2017年 9月 12日
盛岡市議会 9月議会
一般質問
はじめに、財政運営についてお尋ねをいたします。
行政運営は予算が重要視されがちですが、本来の組織運営は決算こそ結果責任が求められるものと認識をいたします。
特に政策の結果責任を通じ住民福祉の向上が如何に達成されたのかは重要な要素であります。
ここで市長へお尋ねをいたしますが、市長は市政のどのような数字の動きを意識しながら市政運営をされているものかをお聞かせ頂きたくおもいます。 その上で平成28年度決算を今回提出するにあたり市政運営で特にどの分野を留意したのか、今後力を入れていく分野はどこにあるのかを踏まえ、決算の所感と市長就任以降の総合的な決算も合わせ所感をお聞かせ願います。 昨年度決算を踏まえて平成30年度の予算編成では、どの点に力点を置くことが想定されるものでしょうか。
私が、決算状況を見る中で気になる動きがありますのでお尋ねをいたします。
まずは市債残高の推移です。
市債は一般会計と特別会計の合計では毎年減少しているものの平成23年度では1,304億円の市債が平成27年度は1,321億円と17億円増加をしております。
この要因はどのようなものなのでしょうか。
民間の会計であれば計上している公共施設の減価償却費の未計上等を考えると、「隠れ負債」はまだあると思われることから市債圧縮できない歳出増の要因がどのようにおこったものでしょうか。
また今後一般会計の市債の圧縮の見通しはあるものでしょうか。
次に民生費の未執行額の現状と繰越状況についてです。
平成28年度予算では、459億円の予算計上に不用額として
37.3% 4億4,376億円を計上いたしました。
27年度の不用額は 3億9,000万円で29%、26年度は 5億 29万円で不用額 28% を計上しております。
民生費における不用額が毎年計上された上で、翌年にも同様の予算計上がありますが、これは民生費を枠内でプールしているようにも見えます。
なぜ、民生費はこういう決算を繰り返すものか、理由はあるのでしょうか。
つづいて都市計画税についてお尋ねをいたします。
都市計画事業や土地区画整理事業等に要する費用に充てる目的税として課税され市街地区域内に所在する土地と家屋に 0.2% の税率で固定資産税に上乗せをして課税されております。
盛岡市の都市計画区域でみると現在市域の何割が都市計画税の課税対象区域なのか、また、今後の課税対象の拡大や縮小の見通しがあればお示しねがいます。
自治体によって税率は様々ですが、0.2% のままで行くものかどうか、また隣接自治体それぞれの都市計画税の税率や課税面積をお知らせ願います。
例えば、滝沢市は都市計画税は課税されておらず、また、公営住宅の戸数もほとんどない状況で盛岡市におんぶの状況ではないかと私は感じます。
市営住宅に入居した方のうち過去に滝沢市であった方が、盛岡市民となって市内の市営住宅に入居した方がわかりましたらお知らせを頂きたく思います。
広域行政では応分の負担はあるのではないかと思いますが、見解をお聞かせ願います。
今回、9月補正では未執行予算のうち 5億5,130万円を財政調整基金へ、4億8,418万円を公共施設等整備基金へ振分けした形で補正計上されましたが、この振分けの割合はどのような算定によって行われたものでしょうか。
地方交付税は、例年自治体の予算が可決されたあとに金額が決定され交付されてまいります。
例年内示で見込みをたてて予算編成を余儀なくされる手法の改善はできないものでしょうか。
市長会を通じ、補正を余儀なくされる国の後出し的な予算措置に対する改善を進めるべきではないかと考えますがどうでしょうか。
また、出納整理期間を経て、決算剰余金が毎年でてまいりますが、国の予算執行の確定を経る手法ではなく、確実な予算編成を行い3月予算・9月予算と年2回予算編成を行って優先度緊急度から次点となった事業を採択していく手法の採用を行っていくことは可能でしょうか。
つまり、年度の事業で採択されなければ一年後まで待機するという現状は、変化の速い民間や市民生活においては苦痛ですらあります。
市民要望へ依りそう自治体の姿として年2回の予算編成はできないものか、ご見解をお聞かせ下さい。
次に基金についてです。
自治体運営では、様々な行政運営上から必要に応じ基金を積み立てております。
ところが、国からはこれを自治体の運営努力とはみなさず、財政上余裕があるとの見方がされるとお聞きをいたしました。
企業における内部留保金を問題視するかのような視点に違和感を覚えます。
むしろ公共施設や公共インフラの老朽化に備えた積立であると認識をいたします。
