしょうか。 各種審議委員をこの予算編成に加えることを含め、 市民参画をより進める手法として公開された場での予算編成をとるこということにについて、 市長はどのようにお考えかをお聞かせ願います。

 各種委員の任命についてお尋ねをします。 市の運営する各種協議会や審議会は的に合わせて、 青年層の登用など、 各分野の代表者を選定しているものと思います。
 委員には市の事業への関与している方や、 事業を委託している方、 指定管理者もいるようです。 ある委員が別の場所では、 盛岡市主催行事のコメンテーターを引き受けている場面にも遭遇します。 行政の運営上、 声の掛けやすい人にその役割が集中しているようにも見えます。
 行政運営として、 責任ある運営のために信頼出来るパートナーを探すことが、 逆に癒着や依存関係を生む余地を作りだすことにはならないのでしょうか。
 市長は、 市民から選出されるこれら審議委員等が重複しているということについてどのようなご見解を持たれるのでしょうか。 安易な人選をしていないか、 あるいは既存の団体に負荷をかけたり、 特定のグループへの肩入れの懸念はないものか、 この点についての見解をお示し願います。 複数の審議会で委員になっている方は何名あり、 最大何団体の掛け持ちになっているものがお示し頂きたく思います。 また、 委員と業務の重複のうち市の受注する業務に直接かかわる部署や NPO などの団体はどのような実態なのでしょうか。
 私もこれまで各種審議会等に参加しましたが、 その場で委員の皆さんと初めてお会いして、 ぶっつけ本番的な運営で、そのまま解散ということでは、 委員相互の意見交換や本音が聞き出せないと感じました。
 委員間の交流は必要だと思いますが、 加えて、 傍聴者を集めやすくするために、 土日や夜間の開催についてはできないものでしょうか?  市役所の都合で平日に開催して、 傍聴者がなく、 それでいてパブコメを募集する従来のやり方を変え、 体育館なりを使い多くの市民の参画を頂きながら市政運営を決めていく。 ネットでの動画配信を行い自宅からも傍聴が出来る、 そのような運営はできないものでしょうか、伺います。

 つづいて、 高齢者福祉についてお尋ねをします。
 特別養護老人ホームへの入所を希望する方は、 全国で 40 万人をこえ、 盛岡市でも 1,200 名を超える待機者がいるとされております。 介護度の高い緊急性のある方への入所定員を増加する策を第5期の介護保険制度での整備計画で示していると認識しております。
 市長は第5期の介護保険制度では、 どの項目に重点をいれていくつもりなのか、 特に第4期までの未達成の点を含め介護保険制度の運営について財政面や保険料を含め認識をお示し願います。
 ところで、 将来の見通しの中で、 盛岡市の高齢者人口のピークはどのような時期に人口比で何%であると想定されているものでしょうか?
 全国的な推計値では、 2050 年には団塊の世代の高齢者人口は、 ピークを迎え反転し、 人口減少に向かうとされております。
 コンクリート建物の耐用年数が50年とされているところですが、 今後施設をつくるほどにデットストック化することが懸念されるものです。 入所施設については、 長期的な視点をもってそろそろ現行の量にとどめたうえで、 在宅で介護出来る地域包括ケアを行っていくことが現実的な手段であり、 財政的にも、 介護保険制度の持続性をみても現実的であると思います。 また公共の空き施設の利用や閉校した学校の利用、 流通センターの空き店舗などを含め、 空家・空き店舗を積極的に活用することはできないものでしょうか。
 また在宅であることの人の尊厳を保つためにも地域包括ケアは必要と考えます。
 介護保険制度に加わった 24 時間対応型サービスの定期巡回、 随時対応型訪問介護看護を盛岡市の場合の導入予定についてはどうでしょうか。

