2018年 6月 14日
盛岡市議会 六月議会
一般質問
はじめに、労働力人口の確保について、盛岡市の現状を含めお尋ねをいたします。
岩手労働局が発表した、今年 4月期における職業紹介状況では有効求人倍率は 1.45 倍、新規求人倍率は 2.01 倍となっております。
特にも平成25年に 1倍台を回復し、その後も倍率は増加傾向であり、近年は更に人手不足傾向に拍車がかかり高止まりしております。
思えば、今から 10年まえ、米国の投資会社リーマンブラザーズが経営破たんをしたことに端を発した世界的規模の金融危機で平均株価が 6,000円台に落ち込み、更には消費の低迷とそして労働市場の冷え込みもありました。
9年前の平成21年には有効求人倍率 0.3 倍台まで落ち込み、様々な雇用対策が議論されたことを考えるとまさに隔世の感といえるものです。
その後、3.11 東日本大震災の発生とその復興需要がおこったこと、更には全国的な労働人口の減少傾向や団塊の世代の大量退職期が重なったこと、デフレ不況等による採用抑制期の反動から労働市場は一気に過熱しバブル景気に並ぶ有効求人倍率となっております。
この構造的な傾向は全国的なものでもあり、岩手県では 1.45 倍の有効求人倍率に対し、東京都では 2.09 倍、北陸 3県が 2倍、全国平均も 1.59 倍となっており人手不足からくる企業の採用意欲はかつてないほど強くなっております。
現在 15~64歳の日本の労働力人口は 6,600万人ですが、22年後には 5,100万人で 28% 減少いたします。これまで人口対策というと若者定住促進が主でしたが、国内情勢は更に変わっており労働力人口を如何に確保し維持するのかという段階にはいったものといえます。
この人材の確保は、地域を担う根幹であり、労働力確保のための人の確保とその前向きな取組みは、地域の生き残りをかけて官民をあげて進めていく必要がある課題です。
業種による求人倍率には濃淡はありますが、運輸業や建設業、飲食業、介護福祉業などで 2倍を超える求人倍率となっており、これらの業種の人手の確保は、市の施策つまりバスの運行や社会インフラの確保、福祉施策等と直結をする業種もあることから予断を許しません。
特にも、産業構造において中小企業の割合の高い盛岡市は、労働力の確保についてどのように分析をされているものでしょうか。
盛岡市の生産年齢人口の今後の確保の見通しに対し、盛岡市の企業活動をささえる労働力の確保や他都市や大企業との求人や待遇面における課題をどのようにとらえているものでしょうか市長の御見解をお聞かせ願います。
私が懸念している課題は、全体的な人手不足からくる盛岡市の政策推進の停滞であります。
市は、二次にわたる行財政構造改革において指定管理者制度や民間業務委託、あるいは PFI 手法導入による民間活力の導入を図ってきましたが、これは直営部隊の切り離しでもありました。
直営組織を持たない事業で、市の要求水準を満たす技術力やサービスができない場合は事業の延期、また入札の不落、更には指定管理者自身の辞退の懸念はないものでしょうか。
実際、すでに市内中学校での学校給食の導入が民間の人材不足から大きく遅れ市政の停滞と市民不安を招いております。
また待機児童解消の未達成や入札の不落、介護待機者など市民生活への影響がでているのではないでしょうか。
他の自治体でもっと大きな課題に発展しているところがあります。
岡山市では、もともとバス運転手が不足傾向でありました。
ここに都心部だけを回遊する格安バスの新規参入を中国運輸局が認可をしたことに端を発し、既存のバス会社が反発。
人手不足を理由に不採算路線の廃止を表明したことで生活路線の確保が出来ない課題が勃発しました。
この点については、7月に建設常任委員会で現地の調査活動をしてまいりますが、労働力確保の問題は、一企業の活動の停滞に留まらない状況に深刻化しております。
つまり全産業全業種における労働力人口の確保の見通しをたて、特にも充足率 9割を切っている業種へのテコ入れを含め労働力の確保を市の上位施策に格上げ図り、計画的な取り組みが必要であると思います。
自治体によっては、保育士や介護師の確保のために資格取得学校への補助金創設や処遇改善の独自加算をして市内に就職をすれば免除する施策を行う自治体もあります。
個々の担当部を越えて市全体で取り組む必要があると思いますが御見解をお聞かせ願います。
また総合計画のローリングの中で重要政策目標に追加し早めの対応をすべき課題と思いますが併せてご見解をお聞かせ願います。
またこれまで就職先として見ると優良とされた公務員、特に盛岡市職員の成り手の確保についての見通しはどうでしょうか。
盛岡市では将来の幹部職員を育成するという立場から採用に年齢制限を設けておりましたが現状の中途採用の行政職の人数はどのような現状でしょうか。
