2016年6月17日
盛岡市議会 6月議会
一般質問

 まず、はじめに、持続可能な街づくりについてお尋ねをいたします。
 盛岡市は総合計画において計画的な土地利用の推進や都市基盤整備施設の維持強化をうたっており、国土利用計画盛岡市計画や都市マスタープラン、空き家対策、市街化調整区域におけるコミュニティー維持を施策として位置付けております。
 松園など住宅団地は分譲の際、何倍もの抽選倍率を乗り越え確保したマイホームでしたが、一斉に高齢化をするという課題に直面をしております。
 当時も今も市の上位計画は10年間が基本であり、将来を見通すところまで至らなかったことが時代背景にあるにせよ、住宅街の持続的な維持発展のための教訓をこれら団地から学び、構造的な課題解決を進めていく必要があると感じております。 分譲撤退型の住宅街の特徴は、一斉に分譲し一斉に入居、一斉に高齢化する均質性の構造があります。
 対局にある施策は、進行管理型、つまり高齢者、生産年齢人口、年少人口が常に一定になるような調整機能を伴う政策誘導です。
 現在区画整理事業を実施している太田地区、向中野地区、都南中央地区が将来構造的な衰退を招くことになることを予見していくべきと考えます。
 進行形で基盤整備をする地域については、過去の団地開発の教訓を生かし、あえて開発余力を残す、つまり一定量売却見合わせをして当面は多目的用地として活用、時差を設けて分譲して人口構成比を一定にしていくことはできないものか、お尋ねをするものです。
 農地に例えれば土地は段々痩せていきます。そのため持続的に使用するため肥料を与えます。 その肥料が街づくりでいえば計画的な若者定住という意味です。
 松園などの団地問題の課題を今後の市の都市政策に生かす点について、地域の持続可能性、そして街は賞味期限があり、60年の循環型サイクルで街づくりを考える政策の導入について市長のご見解をお聞かせ願います。

 ところで基盤整備の終わった盛南地区ですが、市は29年度の国・県における統一要望で国道46号西バイパスの南進と矢幅駅付近への延伸を提案されております。 市はこれまで2環状6放射という都市像を示しておりますが、今回、国道として延伸するということは放射道路が1本増えるということになります。 これは盛岡市の都市構想の拡大、つまり2環状7放射の都市になると理解してよいものか、ご所見をお聞かせ願います。
 この西バイパス開通以降の交通量はどのような変化でしょうか。 開業前に想定していた交通量と現在の交通量を分析された上で他の道路との交通量の増減を総括願います。 また盛岡市の商業の売り上げのうち西バイパスから前潟までのロードサイドショップの売り上げは市内小売業の何割になっていると分析されているものでしょうか。
 ところで実際の走行している実感として右折車の行列が直進車を阻害していると感じます。 どうでしょうか。 信号システムを見ていると直進と左折の信号がまず機能し、そのあと右折信号が作動する仕組みであることが市内の他の道路のとの特徴的な違いであると思います。
 時間帯によっては右折車が連続し通過交通を妨げる状況がみられます。 西バイパスはもともと高架道路を想定して中央分離帯を広く確保しておりますが、今後高架化に踏み切る判断はどのようなものでしょうか。 高架化する交通量の判断や高架する場合の予算規模と市負担、2020年宮古盛岡復興道路との連続性との関係を含め西バイパスの将来構想をお示し願います。
 国への統一要望は道路の延伸となっておりますが西バイパスの高架化という視点は打ち出せないものでしょうか。 もし高架道路の断念あるいは当面は高架化の予定がなければ早急に右折レーンを延伸して混雑解消を図ってほしく思いますがご所見をお聞かせ願います。

 現在、盛岡から出発をする高速バスはこの西バイパスを経由して盛岡南インターから高速道路に乗り入れを行うのですが、是非盛南地区に高速バス停を設置して盛南地区で乗降ができるようにしてほしいものです。
 盛岡 BC の廃止における検討事項では、高速バスは運行区間を短縮して盛岡駅を発着すると示されております。こうなれば盛岡発着のバスは市内における乗車場所が減ってしまうことになります。
 その意味でも本宮地区沿道へ高速バスを停車させ客扱いをして乗車機会の確保を図るべきと考えますが、ご所見をお聞かせ願います。

