2015年3月4日
盛岡市議会 2015年3月定例会
一般質問
会派絆の会の鈴木一夫です。
まず、はじめに、中心市街地活性化についてお尋ねをいたします。
昨年12月5日、岡山市の岡山駅から徒歩10分のところにイオンモール岡山が開業しました。
延べ床面積25万平方メートル、公共交通機関の利用を見込み駐車場台数は2,500台と押さえているものの、イオンにくわえて地元老舗デパートである高島屋や映画館が入居しております。
大規模集客施設は、郊外の幹線沿いに開業する傾向がありましたが、今回イオングループでも初の中心市街地への出店だそうです。
当初懸念されていた自動車による交通渋滞もそれほど発生しておらず、
JR岡山駅の乗降客も12月の2週間だけみると岡山駅の乗客数は1日あたりおよそ6万3,000人で、去年の同じ時期より3,000人、率にして5%ほど増加しているようです。
また、100キロ以下の近距離切符の販売枚数も岡山駅でおよそ20%増えていて、駅前にイオンモールの利用客向けの臨時駐車場が整備された山陽本線の北長瀬駅では、およそ80%増えているということで、イオンモール開業の効果が伺えるとのことです。
JR西日本では、イオンモールの開業に合わせて岡山駅を発着する臨時列車を週末を中心にあわせて週7本運転しているほかイオンモールに通じる地下改札口の改良工事を進めています。
これまで中心市街地活性化から見れば、対立軸とされてきた郊外型の大規模ショッピングセンターが、中心市街地のど真ん中に進出してくる現状を市長はどのように御判断され評価をされているものでしょうか?
私は、民間主導の再開発事業、民間資本による活性化策と見ることが出来るのではないかと考えますかこの点については如何でしょうか?
また、盛岡に置き換えた場合歓迎できるものかどうかを含め、この点についてもお聞かせ願います。
さて、さる2月7日「盛岡のまちづくりと都市交通、環境を考える公開討論会」が岩手県公会堂で開催され私も傍聴してまいりました。
福井大学の川上教授の講演につづき、盛岡市内に本社を置く商業主による中心市街地活性化の提言を頂いたところです。
市内の商業主からなる団体で定期的な勉強会を開催し、昨年10月には市長宛に中心市街地活性化の提言を行うなど積極的な街づくりの提言を行っております。
企業努力を行うことと行政を含む地域全体で取り組む事が提言されており、商業環境の充実やコミュニティーの場づくり新型路面電車の導入や盛岡城天守閣の建設、駅西口への野球場建設、さらには医大移転後の跡地活用についての提言も出されており、多くの市民が感じている街づくりに対する考え方であると感じたところです。
市長はこの提言をどのように受け止められたのか、また定期的な勉強会など民間団体と市の街づくりについての今後の進め方はどのように考えられるのか、ご所見をお聞かせ願います。
さて、民間団体の提言には、新型路面電車(LRT)導入の提言もございましたのでこの点についてお尋ねをいたします。
新型路面電車=ライトレールトランジット(以下LRT)は、1978年米国の都市での導入を皮切りに欧米先進国を中心に導入が進み、人口20万人級の都市での新規の開業も普通にあり、さらにアジアの新興国も近年積極的な導入を図るなど21世紀型の都市交通システムであると認識をしております。
また、私自身は、盛岡市への導入については、郊外電車の市街地の乗り入れを行うことで導入していくのがよいと考えております。
LRTについて盛岡市は、過去路面電車を所有した歴史がなく、道路占有や、導入費用、運行主体の確保、住民合意の課題が存在することから導入については、長期的展望課題とされてきたところです。
路面電車を導入している欧米の先進都市では、LRT導入にむけた住民合意の過程を民主主義の学校ととらえ、合意形成や運営主体あるいは自動車依存都市から公共交通に軸足を置いた都市へライフスタイルを変えていくことを丁寧に説明することで街づくりの吸引力と関心を寄せる手段として活用しているようです。
全国的には、現在の導入実績や法体系の中では、LRTを都市側が構想して、調査研究そして着工に至るまで概ね10年単位での時間がかかっております。
盛岡市の将来の交通計画の構想を抱く際に、そろそろ導入に向けた具体的な動きが出ることを期待したく思っております。
LRTは、ある面では、交通機関ではありますが、都市内を移動する横に動くエレベーターという認識もできます。
また街をいろどるデザインから、街づくりのシンボルとして位置付けている都市もあります。
LRTについて、市長はこれまでも海外出張や様々な情報収集の機会があったと思いますが、率直にどのようなご感想をお持ちなのか、また導入についてのご見解をお聞かせ頂きたく思います。
