2015年6月19日
盛岡市議会 6月定例会
一般質問


 はじめに、社会保障についてお尋ねをいたします。
 1961(昭和36)年日本は国民皆保険制度・国民皆保険制度を発足させ全ての国民が公的医療保険や年金による保障を受けられる制度を開始、日本の社会保障制度の大きな特徴とされているところです。 高度経済成長期の終身雇用制度や低失業率を背景に充実が図られると同時に、当時の制度設計は高齢者の医療費の負担が中心でありました。
 公的年金制度は、賦課方式による世代間扶養とされており、現在支払っている年金は、現在給付を受けている受給者にあてられており、自分自身の年金は将来世代によって賄われる制度設計とされております。 ところで、若い世代を中心としてこのような賦課方式による年金制度は支払う年金金額よりも自分の貰う年金が少ないという考え方が出ており、若年層を中心に年金納付率が低下する傾向がみられ制度設計に大きな影を落としているものと認識をいたします。
 市長は国民皆年金制度についてどのように認識をされるのか、特に国の財政負担割合の現状や持続性を持った制度設計について御見識をお聞かせ願いたく思います。

 私はこの考え方の蔓延の懸念とあわせてともうひとつ年金未納者の生活保護の関係を危惧しております。
 つまり、年金は払わないが生活保護はもらうというモラルの低下における対策であります。
 現在、生活保護者のうち年金を未受給者による生活保護を受給者はどのような状況なのか。 また、現在の年金未納者は将来生活保護に移行可能性が非常に高いわけですが、80億円の生活保護費に対し、抑止を図るために年金収納を強化して、将来生活保護に至る構造を払しょくすることはできないか、有効な対策はあるのかどうかを含めご見解をお聞かせ願います。

 つづいて健康寿命増進施策についてお尋ねをいたします。 私は先の予算審査特別委員会で、健康寿命増進における財政効果について質疑を行っております。 市では各年次の要介護2以上にならなかった人数を全て要介護1に計上されると仮定した場合の財政効果および要介護2以上にならなかった人数が全て認定なしに計上されると仮定した場合についてはそれぞれ52~70億円ほどの介護費医療費の削減効果があると回答をされたところです。
 さて、介護保険料については、所得による保険料算定でありますが、このような公的保険の制度設計では、せっかく掛けている保険なのだから、使わなければという損という動機が働くのではないでしょうか?
 国の制度設計とはいえ肥大化する介護給付に対し、3年おきに介護保険料を値上げして対応するやりかたを改めることは出来ないものでしょうか?
 つまり、健康な方には保険料を減免したり、表彰したりする制度の導入であります。
 民間の自動車保険は無事故であると保険料は安くなってまいります。 民間の医療保険でも保険を使用しない場合、一定年数に応じ、保険料の払い戻しの制度がありそれを売りにしております。
 行政経営はコスト意識が働かないという側面がありますが、保険を貯金のように喜んで支払って頂ける制度設計はできないものでしょうか?
 支払いの財源は、先ほど示した健康寿命増進における財政効果を根拠として健康は自分にも家族にも財政にも優しいということで予防施策に思い切った予算措置を講じることです。
 例えば3年後の第7期介護保険制度に向けて、第7期の保険料は全国でも数少ない保険料を据え置く自治体になるキャンペーンを展開して健康寿命増進策の展開や行政と地域の連携に向けた取り組みを図り、地域活動への支援、予防策の啓発、運動や食育、高齢者と農業の組み合わせなど基礎自治体だからできるヨコの連携を実施することによる地域あげての健康都市づくりであります。
 これら健康寿命増進における経済的動機づけ(インセンティブ)の導入について市長はどのようにお考えなのか、ご所見をお聞かせ願います。

 今六月議会では低所得者である公費減免の提案がされておりますが、所得により10段階の保険料が定められており、最低月額は2,778円の予定から、所得が400万円以上の高齢者には月額12,039円の保険料が科せられております。
 ところで1段階から10段階までそれぞれ加入者がいるわけですが、それぞれの段階における保険料納付者数と介護保険の利用の割合はどのような傾向がみられるものでしょうか?
 つまり、低所得者の方が介護保険を使用する割合が高いのか、10段階それぞれに応じた傾向があるのかどうかという意味であります。
 所得と介護保険の被保険者の割合から盛岡市における傾向をどのように分析されるのかご見解をお聞かせ願います。