高度技術職では 40代以上の採用もあるとお聞きしますが全体的な傾向はどうでしょうか。と申し上げるのは、Uターンや Iターンでの人材確保に加え、人材難は公務員にも確実にやってくるという危機感で良質な人材の確保のための攻め対応が必要と考えるからであります。
盛岡市は学生インターンを行っているようですが、どのような実績でしょうか。
私は市長のカバン持ちつまり市長直属で職場体験のできる機会を作ってみてはどうかと思いますがどうでしょうか。
中核市市長の大学生インターンは全国的な話題にもなりますし、学生の採用に積極的であるという姿勢も伝わるのではないかと思いますが市長の御見解をお聞かせ願います。
6月 5日行われた政府の経済財政諮問会議では外国人就労の拡大が表明されました。
人材の不足する建設業や農業など 5分野における外国人就労の拡大をするようですが、盛岡市における在留外国人の現状や国別数、外国人就労者の就労している主な業種、技能実習生の現状についてお知らせを頂きたく思います。
また、盛岡広域圏の高等学校や専門学校、大学のこの 3月の新卒者の就職状況について伺います。
盛岡広域のこれら学校を卒業した皆さんが、仙台や首都圏への流出傾向はこの数年はどのようになっているでしょうか。
盛岡市の世代別人口は伝統的に 20~24歳の減少率が大きいわけですが平成30年の傾向をお知らせ願います。
政府では、労働力の確保のために定年延長や 70歳まで働くことのできる法整備、また年金受給年齢の引き上げの検討もされております。
盛岡市における 60歳以降の就労環境についての現状と課題についてもお知らせ願います。
また、盛岡市職員や外郭団体における 60歳以上の定年延長の導入時期や方針についてのご所見と併せて、市の改正により外郭団体も歩調を合わせる予定があるものでしょうか。
つづいて自治体経営について、未利用市有財産利活用のための管財部門の一元管理化の導入についてお尋ねをいたします。
盛岡市は盛岡市公共施設保有最適化・長寿命化計画を定め 20年の長期計画と 10年の中期計画を定め事業を推進しております。
この 6月議会には仙北地区活動センターや青山支所の大規模改修予算の計上もなされましたが着実に執行しており、この計画の推進では全国の視察も多いとお聞きをしております。
さて、個々の施設の維持管理だけではなく、もっと利活用に力点を置いた施策を行い特に歳入における財産収入にもっと力を注ぐべきではないかと認識をいたします。
行政財産から普通財産に移行した施設の利用が進まない一因に旧所管課が引き続き管理をしている構造があります。
これでは問い合わせがあった時の返答以外は、利活用する知恵が出てこないのではないでしょうか。
例えば閉校になった学校は普通財産になっているわけですが、その管理は依然教育委員会が行っております。
ところが教育行政は多岐にわたるために、学校の跡利用と財産収入を伴う利活用には頭が回らないのではないかと思います。
普通財産に移管したすべての施設は、管理運営についての全権は管財課に移し、管財課がそれぞれの施設の利活用率を把握し、その利活用率を上げる施策に力を入れるべきではないでしょうか。
民間の創意と発案を頂きながら、有償無償の別はあるにせよ、もっと利活用を推進すべきと思いますがご所見をお聞かせ願います。
またコピー機のリースや消防設備の点検業務、警備体制はどのような契約となっているものでしょうか。
一元化によるスケールメリットはできているものでしょうか。
有る自治体を視察した時には、役所の所有する自動車は、すべて一元管理されて稼働率の向上とあわせて自動車保険や安全点検、さらには車検を有効に行っているとお聞きをしました。
盛岡市の所有する自動車の数、稼働率の高いクルマと低いクルマの状況はどうでしょうか。消防ポンプ自動車のような特殊使用するクルマは低めの利用率がよいということもあると思いますが、利用率の組み合わせで車の台数の調整が図られないかをお聞きするものです。
懸賞金付予算について伺います。
新潟県糸魚川市ではまぼろしの動物とされる「つちのこ」を生け捕りにすると 1億円の懸賞金を出すと表明して多くの人の関心を呼びました。
まさに一攫千金を狙った地域おこしが話題となっているそうです。
このような懸賞金付きの取組みは岡山県赤磐市でもあり懸賞金要綱を定め、所有権を市に移管していくことをさだめている自治体もあります。
ところで盛岡市民の切望する盛岡城跡の再建に繋がる図面や写真の再発見が待たれるところですが、有るのか無いのかも含め現在でも分かっていない現状です。
ところで今、仮に盛岡城の再建に繋がる図面が出て盛岡市に寄贈したいとなった場合に盛岡市側からどのような謝礼が期待できるものでしょうか?
