2017年 12月 12日
盛岡市議会 12月議会
一般質問

 はじめに環境とエネルギー対策について質問をいたします。
 原油先物価格は 2008年に 1バレルあたり 140ドルを計上し、その後 2009年には 41ドルまで暴落、その後も 1バレル 100ドルを伺う展開を何度か見せたのち 2016年 2月には 1バレル 33ドルまで下落、その後上昇し現在では 50ドル台後半に乱高下をしております。 資源量の変化による価格高騰ではなく、マネーゲームや国際情勢、産油国の利益確保のための原油価格の乱高下に私は辟易しております。
 アラブ首長国連邦のドバイに訪問した際には、国際空港の贅沢三昧なつくり、高さ 1,000メートルの世界一のビルの建設、ペルシア湾に浮かぶ人工の別荘地などを拝見して、このようなところに日本の冨がくるのであればもっとエネルギーの地産地消を行うべきと確信をもったものです。
 その立場から地域の資金を地域循環させる取組みは自治体側で牽引する必要があるとこれまでも議会でも主張してまいりました。
 先日福島第一原子力発電所のある福島県双葉町の担当者と意見交換する機会がありました。 震災から 6年余がたち避難指示解除準備区域 200ha の除染と双葉駅前の 40ha では面的除染も完了しており、2019年度末の避難指示解除、そして避難指示解除後 5年後の居住人口を 2,000人と定め交流拠点の再生や社会インフラの再整備、UR 都市機構の整備による産業団地の造成を 2023年までに完成させる構想をお聞きいたしました。 旧福島第一原発と中間貯蔵施設に隣接す立地から廃炉や除染にかかるロボット産業の誘致などを目指すとしており、再生と復興のための生業(なりわい)再生の地道な努力を感じたところです。
 双葉町のように今なお帰還困難な現状を聞くにつけ改めて原子力に頼らない代替エネルギーの確保について、その実現と更なる技術革新が必要であると認識したところです。
 市長は盛岡市のすすめる自然エネルギーや新技術を伴ったエネルギーについてどのようの推進をすべきとお考えかご所見をお聞かせ願います。

 さて、自然エネルギー分野ですが、市では住宅用太陽光発電の装置導入に補助金をだしておりますが、補助開始以来設置された件数と新築・既築の別、導入W(ワット)数とあわせて二酸化炭素削減効果、全住宅のうち何%で導入済(太陽光発電の普及率)であり、今後の目標数値はどうなのかをお示し願います。 またあわせて補助対象としている蓄電池の導入実績もお知らせ願います。 今後もこの助成は続くものかのご見解もお聞かせ願います。
 さて、全国の自治体のエネルギー政策は機器導入の補助から次の段階へ、つまり地域でエネルギーを創出する事業を自治体が主導で行うことに移行しております。 盛岡市としてエネルギー事業に乗り出す時期ではないでしょうか。
 県内では葛巻町が先行しており、全国的にも小水力発電事業の導入事例や、町営の発電会社、石川県金沢市のように水力発電事業を行う企業局がある自治体もあります。
 以前盛岡市は生出地区や中央卸売市場のメガソーラーをはじめ自然エネルギー導入をすすめております。 以前の私の質疑で電力自給率は 25%(2014年9月議会)とご回答を頂きましたが現状はどうでしょうか。 今後導入が検討されている大規模風力発電が稼働すればどのように数値は変化をするものでしょうか。
 環境技術は日進月歩で進んでいることから是非、次なるエネルギー戦略を打ち出してほしいと認識をしております。
 例えばエネルギーの地産地消を進める姿勢から、県営梁川ダムの水力発電事業を県から購入して盛岡市企業局として市の発電所として活用できないものでしょうか。 また、小水力発電やバイオマス発電、地中熱の利活用、雪室の活用など地域の未利用エネルギーの活用をもっと国や民間の支援を取りつけながら取り組んで頂きたく思いますが市長のご所見をお聞かせ願います。