 つづいて公共交通についてお尋ねをいたします。
 全国的な街づくりではコンパクトシティの考え方が主流となり、盛岡市も都市構想としてコンパクトシティを打ち出しております。 国主導にもみえるコンパクトシティの誘導策ですが、かけ声を出す国自身がその許認可権を県・政令市・中核市に移譲する動きまで至っておらず、整合性を欠くのではないかと私は感じております。
 交通政策は、マスタープランや都市計画でも重要な要素の一つである一方で許認可権が中核市にはなく、例えば新駅設置一つにしても構想として打ち出せしても実現のハードルは高いのが現状です。
 盛岡市は平成20年4月中核市に移行し、県より1,855の事業を移管され基礎自治体としての機能を強化してまいりました。
 他方、許認可権が国や県にあるものもありますが、バス停設置の現状はどうでしょうか? バス停を設置する場合、どのような手続きを経て、要望から何カ月程度日数を要するものでしょうか。 バス停の設置は、住民の身近な足として関心が高い半面、道路構造令や交通規制の関係なかなか前に進まない状況にあると実感しております。
 現在市民から既存バス路線において新規のバス停設置についてはどの程度の要望があるものか、把握されているものでしょうか? また近年バス停の増設の例がありましたらお示し願います。 また、人口集中地区(DID)地区におけるバス空白地域における人口はどの程度なのか、また、バス路線の新設の要望やその実現にむけた動きはどうでしょうか?
 コンパクトシティという文言を積極的に活用するなら、バス停の利用可能人口を道のり300メートルとし、 バス利用空白地帯をゼロ(DID地区)にするなど、交通政策の盛岡モデルを作り、バス停利用人口の計画的な拡大を数値目標化することはできないか、お尋ねをするものです。 盛岡市内のバス停は離れているところですと800メートル程度はなれている場所もあると感じます。
 コミュニティーバスでは概ね100メートルでバス停を設置しておりますが、路線バスの改良や助成を行いコミュニティーバス的な施策はできないものでしょうか。
 また以前にも申し上げましたがすべてのバス停に原則ベンチの設置はできないものでしょうか? ハイグレードバス停だけではなく、まずは高齢者が腰掛ける環境整備を第一に考えた利用者目線のバス停施策についてもお尋ねをします。 今後のバス停のベンチ設置の見通しや計画があればお示し願います。
 さて公共交通を福祉として捉えるならば、人口集中地区(DID)における鉄道駅から半径1キロの駅勢圏人口と利用者との割合と利便性向上施策、バス停利用圏人口の拡大が急務ではないかと考えます。
 山田線の盛岡~上米内間における各駅における駅勢圏人口と利用者との関係や利用実態は、東北線やIGRいわて銀河鉄道線における駅勢圏人口を市はどのように分析をしているものでしょうか? 山田線社会実験が行われておりますが、西下台町は道路環境の関係でバス停がない半面鉄道沿線であることから岩手大学を取り込んだ新駅の設置で拡大に利便性が飛躍するものと考えます。
 このような事例は他の地域にもあると思われますが、市は国の権限移譲や事業者に対する助成でどの分野で拡大されれば、市の施策が進むと認識をしているものでしょうか。 建設費の起債の関係や鉄道会社のシステム改修費など総括してお知らせ願います。
 過日、河南地区の住民の皆様からもりおか町家物語館や神子田地区へバス路線の新設ができないかという要望を頂きました。
 道路幅員を考えると、小型バスを走らせるのが良いと感じましたが、小型バス導入や購入補助の検討は出来ないものでしょうか、お尋ねをいたします。

 つづいて、公共施設の維持管理についてお尋ねをいたします。
 5月26日から盛岡市内の各所において市民意見交換会が開始をされております。 公共施設の全体像の現状に加えて、今後の在り方について各推進会単位で分科会をつくって個々に施設の状況を説明していると認識をしております。 7月30日までの予定で市内5か所において実施の予定ですが、既に終了した4か所において意見交会換会やアンケートでは、どのような意見がだされたものか、総括をお願いしたく思います。
 今回の説明会では、個々の施設の廃止ということには踏み込んでおらず現状と利用状況の周知徹底の側面があると思いますが、2回目以降の市民への説明会の開催や施設の廃止を伴った具体的な提案を今後してくるのかどうかについて今後の見通しをお示し願います。