 高齢者だけの世帯の対応について、 高齢者世帯へのリバースモーゲージ制度についてお尋ねをします。 内閣府の高齢社会白書によると、 現在の貯蓄に関する意識調査では 60 ~ 64 歳では高齢期に備え現在の貯蓄額では不満であるという回答が6割を超え、 将来時自分の体が弱った時の居住形態は自宅にそのまま住み続けたい、 あるいは自宅を改造して住みやすくするという回答が同じく6割越えております。
 シニア世代では、 持ち家はあるものの手持ちの現金にゆとりはないという傾向がつよまっております。 自宅を持ち続けながら現金の借り入れを行うリバースモーゲージ制度があります。 これは、 すでに保有している住宅を担保に融資を受ける制度であり返済はせずに、 借入者の死亡時に住宅を処分して返済資金にあてるものです。 もともと 18 世紀にフランスで誕生した制度でありその後、 米国・カナダなど欧米でシニア世代の資金調達手段として定着をしており、 日本でも 1980 年代より東京などで官民でこのような金融商品が誕生しております。 これまで手持ちの現金がなく急にまとまった資金が必要になった場合、 住宅を売却して資金の捻出をしていたわけですが、 リバースモーゲージを使えば自宅に住み続けながら資金調達ができるメリットがあります。
 また、 自宅のリフォームやバリアフリー化などを行うことで景観上も気持ちの上でもリフレッシュできる住宅に改造することもできます。
 高齢者世帯の経済的・精神的な安定材料としてこの制度を導入できないものでしょうか?  盛岡市として高齢化世代に対する支援策や、 空家対策の上からも有効ではないかと思いますがこの点についてはいかがでしょうか。

 バリアフリーの現状についてお尋ねをします。
 盛岡市役所に優先駐車場の増設及びタクシー乗り場を常設できないかについてお尋ねをします。
 現在車いすや高齢者の方が盛岡市役所に来訪するには、 様々な困難があると認識します。 これは、 本庁のみならず若園町庁舎や肴町庁舎にもいえることです。
 優先駐車場スペースが全く足りないことをはじめ、 駐車場も点在をしていてわかりずらいという課題もあります。
 市役所庁舎を耐震補強をしたことで 20 年程度は現在の市役所を使っていくという腹積もりが出来たと思います。 今後の使用年数を考えると 長年の課題である優先駐車場やタクシー乗り場の設置に本腰を入れるべきと思います。
 市長は、 高齢者が市役所に来る際、 現状ではどのような問題があると認識しているのか、 また市長として県警や県など他の行政機関と連携して問題解決をする意思があるのかどうかをお聞かせ願います。
 市役所で、 たまに工事中の狭い正面玄関で高齢者がタクシーから降りてくる姿を見ます。 窮屈そうでなんともいたたまれない気持ちになりました。
 安心して市役所に来ることのできる駐車スペースの確保をしていただきたいと思います。
 公共施設や活動センターなどのエレベーター導入状況についてお尋ねをします。
 高齢化にともない集会場におけるエレベーターの設置のご意見を聞く機会が増えてまいりました。 市の集会場におけるエレベーターの設置は、 青山地区活動センターなどで先行して取り組まれておりますが、 市の全体的な設置率はどのような状況でしょうか。
 また利用者数などエレベーター設置をする場合の基準はどのようなものなのかをお聞かせいただき、 設置要望の状況や今後の整備計画についてお聞かせ願います。