 さて新しいエネルギー源として有望視されている水素エネルギーですが製造から利用までのロードマップをつくる地域が相次いでおります。 山梨県はもともと急峻な地形を生かした小水力発電や日照量が多いことを背景とした太陽光発電が盛んでしたが、ここにきて水素エネルギーの体制について検討を始めました。 このような取組みはほかにも山口県での取組みもあるようです。 今後伸びしろのある分野は産業振興としても見ることができます。 また福井県敦賀市では原子力発電以外の産業の柱として水素エネルギーの導入を検討。 水素の研究機関の誘致や燃料電池車のメーカーの誘致を含め水素社会形成計画を策定する予定です。
 是非水素エネルギーの活用について、全国のスタートラインに同時に立って取組みを始めてほしく思いますがご見解をお聞かせ願います。
 特に自動車産業はヨーロッパを中心にガソリンから電気や水素エネルギーへの移行が大規模に進む政策が進行中です。 是非、水素エネルギーの活用にアンテナを高くして頂きたいと思いますが如何でしょうか。
 盛岡市は地形的にも環境的にも未利用エネルギーの宝の山であると私は認識をいたします。 このエネルギー対策に力を入れている姿勢をしめすためにも環境企画という名称ではなく、エネルギーを全面に出したエネルギー課のような部署の設置ができないかご所見をお聞かせ願います。

 つづいて住宅政策について環境面からお伺いいたします。 寒冷地である盛岡市の住宅は、高密度高断熱を構造の軸に太陽光発電や蓄電池を活用してエネルギーをゼロにするスマートハウス事業が今後普及することが課題であると思います。 二酸化炭素排出削減の難しい民生家庭部門での寄与にも繋がり、地域経済効果もあります。 北海道旭川市でもスマートハウス事業をおこなっておりますが、機器の助成という視点から踏み出し、ゼロ・エネルギーハウスと認定されれば、機器助成とあわせて地元金融機関の優遇金利の適応など官民をあげた取組みを図ることはできないものでしょうか。
 また愛知県豊田市ではスマートハウスを採用した住宅の固定資産税を半額免除としました。 このような事業の展開と地球温暖化基金を固定資産税の減免に使うことができるものかのご見解もお知らせ願います。
 またあわせて盛岡標準仕様の住宅性能を是非創設頂きたく思いますがご見解をお聞かせ願います。

 つづいて資源ゴミの地域回収の徹底について体制の在り方を含め提言をいたします。
 盛岡市では各地域でゴミ減量・資源再利用懇談会を開催し、盛岡市のすすめる施策の提言や輪番による実践発表を行っております。
 さて、盛岡市内の各町内会や自治会で見た場合、1世帯あたりの平均回収量は 32キログラムです。 このうち回収量の多い町内会では 1世帯あたり 227キログラムで平均の 7倍の回収をしております。
 盛岡市の方針は資源を分別して残ったものがごみとしてゴミ出し三原則の実践をしております。
 ただし実態は、資源ゴミの日に、町内会の資源回収には出さずに、行政回収に出ている資源がまだまだ多いのが実態です。 地域ではむしろ回収をしたいのだが、マンパワーの限界やストックヤードの大きさからなかなかできないのが実態であると思います。 啓蒙啓発はあるが市役所が人出を出すわけではない、また結果を向上させる仕組みが無い。これでは町内会役員は板挟みになるのではないでしょうか。

 参考までに仮に盛岡市のすべての町内会が回収量 1位の町内会の年 227キロクラムの回収量をした場合、どの程度の回収量の上昇と報奨金が支払われるものでしょうか。
 また、その上で今後の盛岡市の資源ごみの回収における課題があれば整理してお示し願います。