基金の積み増しを多くすると国は交付税措置を見直しするという動きはどうなのでしょうか。
盛岡市に情報は入ってありましたらお知らせ願います。
単年度決算以外の5年単位での決算手法のあり方の採用についてお尋ねをいたします。
決算審査では、昨年度との比較が示されますがこれだけでは、木を見て森を見ずの状況となってまいります。
5年単位で決算額平均値を示し昭和の終わりころからの決算推移を数字で示す決算手法は必要ではないでしょうか。
前例踏襲的予算編成や行政評価を経た形で執行される3年後の政策の取組みだけではなく、過去の長期傾向も合わせて分析をして今後の予算に傾斜をつけていく手法は、特にも人口減少社会と高齢社会の環境の変化で必要であります。
20世紀の終わりから人口減少と少子対策は指摘をされてきました。
この対応は、今日最重要な政策として取り組まれております。
行政運営は手遅れ感が出たり、劣化がひどく進行して住民の指摘が相次いでから重い腰を上げるという印象があります。
対処療法的手法から未来を予見した予防保全型へ政策も予算も切り替えるために、過去の傾向を数字で示すことで庁内の合意形成の一助となり、かつ住民の説得には必須になります。
人口減少社会では過去のある時点の人口と同じ時期を迎えることとなります。
現状と過去の同一人口状態における市勢の現状と決算状況の把握から何をしていくことが大切かを見通していくことは必要な視点です。
中期財政見通しだけではなく、過去30年の決算総括を是非財政運営上の一つの指標として取り入れて頂きたく思いますがご見解をお聞かせねがいます。
次に待機児童対策についてお尋ねをいたします。
盛岡市の出生者数は、昭和55年では年約4,000人であったものが、徐々に減少し、平成8年には年3,000人を割り込み平成23年には死亡者数が出生者数を逆転し近年では一年あたりの出生者数は2,500人前後を推移、死亡者数は3,000人に迫る状況となっております。
盛岡市の喫緊の課題の一つとして子育て支援の展開があり、盛岡市の戦略プロジェクトとしても位置付けられており出産から子育ての成長過程における切れ目ない支援を行う体制を強化、平成29年度からは子ども未来部の設置、子ども未来基金の設置にいたったところです。
市長は盛岡市の子育て施策で現状はどのような課題があり、平成30年度以降どの分野へ力をいれていきたいとお考えでしょうか。
さて、女性の社会参画の拡大や核家族化、世帯収入の減少を共働きで補う経済課題や子育てをする片親の増加も待機児童の増加の要因に含まれるものと認識をいたします。
盛岡市では弾力的に保育所定員を増やしておりますが、4月1日現在の空き待ち数は298名をかぞえ、年度末の3月には500名を越える空き待ち児童が出ている現状が繰り返されているところです。
さて、盛岡市の公立私立保育園をあわせると入所者は6,450名となっております。
平成22年に5,106名の入所であったことをみると7年で1,344名26%の受入の増加をはかっております。
6,450名といえば、盛岡市の未就学児数でみた場合、それぞれの年代でどのような割合で幼稚園や保育園へ入所しているものでしょうか。
ここでの課題は例えば昭和60年との比較では、子どもの預け入れ率はどの程度上昇をしたのか、また、待機児童対策は、今後の人口動態や出生率を加味した場合、どの時点を最高点としてみているものでしょうか、盛岡市の分析をお示し願います。
なぜこのようなお尋ねをしたのかと申し上げれば、出生者数が横ばいであったとしても預け入れ率が上がれば保育所はいくらあってもたりません。
このことから待機児童解決の道筋を早急に見通していきたいからであります。
他の自治体では、第2子あるいは第3子の保育料を無料にした途端、家庭で面倒をみることより楽であるからという理由もくわわり、むしろ児童の預け入れ数が増えたという自治体もあるとお聞きしております。
保育料無料の自治体で預け入れ率の高い自治体は、どのような割合でしょうか。
盛岡市でその割合をはめると保育所定員はどの程度増員が必要だと分析をされるものでしょうか。
盛岡市の待機児童問題は地域課題ともなっております。
河南地区や都南地区では待機児童者数がめだっておりますが現状はどうでしょうか。
地域課題としても見ることができる待機児童対策に対し、平成30年度以降の保育所定員の拡大はどのような見通しなのでしょうか。
先日の新聞報道で、文部科学省と内閣府は幼稚園が通常より1歳年少の2歳から受け入れやすい仕組みを整えるとありました。
保育所入りの順番待ちを余儀なくされる待機児童は1~2歳児が多いことから既存幼稚園を活用する狙いがあるようです。