 つづいて、 交通政策についてお伺いいたします。
 まず、 はじめにこの 12 月 1 日で開業 10 年を迎えた IGR いわて銀河鉄道について現状と今後の経営の方向性についてお尋ねをします。
 東北新幹線八戸開業を受け、 並行在来線ということで JR 東日本から経営を分離された盛岡~八戸間のうち岩手県側が IGR いわて銀河鉄道として青森県側が青い森鉄道として開業をしてから 10 年が経ちました。
 この間、 青山及び巣子駅の開業や、 天災からの復旧、 また JR 貨物の適正通過運賃への働き替けと、 その達成、 さらには、 運輸指令の設置など様々な困難を乗り越えてきたと認識するものです。
 運賃および関連事業収入で収支の均衡を図り、 持続的な事業体として運営するためには 今後も出資者である盛岡市をはじめ沿線自治体の支援や利用促進策をとる必要があると認識しております。
 この間、 貨物列車の使用料収入の改定による増額とそれによる累積債務の解消そして、 運賃を値下げするということの経営努力には敬意を表するものです。
 特に地方鉄道で運賃値下げというは、 近年では聞いたことがなく快挙であると思います。
 市長は IGR の今後の鉄道施策の展開をどのように考えているものか、 また盛岡市の担う役割をどのように認識されているものでしょうか?
 特に取締役としてまた株主としての立場としてこの点についてお伺いいたします。
 特に人口減少という沿線の経営環境では旅客収入の減少も懸念されているところです。
 通院列車の運行ということであれば、 花輪線の列車を上盛岡駅に乗り入れすることにより IGR 沿線から県立病院までの通院列車とすることも出来ると思います。 IGR は旧東北本線の代行だけなのか山田線の乗り入れをするということは制度上可能なのでしょうか?  上盛岡駅はマンションの片隅にあって寂しい感じです。 県立中央病院前と駅名変更をして活用できるとおもいますがいかがでしょうか?  JR ローカル線の活性化は高山本線だけではなく新潟市の越後線でもはじまっております。 IGR にも協力を頂いて山田線の活性化ができないものでしょうかお尋ねをします。
 また県庁や JR からの出向者については、 どのような待遇で処遇されているものかも併せてお知らせ願います。
 今回市議会全員協議会で説明を頂いた、 沿線自治体による電車の更新費の積立ですが、 そのようなグレードの電車を購入するのでしょうか?
 ロングシート電車では、 ラッシュ時の詰め込みはできるものの移動には居心地がわるいのが感想です。 多くの第3セクター鉄道では、 転換クロスシートを導入している時代です。
 新幹線と並行する線路として、 クルマの利便性との比較の立場から車両のグレードアップはできないものでしょうか? この点については利用増の観点からも働きかけをお願いしたく思います。
 以前にも申し上げましたが、 IGR は現在朝のみのJR線乗り入れですが、 例えば滝沢と矢巾を終日ピストン輸送して盛岡都市圏輸送を確立し、 盛岡駅での乗り換えをなくしていく取り組みはできないものでしょうか、 お尋ねをします。

 バス施策についてお尋ねをします。
 まずバスベイの設置についてお尋ねをします。
 交通の流れをバスの停車により遮断することは、 交通障害を起こすもととなると認識します。 バスベイを計画的に設置をしていくことは、 渋滞緩和の観点から是非進めていただきたく思います。 盛岡市は都市計画決定において将来道路網計画を策定して 今後 30 年にわたり道路幅員の拡張や新設を目指すとしているわけですが、 30 カ年計画に含まれている道路におけるバスベイの設置を先行して出来ないものでしょうか?
 盛岡バスセンターから仙北町に至るバス路線も途中、 南大通1丁目および、 2丁目バス停があるわけですが、 上下1車線ずつでバス利用があると交通が遮断されてしまい信号一サイクル待たせられるというのが現状です。
 バスベイがあれば、 渋滞の緩和にもつながるわけです。
 何十億円をかけて都市計画道路を新設をするのか、 現状のままの受忍をさせるのかの両極端な取り組みではなく、 バスベイを先行して設置をすることで交通の遮断をなくする事業を発足させる取り組みはできないものでしょうか。
 つづいて公共交通軸の今後の展開についてお尋ねをします。
バスセンターの改修については以前も質疑をし、 また、 最近も多くの議員の皆さんからも質疑が出されている課題であります。 今後の街づくりの大きなカギであり盛岡の都市の 100 年の計である大きな事業であると認識します。
 盛岡バスセンターは盛岡市も出資している事業体でありますが、 単に建物を建てなおすのか、 機能を高度化し例えば、 図書館や病院など集客施設との合築をするのか、 また別な場所に設置して公共交通軸を広げていくなどの考え方があるのではないでしょうか?
 盛岡駅と盛岡バスセンター間のバス本数は 400 本あると聞きます。 1台当たりの輸送量を 50 人とすると一日当たり 20,000 人の輸送力があり、 盛岡のまさに公共交通軸といえる動脈であると認識します。
 このインフラを是非街づくりに生かしたいと思います。 バスセンターは現在地での改修以外は選択肢としてはないものか、 つまり公共交通軸を伸ばし、 高度な土地利用の可能性のある地域を拡大させるという選択肢はあるのか、 その点についてお聞かせ願います。