 さて、ここからが私の対案ですが、町内会や自治会の現場で抱える課題はこの資源ゴミの回収にかかわらず多種多様です。 ひとついえるのは市役所の縦割り的な動きとは別に町内会がそれぞれ工夫をして有効的に事業を行っているということです。
 最近、民間会社の生活支援サービスである「便利屋」について知る機会がありました。便利屋とは「生活に関することはなんでもやる会社」という意味です。
 業務内容は多岐にわたり、自宅の草むしり、掃除、電球の交換、リフォーム、水廻り、模様替え、買い物、灯油を入れること、散歩や外出の支援を行うサービス事業です。
 商圏人口 7万人あたり年商 1億円は行くだろうというフランチャイズ加盟店の説明でした。 盛岡市の商圏 30万人では年商 4億円をこえるニーズがあると思いました。
 近所との付き合いが薄れてしまい何かあると公的な機関のお世話になるかあるいは孤立の傾向があるなかで、このような生活支援サービスの便利屋はその隙間を埋めてくれる事業であるとおもったとともに、もともとあった既存の住民の善意のネットワークや地域密着型の中小企業の事業で解決できていたような中身も多く含まれるものと思いました。
 ここで私は盛岡市直営の便利屋を行えないか提案をするものです。
 市民部の所管する市民協働部門や体育振興部門、市長公室の広報配布、環境部のゴミ減量資源化部門やゴミ出しサポート、きれいなまち推進、建設部の除雪排雪部門やコミュニティーバス的送迎サービス部門、保健福祉部の1人暮らし高齢者見守り部門や買い物弱者対策、介護保険部門、社会福祉協議会、高齢者支援制度、シルバー人材センター、商工観光部のイベント部門、NPO、企業などの組織を合体させて職員を確保、資金は既計上の事業費の流用で出来ると思います。
 前述の資源回収事業であれば、便利屋から人数をだしたのであれば町内会との人数割折半で、町内会で全部やれば 100だが、便利屋が代行すれば 60で差し引き町内会には 40を振り込む。 その代わりに、玄関の前には新聞紙を出してほしいという依頼で両者の住み分けをしながらかつ資源回収の量を確保していくというやり方です。 これら町内会との合作で得た利益に加えて、前述した生活支援サービスにおける手数料収入、以前本会議で大阪府池田市の住民税 1% を住民が自由に使えるようにする住民自治とまちづくりの提言をいたしましたが、住民税 N% を付与して人件費や物品購入費や施設利用費等をねん出することで財源と人材を確保できます。
 60代 70代の意欲ある方、青年の就労支援者や障がい者も登録を頂き、雇用関係も一日、短期、長期、常用とはっきりしながら地域の事業に地元労働力として参画して頂くことで「自分良し、相手良し、社会良し」の三方良しの事業となると思います。
 これまでの枠組みを変えるだけで充分にこの生活支援サービスは実施できると考えますがどうでしょうか。

 市の縦割りに遠慮しない組織が有効であると考えます。 その意味で所管は市長公室でその中に「なんでもやる課」あるいは「便利屋課」を創設すれば済むことです。
 そして縦割りの壁をこえかつ実働部隊が常に待機・出動する「便利屋」を配置して町内会の申し出は原則全部受け入れる実働部隊の創設は敷いては住民サービスの向上と安心の提供となるのではないでしょうか。市長のご見解をお聞かせ願います。

 国道4号の下厨川から分レ間における沿道サービスの提供についてお伺いいたします。
 はじめに伺うのは、1年 365日のうち盛岡市から岩手山が見える日は何日あるのでしょうか。 体育の日は雨が降らないというジンクスがありますが、この 10年で見た場合に岩手山を見ることができる確率の高い日はあるものでしょうか。
 静岡県や山梨県では毎日今日の富士山としてネット配信を行っているようですが、自然美にすぐれた岩手山を是非内外の方に堪能して頂きたいものです。
 さて、国道4号の下厨川の北側には国の家畜改良センターがあります。
 国道4号の4車線化により松並木より岩手山側を通ることとなったことから牧場の開放感と岩手山がとてもよく見える場所になったのではないかと思います。 さて、これだけよい環境があるにも関わらず、駐停車する環境はなくカメラに収めたいと思っていても駐車帯が無いのは残念だと感じております。
 是非、駐車帯を整備して岩手山を背景に写真が撮れる環境の整備をお願いしたく思います。 その際に、家畜改良センターにもお願いして冬場は雑木林に電飾を施したり、わらアートや巨大な雪像、など観光スポットとして活用するイベントもお願いしたいものです。
 さらに岩手山の景観と見渡す限りの牧草地そして夕日が山並みに沈む場面を売りにする飲食店限定のロードサイド通りとできないものでしょうか。 リゾート地では海を眺めるようにレストラン街が多数集積をしております。 建築はしゃれた建物や南部曲がり屋など歴史的な建物に限定して岩手山と牧草地の見ながら食事ができる場所の提供は全国的にも話題になります。 国有地であるからこそ民間側の交渉には制限もあると思います。 ここで盛岡市の仲立ちを期待するものです。どうでしょうか。