文科省は幼稚園が2歳児を預かれるよう施設を改修する費用を補助する方針だそうです。
仮に幼稚園に2歳児から入所出来た場合、盛岡市内の私立幼稚園ではどの程度の人数枠の確保の拡大が可能となるものでしょうか。
またこれは、待機児童数でいえばどの程度の効果が期待できるものでしょうか。
また盛岡市立幼稚園四園では2歳児からの受け入れは可能となるものでしょうか。
定員を割り込んでいるようですが現状や人員配置の関係からみた受入体制についてもお示しを願います。
つづいて、乗り物における自動運転技術の導入についてお尋ねをいたします。
人工知能(AI)技術の進化により自動運転の実用化の機運が高まってまいりました。
2020年代初頭には一般道における自動運転できる車を発売すると自動車各社は競って技術開発を行っており、私も技術革新を楽しみにしております。
自動運転の基準は米国高速道路交通安全局の基準では5段階に分けられております。
そのうち現状の人間が運転する今の普通のクルマはレベル0であり自動運転の機能はありません。
レベル1からレベル4までの区分ですが、まず、レベル1は前方の障害物がある場合に衝突を予測して自動的にブレーキが作動するもの、レベル2はドライバーが一定の制御をクルマに委ねられる水準です。
レベル3になると人が全く関知せず自動運転ができるがいざというときは人間の制御が必要となるレベルとされ、さらに最後のレベル4となると人間は目的地を設定するだけで完全に自動運転が可能なレベルとされております。 クルマをおりた状態で車庫入れをする機能はこのレベル4となります。
さる7月31日国土交通省内で「中山間地域における道の駅等を拠点とした自動運転ビジネスモデル検討会」が開催され私も傍聴をしてまいりました。
原田昇東京大学大学院教授を座長として学識者、自動運転の開発者、観光関係者、バスやタクシー宅配の業界関係者、損害保険関係者、関係監督官庁が一堂に会しておりました。
そして平成29年度の自動運転の社会実験は4月に先に指定された5か所にくわえの公募型で8か所が選定され、社会実験が行われるようです。
岩手県内からの採択はありませんでしたが、秋田県の上小阿仁村の道の駅かみこあに、山形県高畠町の鉄道の廃線跡を活用しての運行実験となっております。
採択された地域では新聞の一面を飾るなど導入地区では高い関心を呼んでおります。
道の駅以外にも福岡県みやま市では市役所支所を活用して地域エネルギーの余剰電力を活用しながら自動運転で地域内の生活の足や物流の確保を行っていく貨客混載輸送を行っていく方向性が示されました。
国は今後社会実験で得られたデータを精査して平成30年夏ころに自動運転に対応した道路空間活用のあり方や中山間地域のニーズを踏まえた自動運転車両技術のあり方、道の駅等を拠点としたビジネスモデルのあり方の中間とりまとめをしていくとしております。
課題はありますが、期待も大きいものです。
盛岡市としてみると技術的な確立以外には雪道での安定走行が最大の課題ではないかと認識をいたします。
市長は自動運転についてはどのようにお考えか、特に盛岡市とのかかわりをどのように見ておられるものでしょうか。
ところで、国は公募して実験する地域を選定したとありましたが、盛岡市への公募の打診はあったものでしょうか。
さて国の社会実験の動き、さらには2020年代に本格導入の検討が始まる自動運転ですが盛岡市でも導入に向けたこの類の社会実験はできないものでしょうか。
例えばユートランド姫神には太陽光発電設備がありエネルギーの生産があることや自動運転車の走行でも可能な幅員の道路があると認識をいたします。
環境ゾーンとして地域で生産されたエネルギーを活用して域内の集荷や旅客輸送には適した環境であると全国の社会実験の地区の説明を聞いて感じました。
道路は盛岡市の管理ですから、空間の提供は、市長の判断で出来るものと思いますがどうでしょうか。
私が想定するのは、高齢社会において、バスの運行本数の確保できない中山間地域を中心にレベル4で時速20キロ程度で域内の自動運転を行い、住民の足と物流を行うことです。
この点についてはどうでしょうか。
この取り組みを他の自治体に先行して推奨するもうひとつの理由は IT 企業の育成や誘致など自動運転関連の企業や技術の誘致です。
国の社会実験を自治体負担で可否する視点ではなく、企業誘致の視点つまり IT 産業集積地の視点での積極的な導入を図ることは出来ないものでしょうか。
現状の自動運転は既存の道路を如何に走るかを想定しております、ここで、道明地区へ新産業等用地ができてまいります。
盛岡市では数少ない新たに道路や歩道を整備する地域です。