LRT導入のもうひとつの意義は、盛岡を通過都市にさせない強い意志であるということです。
1日1万人、年間365万人が既に盛岡市に訪問を頂いております。
ただし、時速200キロで10分間だけという条件付きです。
新幹線は2016年3月には函館まで、いまから16年後の2031年春に札幌まで開業し、航空機から新幹線へ移動する客数も増える期待があります。
現在でも既にいる365万人を通過させない、駅構内から市街地に誘導させ交流人口を拡大させ投資を呼び込むため、いわゆる都心部相互移動のエレベーターとしてLRTを導入することを都市戦略とすることは出来ないものでしょうか。
盛岡以北の八戸・青森・函館・小樽はいずれも新幹線駅が市街地から離れており、市街地にある盛岡市は観光やビジネスを展開するうえでも優位な条件にあります。
市長挨拶にもあった仙台市につぐ都市とならんとすれば、差別化を図る意味でも受け皿としての中規模輸送システムは必要です。
高層の建物にはエレベーターは、標準装備です。建物のエレベーターは導入費用や運営費は一般的に意識されて見積もられておらず、共益費部分として包含されます。
交通となると採算性や事業性の対象となりますが、視点を変えて街の移動する装置として認識をして都心部の固定資産税を高層ビルでいう共益費部分の根拠財源としての開業をさせ、維持を図り、地域全体に投資を呼び込むことはできないものでしょうか。
全国的には、富山市が先行事例として実用化されておりますが、これにつづき、名古屋市や神戸市、宇都宮市で新設の動きがあり岡山市ではローカル線であるJR吉備線をLRT化するなど21世紀の交通機関として各都市が着目している交通システムです。
今後都市間競争の中で、都市特有の交通手段を所有すること、特にもLRTを所有することは都市ブランド力を大いに向上させることになります。
盛岡市のまちづくりは、かつて軸状都心構想や、二環状六放射などの用語で語られておりましたがが、近年街づくりを語る上で構想という言葉が聞こえ無くなったと思います。
市長の街づくりにおける現在の構想はどのようなものがあるものかをお聞かせ願います。
つづいて、老朽化する集客施設等の郊外流出の未然防止についてお尋ねをします。
岩手医大の矢巾地区への移転および付随する県立の福祉施設の移転は、市民の話題の中心となるなど、街づくりの不安材料の一つとなっております。
ところで、この市内から郊外へ移転した施設について、盛岡市立高校などを含みますが、この30年でみるとどれだけの施設が移動をしたのか、特にも郊外や市外へ流出し、集客効果で見るとどの程度マイナスなものか分析はされているものでしょうか?
かつては本町通にあった県立中央病院が上田地区へ移転する際の、本町通の衰退の懸念が市議会で論戦されたところですし、これからは、医大移転の後遺症はまだ続くものと考えます。
さて、岩手医大移転の教訓をもっと自覚するべき時期に来ているのではないでしょうか?
つまり、現在市内にあって老朽化が目立つ建物で、郊外移転をするかもしれない集客施設に対する移転防止策についてであります。
例えば、一方通行に面している、あるいは駐車場の確保が厳しいと推察される病院、男女共学を果たしたにも関わらず校庭の確保ができていない高等学校、建築されて概ね30年程度たっており駐車場の確保もされていない、国や県の公共機関や研究施設、これらの施設は適地が見つかれば、現在地から出て行ってしまうというという潜在的郊外移転予備軍ともいえます。
かつて中野地区にあった病院は太田地区に移転をいたしましたが、市内間への移動も含め、今後移転が想定されるかもしれない集客施設に、市職員を挨拶がてら派遣させ移転の意向がないかどうか、特にも他の自治体から声がかかっていないかどうかを足で確認させ、空洞化を防ぐべきと考えます。
そして場合によっては、旧盛短跡地への誘致や盛岡バスセンター高層化など計画変更への御手伝いを含め、盛岡市が関与している都心部再開発の方向性の中で、街づくりに組み込んでいく施策の展開ができないか、市長のご所見をお尋ねいたします。
つづいて、盛岡城の再建の見通しについてお尋ねをします。
盛岡城の再建には、文化庁から往時の資料の発掘による復元が前提であるとされております。
他方、盛岡城の天守閣である三重櫓の再建は、市民の関心を呼ぶ大きな課題でもあります。以前議会に提案された三重櫓の再建策については、現在どのような段階にあるものか、まずはその点についてお聞かせ願います。
盛岡城は、現在木が茂りすぎておりせっかくの石垣も見えないような状況ですが、今後盛岡城跡公園を整備する際、これら樹木についてはどのようにしていくおつもりなのでしょうか。
盛岡城跡には鶴ヶ池や亀ヶ池など堀がありますが、お城らしく堀やその周辺を見通しよく再建できないものでしょうか?