 次に住民が切望する事業における事業費捻出策についてお尋ねをいたします。
 事業費確保を如何に図れるかが、施策を前進させるカギですが、予算査定が厳しさをます状況もあり住民要望の実現に時間がかかりすぎていると認識をいたします。 私は、以前、住民参加型公募債について質疑をした際に、効果がある一方で発行に手間もあるという回答でしたが、住民の運動や強い熱意を財源へ転化し、執行力に変える意味で枠配分に加えて公募債を合算するなどして予算査定がより進む施策ができないかを提案するものです。
 特にも請願駅や既存駅の橋上化における膠着を見ると、別のサイフによる事業費捻出が必要ではないかと考えます。
 住民から公募債を募り、その金利を市中金利よりも低く募集し市民世論にこたえていくあるいは市民が実質金利分を負担しているという意味で市に財政的にメリットの生まれる公募債の発行や活用について改めてお尋ねをいたします。

 盛岡市では現在公共施設の集約化の方向を示している一方、具体的な廃止や譲渡までは示されておらず、市民の切迫感や危機感はまだ浸透していないと理解をしております。 他方、民間施設に目を向けると介護施設などは現在でも新規の建設需要があり介護士の確保が図られれば今後も建築需要は高いものがあると認識をします。
 現在でも、盛岡市中心部では新規のマンション建設が行われ、郊外でも介護施設の建設が数十億円単位の事業費をかけて行われております。
 さて、盛岡市の所有をする公共用地という点に着目をすると、盛岡市は市内では大地主であると見ることが出来ます。
 ところで盛岡市は40年で2,300億円余の財源不足が生じるという試算をしておりますが、負債の話ばかりで資産価値は語られておりません。 財源不足の議論が先行しますが、土地や家屋の資産も合わせて示して頂き、相殺されると差引どのような実態なのかをお示し願います。

 さて、例えば盛岡市の活動センターや老人児童センターは多くは市内の一等地にあるものの施設の老朽化、屋根の赤さびなどが目につきます。
 ここで、中心市街地にある公共施設は、50年の耐用年数が来る・来ないにかかわらず民間の建築需要を抱き込みリニューアルが出来ないかを提案するものです。
 民間企業が一等地を確保するには土地取得費がかかります。 その費用がかからない代わりに、低層階を活動センターや集会場として、中高層は民間の建築需要として取り込めば、建物は新しくなる・民間企業も初期投資を減額できるという双方にとって有益な施策になると認識をします。 また、住民に対しては福祉の後退にならないという利点もあり、納税者の理解が得られるのではないかと認識をします。 究極の形は5月に完成した東京都豊島区役所で廃校になった小学校敷地に区役所を建設しました。 低層階は区役所として高層階はマンションの併用の活用は大いに参考にある案件だと思います。
 このような施策を採用することを提案いたしますが市長のご見解をお聞かせ願います。

 また、公共施設の管理業務は、国の補助金の出先に従った形で現在各担当部が所管をしておりますが、例えば商工観光部が施設管理をする意義はあるのでしょうか。 この際、施設管理は市民部に一括移譲をして統一的な管理や管財の共同発注による低減化などスケールメリットとノウハウの蓄積を図るべきと考えますが、この点について市長のご見解をお聞かせ願います。

 つづいて冬季スポーツ振興についてお尋ねをいたします。
 1987年から4年に一度開催されているラグビーワールドカップは世界20カ国のナショナルチームによって行われるラグビーナショナルチームの世界大会です。
 日本は、平成23年実施の第7回大会、平成27年の第8回大会につづき、3度目の立候補となる平成31年の第9回大会において欧州や南半球以外のアジア地域で初めてとなる招致に成功しました。 平成21(2009)年の招致活動は日本のほか南アフリカやイタリアも招致に名乗りを上げており、他の2カ国を押さえての招致です。
 このラグビーワールドカップの国内の競技会場がさる3月2日発表され、東日本大震災の被災地、岩手県釜石市など12都道府県から12会場が選ばれました。
 新設をされる施設は現在改修中の新国立競技場を除けば、釜石市鵜住居地区に総事業費12億2000万円で建設予定のスタジアムです。 特に被災地である釜石市のラグビーワールドカップ招致は、復興における世界における感謝の意を伝えることとスポーツの力による地域創生を開催意義としております。
 また内外のスポーツ競技大会は、来年度希望郷いわて国体・いわて大会が開催、2018年は韓国平昌での冬季オリンピック、2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年東京オリンピックと日本やアジア地域で国際スポーツ大会が相次いで開催され、交流機会の拡大が連続して行われ、合宿地の招致などの期待もあると認識をいたします。
 ところで盛岡市のスポーツ振興ですが、岩手国体を控え屋内アイスリンクの整備や既存施設改修を行っておりますが、国際大会の開催という視点や平昌冬季五輪、2020東京五輪の合宿地の招致についてはどのような状況なのか、また手ごたえはあるものでしょうか?
 特にも、都市戦略として国際大会招致による都市ブランドの向上は、したたかに進めていくべき課題であると認識をいたしますが、市長のご見解をお聞かせ願います。
 私は以前にも、盛岡市が冬季オリンピック招致に立候補をした経験を本会議場で指摘をして再度の招致活動への働きかけを行ったところですが、1993年世界アルペン大会以降、冬季世界スポーツ大会の招致に行動をしたのでしょうか?
 このままでは、国際大会はテレビで見るもの・新幹線や高速道路に乗って見に行く行事となりかねず、各級国際競技大会の招致を是非望みたいものです。
 盛岡市は、過去には、冬季五輪招致活動に立候補をして、長野市34票に対し盛岡市9票と敗れておりますが、私は夢を持ち続けたいと考えております。