 つづいて景観についてお尋ねをいたします。 景観は街づくりそのものであり、自然との調和や歴史的な街並みな大切にしたい地域の文化であると認識をいたします。 日本の街並みは欧米と比較して意匠やデザインの統一感がないと指摘をしてまいりましたが、景観は努力目標的なものであり強制力がないのが欧米との違いであると認識しております。
 他方、角館、京都の祇園、金沢の街並みや全国の神社仏閣の境内や庭園をみて思うのは、もともと日本人は景観を生かす感性は高い一方、戦後の急速な住宅供給や余裕のない時代背景の中で、景観よりもまずは住宅供給という施策が展開され、結果なし崩し的に景観に対するこだわりがなくなってしまったと認識をしているところです。
 さて、市長の推進するハンギングバスケットを市民に対し景観や街並みを意識していただく素材にできないか、と考えております。 バスケットの数で競うことから景観力向上のための市民運動の素材へと転化できないも のでしょうか。

 私は街づくりの究極の姿は、住宅街を絵葉書にできる街づくりであると認識をしております。 すてきな街に自分が住むことを市民に想像して頂き、意匠やデザイン、庭にいたるまで景観を良くしていくという市民参画の姿であり、これからの住宅政策では地域の価値は、景観が大きな要素を占めると考えます。
 現在市が進める景観施策として歴史的建造物の維持保存や寺町通りだけではなく、区画整理事業で街並みを形成する地域は当然として、市内全域で景観力を向上させる指標や一般の住宅街へモデル事業を展開するべきです。 グラウンドワークの手法で官民を挙げて公園づくりをしてまいりましたが、それを住宅街全体へ拡大する発想があると思います。 住宅団地あるいは一定程度の世帯数で開発される団地にこの考え方を導入するモデル地区の創設はどうでしょうか。
 違反の屋外広告物の指導という後ろ向きの施策から前進をしてほしいと認識をしております。
 昨年10月「無電柱化を推進する市区町村の会」が設立をされ防災面そして景観施策推進の立場で全国の首長が結集しております。 住宅業界も無電柱化の推進のための法整備の要望を国に行っており、さらにこの7月には東京ビックサイトで無電柱化に関する展覧会もあるようで私も見学する予定です。
 まず、これらの動きをどのように把握され盛岡市としてはどのように呼応していくのでしょうか。 電線地中化や景観対策は街づくりの大きなテーマとなり自治体の街づくりの姿勢は将来の街並みの差になると認識をいたします。
 寒冷地仕様の住宅の導入と性能対策の義務化が検討され、更に自宅の太陽光発電装置の義務化も検討もされております。 これはある意味、強制力を伴う要素がありますが、行政計画として景観・意匠の義務化は可能でしょうか。
 また、アーバンデザインといわれる地区全体の総合デザインの導入や景観コーディネーターなど人材の育成や大学教授としての招聘はできないものでしょうか。 道路や公園、公共緑地帯、街灯の意匠、掲示板などあらゆる野外の構造物に関心をもってもらう市民運動を是非仕掛けてほしく思います。
 盛岡城跡周辺は、松江市の塩見縄手、住宅街はドイツの無電柱の街並み、農業地は富山県の砺波平野の景観を私は推薦します。 真の田園都市になるためにハンギングバスケットの施策を景観力向上運動に発展させる突破口と出来ないか市長のご所見をお聞かせ願います。

 つづいて観光についてお尋ねをします。
 政府は5月、観光ビジョン実現プログラム2016 ~世界が訪れたくなる日本を目指して~ と題して観光ビジョン実現に向けたアクションプログラムを策定、公表いたしました。
 そこには3つの視点が示されており、一つが観光の魅力を極め「地方創生」の礎の視点、2つめに観光産業を革新し、国際競争力を高め基幹産業とする視点、3つめには旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できる視点の3つの視点が示されております。
 またその中には東北の観光復興に向け、新規事業の取り組みを多数示しており、私はとても興味をもっているところです。
 この政府の実現プログラムに対し盛岡市としてどのような対応で観光振興を図っていくおつもりなのかご見解をお聞かせ願います。
 さて、観光施設の入場割引のついた共通乗り放題券の発行についてお尋ねをします。 旭川市では観光スポットをまわる一日券、二日券のバス乗り放題券をはじめました。 このような取組は京都や東京など大都市圏ではあたりまえであり東北では仙台市や八戸市でもあります。 地理の不案内な観光客のため、市内の回遊を高める施策としても盛岡市でも是非取り組むべきものと考えます。
 その際、バス会社だけではなく JR や IGR 線の加えながら盛岡市の観光拠点の割引を加えた特典をつけた共通の乗り放題券を提案するものです。 どうでしょうか。