 地域課題についてお伺いいたしたします。
 西仙北1丁目から2丁目地内の新幹線側道の樹木の管理についてですが、 新幹線開業後の騒音軽減のために杉が植樹をされておりました。
 この地区では秋口になると落ち葉が雨どいにたまり大きな苦労を住民がしているばかりか、 木の高さに対して盛土がわずかであり自然災害等への懸念もできおります。
 以前から住民や町内会が木の適正管理をお願いしておりますが、 なかなか進んでおりません。
 このままでは住民の受忍限度を超えてくると思いますが、 この街路樹の管理はどのように考えているものか、 また今後の管理の計画はどのようにするものかを方向性についてお聞かせ願います。

 最後に除雪対策についてお尋ねをします。
 12 月 1 日の広報では、 福祉除雪のお知らせが掲載されており、 一人暮らしの高齢者や障がい者などの世帯で家庭や地域で除雪が困難な世帯を対象に玄関先から道路出入口の通路除雪を行うとされております。 このことは、 先日の報道番組でも結団式が放映されていたところです。 また社会福祉協議会による除雪の協力体制もあわせて掲載されており、 市民からは市職員の率先した働きに頼もしさを持つものと期待できるものです。
 この除雪体制は平成 21 年豪雪の教訓をうけて市職員の緊急的な除雪隊が結成され今日に至っていると認識しております。
 「すぐやる課」 の冬季限定版ではないのですが、 行政が困りごとを解決する実働部隊は、 あればいいと思います。 しかし、 依存心や見えない税負担という形で跳ね返ってこないのか、 サービスの平等性の問題 また、 市役所は除雪ができるほど余剰な人を雇っているのかという視点も出て参ります。
 私は仮称 「除雪推進委員」 という臨時の公務員制度を発足させ、 市役所 OB を中心としてシニア世代を配置して市職員の行う福祉除雪の代行させた方がいいのではないかと思います。
 市民の苦情に対し、 市役所が背負ってしまって責任を全部かぶった形での除雪隊ではなく、 この苦情を市民で共有化してともに解決していくメッセージを出していくことが必要ではないでしょうか。 またこの苦難をともに考え、 解決するのが市民協働の姿であると認識します。 手始めに市役所 OB の登録と組織化をしておき、 将来大災害があった場合に予備役として招集できるという体制づくりは、 市の危機管理にもなると思います。
 問題解決をする手法として市役所がかぶってしまうのではなく、 市民を抱き込んだ制度設計と行動をする体制の構築に向けていただければと思います。
 今回の除雪隊の活動では、 屋根の雪下ろしや排雪などは対象外ですが、 その際にどの業者に頼めば良いか、 依頼先が分からないが実態です。
 水道の凍結の際の登録業者同様に、 除雪協力者は登録制にして、 物損保険の有無や転落した際の労災保険制度、 単価などを確認して信用のお墨付きをつける制度の採用はできないものでしょうか?
 除雪や排雪は単価があってないものです。 安心の仲立ちができないものかをお尋ねをします。

(盛岡市議会12月定例会 一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2012年12月13日
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