 ここで昭和63年当時、冬季オリンピック招致活動で長野市に負けたあと、将来世代に託したメッセージがあります。 この署名は当時の助役桑島博氏や商工会議所、各種スポーツ団体の連名で記載をされております。 その文章を紹介します。

「冬季オリンピック招致運動の火を燃やし続けるための申し合わせ」

 「私共は、オリンピック冬季競技大会盛岡招致委員会総会の決定にもとづき、冬季オリンピック招致運動で示した市民、県民の盛り上がりをどのような形でこれを継承し、今後の街づくりや地域づくりに生かしていくか協議した。
 盛岡冬季オリンピック招致運動は、盛岡市およびその周辺の優れた立地条件や恵まれた自然条件、そして県民のオリンピックへの熱意が高く評価されながら、これまでの実績や知名度その他の点でいくつかの問題点を抱え、JOC委員の理解を得るまでには至らなかった。
 しかし、今後は、この優れた立地条件を再認識し、これを十分に生かし、競技面あるいは施設面その他の条件を整備していくことが必要であるという認識にたち、さらには、各界各層が将来にわたって着実に基礎的条件の整備に努力していくことによって、冬季オリンピック招致立候補の機会が再び到来することを確信し、それぞれの立場でそれぞれの役割を果たしながら、あらゆる機会を通じて次のことを促進していくことを申し合わせた」

とあり5項目における決意表明がなされ、当時想定されていたスポーツ大会の成功や施設整備、スポーツ指導者の確保とスポーツ振興、国際大会の招致推進がうたわれております。
 市長は昭和63年に作成されたこの文案をご覧になり率直にどのような感想を持たれたのか、岩手国体開催以降のスポーツ振興、特にも国際競技大会の招致における構想があれば是非お聞かせ願います。
 さて今年度完成し供用開始する屋内アイスリンクですが、工事の進捗状況など現状と課題があればお聞かせ願います。
 また、供用開始における記念の目玉事業はどのようなものがあるものか、お聞かせ願います。
 また、アイスリンクの中期的な活用や利用見通し、市民との関係や合宿招致などの体制はどのようになっているものでしょうか。
 さて、現在のアイスアリーナは通年体育館への転用を予定されておりますが、本来の建設趣旨である冬季競技施設としての活用はどのような場合に行えるものでしょうか?
 提案をするのは、平成29(2017)年開催の全日本フィギア選手権の開催です。 この大会は、盛岡市では戦後1度高松の池において全日本選手権が行われたきりですが、この2017年大会は2018年韓国平昌冬季五輪の日本代表選手の選考大会を兼ねるので全国的にかなりの注目度があります。 冬季スポーツ振興の戦略を示す中でこの種の大会の招致は積極的に乗り出していく必要があると思いますがどうでしょうか。
 また、世界フィギアグランプリのNHK大会を数年以内に盛岡市に開催できないものでしょうか? 3.11震災以降のスポーツ競技大会では、平成24年にはプロ野球のオールスター戦が県営球場で開催され、NHK「あまちゃん」の放映では三陸鉄道が息を吹き返すなどその効果が実証されました。
 本格復興期間におけるスポーツ振興や全世界に対する震災支援の御礼については、県都としてまだやることがあるという認識が必要です。 岩手県全体の牽引役として3年前のオールスター戦単発で終わるのではなく、NHKに対し「どんどはれ」放映の要請以外に、このNHKフィギア選手権の招致を行ってほしいと考えますが、ご見解をお聞かせ願います.

(盛岡市議会 2015年6月定例会般一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2015年6月20日
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