 広域観光について、受入体制の強化と輸送の確保にあるものと思います。 東北六魂祭の遺産、レガシーの活用についてお尋ねをいたします。 東北の夏祭りを一堂に見学ができる六魂祭は、3.11 震災の年に仙台市で開催をされ盛岡、福島、山形・秋田と続き今年は青森市での開催で東北を一巡しました。
 お祭りを通じ、東北が結束して復興に取り組む姿勢を見せることができたことと、人材の交流が大きかったのではないかと認識をしております。
 6年をかけて東北を一巡したことに対し関係各位に感謝と敬意を申し上げます。
 さて、一巡したことでひとつの節目を迎えたことになります。 この六魂祭ですがこの経験をどのように広域観光に生かしていく予定でしょうか。
 東北の外国人観光客は実に全体の 1% でありますが、8月に限ってみた場合の外国人観光客はどのような推移なのでしょうか、 分析や今後の課題を含めが広域観光、また今後の外国人観光客の受け入れについてのご見解をお聞かせ願います。
 輸送の確保では、東北新幹線の羽田空港乗り入れを北海道新幹線札幌開業の2030年までに実現する運動を開始するべきです。 ドイツのフランクフルト、スイスのチューリヒ、パリのドゴール、韓国の仁川はいずれも国際空港に新幹線が乗り入れ国内各所へアクセスが出来る体制にあります。 羽田空港の5キロ手前東京都大田区大井ふ頭には新幹線の車両基地があり、5キロ延伸をすれば羽田空港です。 2027年には品川から名古屋までリニア新幹線が開通をして東海道新幹線の線路容量にも余裕が出てまいります。 外国人観光客が羽田空港までやってきて、そのまま東北新幹線へ乗車、2時間40分で盛岡となることはインバウンド観光では大きな効果が期待できます。 盛岡市が先頭になって、新幹線沿線の東日本の知事・首長の大連判状を国に提出をして実現するべきと考えます。 市長のご見解をお聞かせ願います。

 市内みたけにある交通公園ですが、かつて C58 型蒸気機関車が静態保存されておりました。 これが現在は、現役に復帰をして釜石線を走行しております。 また付随して客車や貨車の展示もありましたが、活用のために他へ移送されました。 ところがそのために、そのため展示場は空っぽの状態で寂しくなったと感じます。
 そもそも鉄道車両の展示を行っていることも交通公園の名称の由来ではないでしょうか。 蒸気機関車の復活劇の宣伝だけではなく代わりの車両をおくことはできないものでしょうか。 廃止された旧大志田・浅岸駅の看板の移設をはじめ、彩がほしいものです。
 東北新幹線の先頭車両など代替車両の展示をお願いしたく思いますがご所見をお聞かせ願います。

 北上川の活用について、都市型アウトドアとして活用することを提案したく思います。 ゴムボートやカヌーの活用が期待できるのではないでしょうか。 市は毎年7月第4日曜日にゴムボート川下りを実施しており、参加者ギネス記録を打ち立てるなど川の街として全国に元気を発信していると認識をしております。
 さて、ゴムボート大会は年1回だけですが、ゴムボートはそれなりの数あるわけですから6~9月の温かい時期に都市型アウトドアとしてまた、観光カヌー・観光ゴムボートとして開運橋から南大橋の間を自然の遊園地的なものとして活用できないものか、お尋ねをいたします。
 現在国土交通省がすすめる川まちづくりでは、南大通側の旧明治橋の場所に階段の設置、明治橋から南大橋までの環状遊歩道の検討が進められていると、先日地元の説明会で構想が示されました。 またあわせて不来方橋下流のブロック遊歩道の設置や水辺空間の確保ともあり今後の展開を期待したく思います。
 さて、堤防を設置する前は今の仙北1丁目の河川敷には浮島公園が存在して舟をうかべていたという記録もあります。 先ほどの提案も含め河川を楽しむ仕掛けや都市公園としての河川敷の整備、また盛岡市の観光の目玉としての河川の活用にどのように関わりを持っていく予定でしょうか。
 南大橋河川敷は昨年、昨年総合水防演習が実施をされ整地をされております。 ここには増加する仙北中学校の増築工事のために一時的にグランドへ転用される予定にもなっておりますが、問題はトイレがないということです。
 河川敷へのトイレ設置は難しいとお聞きますが河川を生かす意味、あるいは南大橋河川敷はバーベキューを楽しむ家族ずれもいることから高い稼働率が期待されます。 この南大橋付近に公衆の水場やトイレ設置について検討するべきと思います。 ちょうど国道4号線沿いの空き店舗の用地があります。 ここを確保して道路財源でトイレ付の休憩する場所、他の自治体で見られるトイレパークのような小公園の設置はできないものか、お尋ねをいたします。