その際に、冬季間は堀については屋外スケート場に転用できるようにして冬季間の子ども達の集う場とできないものか、についてもお尋ねをいたします。
つづいて、盛岡市の産業振興策についてお尋ねをいたします。
私は過日、IT産業集積の地である、米国カリフォルニア州にあるシリコンバレーを訪問してまいりました。
シリコンバレーは、世界でも有数の情報通信系の企業が集積をしておりスタンフォード大学などの頭脳に加え、旺盛な起業家に支えられ世界の産業を牽引しております。私は、このスタンフォード大学の見学やこの地域に立地している企業のうち、SNSの最大手であるフェイスブックの本社を見学してまいりました。
立地は、乾燥した大地でかつハイウエイ沿いに単独で本社があり、周りには何もない状況です。
移動はすべてクルマもしくは、最寄駅からバス輸送でした。
セキュリティーを経た内部に社員の憩える場所があるなど、ある意味隔離された場所であったことに驚かされました。
その中で完結して何でもそろうという本社であり、独立したキャンパスを形成した郊外型大学のようでありました。
しいて言えば、岩手県立大学のような立地であり、あのような場所で世界企業が成り立つのであれば、盛岡は交通の便や環境、首都圏とのアクセスを考えても市内すべてが世界企業の立地可能地であると自信をもったものです。
また駅前の住宅街にヒューレートパッカートの創業期のガレージが保存されております。
盛岡でいえば駅のそばの西仙北のような住宅街でありその一角の一軒家から始まった会社が多国籍企業となった場所は米国文化財にも指定されている所となっており見学をしてまいりました。
また、サンノゼは、鉄道駅と連接してネットワーク化されたLRTがあり、沿線に大規模なコンベンションホールの設置と企業を沿線に連動させネットワーク化するなど、産業集積地にふさわしい社会インフラの整備に関心をしてまいりました。
IT産業は確かに、パソコン一つででき、新規の工業団地やハコモノは不要にも思いがちですが、世界と競合していくのであれば、大胆な社会インフラの整備や国際会議場は必要なことと感じました。
市長はカナダビクトリア市への訪問を検討しているようですが、シリコンバレーなどIT産業の本場を是非見学され産業振興における今後の可能性を探ってほしいと思った次第です。
さて、企業誘致で大切な、人材の誘致はできないものでしょうか?
実績のある企業経営者を招聘して産業振興の旗振り役としたり、盛岡市の顧問とするなど人材そのものに着目した施策の展開はどうでしょうか。
また、盛岡にも一代で裸一貫から会社を創業し有数の企業に育てた実業家が多数おります。
盛岡では、経済的な先人をもっと顕彰し、義務教育課程や高等学校の部活動に起業を志す部活の創設など、産業界と教育界との接点をもっとほしいと感じたところですがこの提案についてはどうでしょうか?
ところで、今年度の企業誘致の最終的な現状についてお尋ねをいたします。
目標としていた企業数と結果、それにかけた費用などを総括願います。
また東北の他の都市での企業誘致の状況はどうだったのかについても合わせてお示し願います。
企業の廃業率を勘案いたしますと常に一定程度の新規開拓と誘致数の確保は経済を発展させるカギになります。
近年の市内企業の設備投資の状況についてはどのような傾向か、また設備投資を増やしている企業の業種の分析と要因についてはどうでしょうか?