 オープンデータの活用についてお尋ねをいたします。
 近年、行政の透明性の確保や官民協働の推進、経済の活性化などを実現するために、国や自治体などが所有する様々な公共データを、すべての人が利活用できる環境整備を進める取り組み、「オープンデータ」の推進に対する期待が高まってきています。
 自治体のもつデータは多種多様にわたり、この蓄積は行政内で利用するだけではなく他の自治体や民間企業にも提供してビッグデータ・オープンデータの活用アイデアやアプリケーションの開発、人材育成やネットワーク構築など先進的な取り組みを進める期待があります。
 自治体によってはホームページ上にオープンデータを公開しております。
 このサイトの設置の目的は、住民の生活を便利にするアプリケーションの開発やサイトを構築する企業、公共データを利用して調査研究を行う学術・研究機関、そして、新たなビジネスを立ち上げようとしている起業家へ提供することを目的としています。
 新規のデータのご要望を積極的に受け付ける自治体もあります。
 オープンデータの活用は新しい価値の創出、日常生活の利便性向上や起業・創業、ビジネスの活性化につながる期待が大きいわけですが盛岡市の取組みはどうでしょうか。
 私は、かつ民間事業者の動きの速さを考えるとこの事業は時流にのって行政施策を進めるべきと考えます。この立場から盛岡市のもつビックデータの活用をしていくべきと考えます。盛岡市の現状とあわせて今後の公開や事業展開の可能性についてお示し願います。

 つづいて、教育について小学校の部活動と中学校の部活動の連続性の確保についてお伺いをいたします。 盛岡市は学校間連携として小学校と中学校の小中連携を市内全学校で実施をしております。 そして中1ギャップの解消をはじめ学校間の教育の成果を引き継げるような人事や体制を取っております。
 学校間連携をすすめてきた教育委員会としてこれまでの成果、特にも同一敷地にない小学校と中学校の連携はどのようになっているものか総括をお願いしたく思います。 また複数の小学校から進学する中学校の場合の小中連携はどのような実態でしょうか。
 今年仙北小学校ではマーチングバンドクラブが東北大会で優勝をして、12月にさいたま市で行われる全国大会に出場をすることとなりました。
 ここであるご父兄より小学校で得られた貴重な体験だが仙北中学校にはマーチングバンドクラブがなく残念。 中学校でもこの経験を生かした部活動の設置はできないか、と相談を頂きました。
 地域あっての学校であることを考えるとのこのような声には応えていく必要があるのではないでしょうか。 また、この事例以外に小学校で盛んである部活動が中学校になく設置を要望されている事例がありましたら具体的にお知らせ願います。 教育委員会はこのような連続性の確保についてどのようにお考えかをお聞かせ願います。
 次に少子化に伴う各学校の児童数の現状についてお尋ねをいたします。
 盛岡市の教育の課題は一つが理数系を中心とする科目の学力の向上であり、二つ目が職業観をはぐくむ教育と自己肯定感を持つこと、三つ目が少子化による学校の規模の在り方であると認識をいたしております。 さて、ここ数年全員協議会などで学校の適正規模における報告がありませんが実態はどうでしょうか。
 盛岡市の児童数は最盛期より 3割児童数が減少している傾向です。 今後 6年後までの児童数の推移をどのように把握しているものでしょうか。 さて、中心部にある学校の場合、大型のマンション建設で一気に児童数が増加する見込みあるわけですが、周辺部では児童数の増加が望めずに減少傾向にある学校もあろうと思います。
 まずお尋ねをすることは現在統廃合にむけて協議をしている学校や閉校の予定とあわせて、適正規模の観点から統合を検討するという文科省方針にも抵触する学校はどのようにしていく予定でしょうか。 公共施設保有の最適化長寿命化計画でも具体的な学校名が示されておりますが、市民からするとこのようか書き方をされると、地域の学校の将来に対し不安や動揺が出るのではない懸念をいたします。
 また新たに居を構えようとする住民からすると、いずれなくなるかもしれない学区には最初から選択肢とはならず若者の地域定着の懸念もあります。
 自治体によっては学校適正配置計画を完了したという自治体もあります。
 このようにすっきりと腰を落ち着けた形での学校経営へ早期に移行できないか、ご所見をお聞かせ願います。
 小学校と中学校の電力の調達方法についてですが、平成 28年度決算における小中学校の電気代総額はいくらでしょうか。 あわせて他の自治体の学校は小売電力事業者から購入している例もあるようですが、盛岡市内学校の導入に向けた検討現状についてお知らせ願います。 私は、少しでも安く仕入れることとはもちろんでありますが、併せて、削減の経済効果を一般会計に吸い上げるのではなく教育費の充実にあててほしく思いますがご見解をお聞かせ願います。
 最後にプールの開放の現状ですが、現在学校で夏休みに学校プールをどのような日数開放しているものか。また、保護者の立会の現状や安全対策はどのようになっているものかを確認いたしたく思います。自治体によっては学校プールの開放を廃止する動きもありますが盛岡市の場合はどうでしょうか。

(盛岡市議会 2017年 12月議会一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2017年12月13日
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