この地域はクルマ通勤が想定され公共交通の運行は限定的ではないかと思われます。
この際、レベル4の8人乗りの自動運転の車が移動できる幅員を最初から確保した街路設計はできないものでしょうか。
日本初を打ち出してこそインパクトがあります。
東北本線の新駅と産業団地内をレベル4のクルマで移動ができる環境を整備すれば大いに全国の注目を集めます。
自動運転する企業を公募して、その企業の視点を入れて基盤整備を実施。
運行の主体となって行っていただければできると思いますがどうでしょうか。
つづいて教育について、教員の人事権の盛岡(中核)市への移管についてお尋ねをいたします。
8月1日早朝に市内学校に勤務する教員が酒気帯び運転と免許証不携帯で検挙されるという事案が発生をいたしました。
学校名は伏せられたものの酒気帯び運転は厳しい罰則があると説明を頂いたところです。
これらを含め市立学校に勤務する教員の不祥事について説明を頂く際には、再発防止策とあわせて県の採用であることから、県教育委員会の判断を待つという説明を頂きます。
盛岡市は平成20年4月より中核市へ移行して、県の事務移管を受けてきたところですが、人事権はそのまま岩手県が掌握しております。
また、県内唯一の公立高校である盛岡市立高校も県立高校の運営に準じ、入試や授業料、人事異動を行っているものと認識をしております。
ところで、中核市となりましたが人事権はそのまま県にあるということについて不都合はないのでしょうか。
国では中核市へ教員人事の移行について前向きであるとの考えもあるようです。
特に市職員身分のある市内学校勤務の教員は、教員の給与は国と県が折半しており、身分と給与の出所のではネジレがあると思います。
市が人事を掌握できないことは、本来の地坊分権の趣旨にも反するものではないでしょうか。
私は教職員人事は中核市へ移行して、盛岡市のそれぞれの学校の規模と特色に見合った教育をしていくべきとの認識です。
特に小学校中学年より上、中学・高校となるにつれて専門性の高さとあわせて学力・運動・文化面で連携し継続した取組みが必要になると思います。
悪平等的な人事異動ではなく、学校における教育の成果の連続性を確保するための人事は重要なことです。
先日新聞紙上に全国学力テストの結果が出されました。
数学の学力が平均以下という指摘を頂きました。
盛岡市の伝統的な取り組みである教育振興運動の成果を発揮するために盛岡市が人事権を持ち教育指導力の維持向上を図ることは重要なことと認識をするところです。
ここでお尋ねをいたしますが、盛岡市教育委員会として、市立学校の教員の人事権を盛岡市つまり中核市へ移管することについてはどのようにお考えでしょうか。
また盛岡市の発行する職員録を見ると、盛岡市立高校の教員は職員録にあります。
ところが、市内小学校や中学校は教員の名簿はなく、あるのは用務員や調理員です。
教員はなぜ職員録にないのでしょうか。
載せられない理由が無ければ載せるべきではないでしょうか。
なぜこのような扱いとなっているのか、お知らせ願います。
中核市へ人事権移管する際の課題として「過員」の課題があるようです。
盛岡市と県北沿岸の希望者では盛岡市への勤務希望者が定数より多いと想定をされます。
県内一円で教育行政を執行する県との考え方との差がでることは想像できます。
また盛岡市内に住んでいて、市外へ勤務する教員の把握はどうでしょうか。
また、現在の市内における教員配置数は生徒の人口減少によってどのような配置に見込まれるものか、現状の人口動態の前提でお示しを頂ければと思います。
つづいて学校校庭の芝生化についてお尋ねをいたします。
盛岡市内の学校の校庭は土の校庭となっております。
視察や先進地事例をみると学校を芝生化して教育的な効果を上げているという学校の実例を見ることができます。
東京都では離島を含め全学校での芝生化をすすめており、児童の健全育成緑の学び舎づくり事業を実施しております。
学校の近隣の方から乾燥が続くと土埃がひどく舞い上がり洗濯物が汚れる、というご指摘をよく頂きます。
市内学校は住宅地と密接しております。
学校周辺の環境問題という立場からも是非実施して頂きたく思います。
学校芝生化の検討状況や国に対し施設整備助成を活用して頂きたく、ご所見をお聞かせ願います。
(盛岡市議会 2017年 9月議会一般質問 終わり)
ご意見・ご感想をお聞かせ下さい
鈴木一夫後援会事務所 © 2017年9月13日〒020-0861 岩手県盛岡市仙北二丁目 23 番 24 号
電話 019-635-8839 FAX 019-635-9176
メール:鈴木一夫後援会