この項の最後に中小企業振興策、特にも中小企業振興条例の制定については現在の状況についてですが、岩手県では同条例の制定を予定しているようですが、盛岡市として条例制定にむけどのような段階にあるものかをお聞かせ願います。
つづいて、若者定住促進についてお尋ねをいたします。
盛岡市内の児童生徒は平成4年には33,500人を数えましたが、昨年22,500人と最盛期の約7割となりました。
これによる空き教室は81教室おおよそ小学校四校分の空き教室をかかえる一方で、現在でも児童生徒の増加の進む地区では学校の校舎増築を進めており、さきの12月議会でも都市政策の二重投資であると指摘しました。
例をあげれば、向中野小学校の開校では、校舎建設や土地取得費など32億4,938万円を投資しており、さらに津志田小学校校舎増築では1億9,400万円、さらに今後は仙北中学校校舎増築が予定されておりますが、この事業費は17億円と見積もられ、合計では51億4,000万円余の校舎増築費用を計上しております。
51億円という金額は、盛岡市の都市計画税の2年半分であり、アイスリンクを2棟たててもなおお釣りの来る金額です。
また地域感情を考えても児童の減少が進み学校が空き教室になる学校区や閉校を余儀なくされる地域からは恨み節の出そうな予算配分です。
盛岡市は、年間2,000件の新規の住宅着工件数がありますが、この2,000棟を14%ある空き家を更地化してそこへ、建設を誘導すべきではないでしょうか?
人口減少時代においては、新規の宅地造成よりも既存住宅地へ建築を振り分ければ地域に人口構成の比率のバランスをとれるのではないかと認識するものですがどうでしょうか?
また、市街地調整区域であることで新規の住宅が建設できずに、地域の活性化がそがれるというご指摘を頂きますが、地域衰退からの方向転換を弾力的進めることは出来ないものでしょうか?
各担当部の縦割り的な発想や財政主導による予算組みではなく、30年後の盛岡市の姿を一応の着地点として政策を立案調整すれば、もっと均等に無駄がなくできると思いますが、市長はどのように考えているのでしょうか?
27年度から新盛岡市総合計画が開始されますが、10年後までの目標です。
都市政策は進行管理をふくめ息の長い事業になります。
11年目以降の中長期構想を担保していく盛岡市の中長期計画を別建てで策定することはできないものでしょうか?
法定計画から任意計画へ枠組みが変わった以上、盛岡市として長期計画の策定に乗り出すべきと思います。
政策立案部門が率先して政策企画により市政を誘導していく仕組みづくりを庁内で担保することが必要です。
達観した視点の徹底により前述した二重投資は少なく済むと思われますが市長はどのようにお考えでしょうか。
一定程度の高齢化の進む地域での、空き家や未利用地を活用した若者定住促進事業の導入についてお尋ねをします。
若者の地域定住は地域の宝であるという観点で、若者誘致に助成を行い、その、条件として、消防団加入や運動会参加、町内会警備活動などいくつかの条件を数年関与することを条件とする施策は採用可能でしょうか。
盛岡市内では、若者定住促進策については、不要な地域もあることから「一市二制度」となりますが、鹿児島県霧島市が一市二制度を導入して中山間地域への移住促進事業にとりくんでいる例もあり、問題はないと思いますがどうでしょうか。
自治体によっては若者定住で100万円支給する自治体もあるようです。
中山間地域との人的交流についてお尋ねをいたします。
玉山地区との合併から10年が過ぎました。
合併の意義とは、玉山地区の持つ資源と盛岡市にある人材や資金を活用して合併の効果を最大限出していくことではないかと考えております。
人的交流については、個人的な繋がりが主ですが、姉妹町内会制度の発足や地域とNPOとの交流事業を斡旋し根付かせる施策の検討はできないでしょうか?
町内会にある空き家空き地の活用の提案などは、個人的なネットワークだけでは範囲が限られます。
特にも、中山間地域からの情報発信について行政のテコ入れが必要と感じます。
各町内会や自治会での事業については、市の広報を細分化して各町内会単位で作り上げていくイメージで、市内全域でホームページ作成支援を図り情報の共有を図ることから始め、相互の訪問や名誉町民制度など中山間地域を盛り上げる施策について展開できないか、お尋ねをいたします。
最後の項に、仙北中学校の校舎増築についてお尋ねをいたします。
さる2月4日仙北地区教育振興推進会議において教育委員会が仙北中学校の校舎増築の説明会を開催されました。総事業費17億円で、2,000㎡鉄筋コンクリート4階建てでの校舎増築計画を発表いたしました。先の教育委員長挨拶では、特段触れられておりませんでしたが、学校整備では重要な項目であると認識をいたしますので、その概要について改めてお示し願います。
この中で、地域から出された懸念は、学校校庭の狭隘化でした。この対案として北上川河川敷の活用があるようですが、どうでしょうか。
もうひとつの課題に、ナイター設備があります。中学校学区にひとつナイター設置を方向性として打ち出しておりますが、仙北中学校学区について早晩の設置を頂きたく思いますがこの点についての同時期の導入についてもお聞かせ願います。
(盛岡市議会 2015年3月定例会般質問 終わり)
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