 産官学連携についてお尋ねをいたします。
 産業振興を推進する三要素は、食糧やエネルギーの地産地消の徹底、中小企業の資質の向上、そして域外からの投資環境の充実・環境整備にあるものと認識をしております。
 その中で盛岡市の産官学連携については、岩手大学、県立大学との共同研究や人材交流はあるものの岩手医大が見えてこないと予算委員会で指摘させていただきました。 この点について先日、私は岩手医大に行き話を伺ってまいりました。 医大での産官学連携先は主に岩手県であり知的財産の保護育成とされております。 また、東京ビックサイトでの展示会を展開しているということでした。 お話しをお聞きするなかで人的交流や信頼関係の醸成ができないものか、また市がすでに蓄積をしている IT 分野を加えて盛岡市が関わりを持てないものかを感じたところです。
 確認のためにお尋ねしますが、岩手県と医大はどのような産官学連携を行っているものか、また合わせて盛岡市として連携が期待される分野はどのようなものがあるものか、ご見解をお聞かせ願います。

 ここで医療分野での IT 技術は自動車産業から少し遅れる程度の技術で対応できるという関係者の意見があります。 岩手県南・宮城県北に集積をしている自動車産業関連の IT 技術力も応用できるのではないでしょうか。
 他方、大学教授の思いだけでは偏りが出るのではないか、社会のニーズとずれるのではないか、という見解もあるようです。 産業界やエンドユーザーの要請という調整も果たしていくキーマンが必要だと感じたところです。
 IT 産業と医療分野の市場規模で盛岡市の産業界がどのように関与できるものかご見解をお聞かせ願います。

 また、市民に見える伝わるビジネスマッチングをもっと展開すべきです。 郡山市内では年一度福島県メディカルクリエーションを開催し医療機器に特化した展示会を開催され280社が参加。 企業には出店料がある一方で足りない部分は主催者の負担とし交流の場でのテコ入れも行っております。 工業出荷額は10年で3倍になっており伸びしろのある産業の選択と集中がもたらした成果であると認識します。 福島県の医療機器・介護ロボット産業振興の場合、全国区であることを標榜して会議は東京で行い人材の確保をはかっております。
 ここで市内外の企業に対して市の産業振興の熱意を示すべきと考えます。 また取組の成果を市民に示すべきです。 その意味で、ビジネスマッチングをする場として、また市の取り組んできた産業振興の成果を示す意味でも、産業まつりを本宮のアイスアリーナに移して盛岡市が推進する IT 分野、意欲のある中小企業、大学側の産官学の展示を一堂に会して行うべきと考えます。 まずははじめてみて、経験を積みながら改善をしていくという視点でよいと思いますがいかがでしょうか。

 つづいて、教育について、ここでは、保健体育の保健分野についてお尋ねをいたします。
 保健の教育目的は心と体を一体としてとらえ、運動や健康・安全について理解と運動の合理的実践を通じて、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、健康の保持増進のための実践力の育成と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てる、とされております。

 さて、私はこれまで健康寿命増進を一貫して議会で主張してまいりました。 高齢社会でかつ社会保障費の課題が重くのしかかっているからこそ若い世代から、健康教育を徹底するべきと考えます。
 つきつめれば、子どもの時代から継続した健康教育の啓蒙啓発に行きつくと認識をいたします。 高齢化し、あるいは不摂生な生活態度による疾病や病気を鑑みますともっと健康教育に力を入れることは出来ないものでしょうか。
 近年、キャリア教育とよばれ職業観や社会観・経済観の醸成が一つの教育の目的となっており、教育旅行のテーマとして、また地域企業への訪問活動も見られるところです。
 同様に保健分野における健康についても同様の意識の醸成ができないものでしょうか。 外部専門講師や健康教育について力をいれていくことができないか、お尋ねをするものです。
 文部科学省では、生涯学習の中では健康分野も入っておりますが、青年になるにつれてスポーツをしない層が圧倒的に増えてまいります。 スポーツとのかかわりが無くなった層への健康教育への組み合わせは課題です。
 健康づくりの副読本はあるのでしょうか。市の生涯教育における健康学習施策ではどのような機会の提供や学習プログラム施策があるものかをお聞かせ願います。

(盛岡市議会 2016年6月議会一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2016年6月17日
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