私は何としても盛岡城を再建する道筋を立てたいと思うわけですが、文化庁のいう往時の建物の復元のカギである図面の提供者には懸賞金を支払うことを要綱に定めて国内外に宣言することはできないか、提案をするものです。
全国民の倉庫、世界中の博物館の倉庫の再点検を促し、またお城の研究家の更なる研鑽に対する経済的動機づけを掻き立てないと図面の提供にはならないと思います。
ここで盛岡市は声明を発表する時期に来ているものと思います。少なくとも 1億円は出してほしいところですが市長の御見解をお聞かせ願います。
町内会加入条例の制定についてお尋ねをいたします。
盛岡市では住民自治組織である町内会自治会(以下町内会)と市民協働のまちづくりを行っており行政では届かないような見守り活動や街灯管理、防犯・ゴミ集積所、協働による除雪事業などを行っており行政運営の推進には欠かせない組織となっております。
また、3.11 以降改めて防災・減災による自助・共助が叫ばれる中で顔の見える地域づくりが果たす役割ではまさに論を待たないものです。
さて、町内会は地域割で運営をされますが、個人主義傾向の中で、町内会に未加入であることを正当化したり、町内会の理解を得られない法人支店もあることが課題となっております。
全国の自治体では、町内会活動に理解をしていただくために転入者に対する加入促進のパンフレットを作成したり、町内会促進加入条例の制定に踏み切る自治体もあります。
特に、人口減少による見守り活動を行政や包括支援センターで行うだけでは限度があること、すでに住民自治組織との長年にわたる一括補助金交付や事業の委託、空き家調査の依頼や国勢調査活動など行政施策推進で全面的な依存関係にある現状の運営を見ると何らかの担保は必要ではないでしょうか。
行政施策では、条例を制定しあるいは計画を策定してその施策の推進をするのが当然ですが、市政の一翼を担う町内会活動については、担保となる条例の制定がなかったことがむしろ不十分ではないかと思います。
ところで現在町内会の加入率はどの程度と把握しているものか、その上で特に本社が市外にある会社の支店や単身者向けアパートにおける不動産管理会社の代理徴収の担保として条例の制定はあることが望ましいと考えます。
そこでお尋ねですが、これまで町内会加入条例の制定を検討したことがあるのかどうか、条例制定に至らない理由や国内法との整合性など法的課題はあるのかどうか、町内会未加入者に対し、盛岡市はどのような見解にたっているのか、をお尋ねいたします。
また町内会活動の担い手を確保することは厳しくなっている現状があります。
現状の町内会役員の平均年齢や平均在職年数をどのように把握されているものでしょうか?
民生委員などはいわゆる専業主婦を想定した制度設計があったと思いますが、共働き世代の圧倒的な増加や女性の社会参画、地域の自営業者の減少と職住分離の定着、住民意識の変化により地縁組織の運営は厳しいものがあります。
町内会活動の支援策についてどのようなことが上げられるかを含め今後の町内会と行政との関係についての御見解をお聞かせ願います。
ところで条例による地域活動への加入促進では、前例として盛岡市商店街の活性化に関する条例があります。
これは平成22年にできて 8年が経過しております。この条例の施行による商店街加入の効果はどうなのか、また商店街の行事への市外県外業者の協力度合いなどについて変化がありましたら総括を含めお聞かせ願います。
教育について
先日、県内の商業高校で学級が結束したことで全員出席を果たして卒業したというほほえましいニュースを拝見いたしました。
学級全員が出席をすることは信頼関係が必要でありそのような学校づくりをしている現場の教職員にも敬意を表するものです。
ところで、学校の卒業式に出席をすると皆勤の表彰をしていたと思いましたが、盛岡市内の児童生徒における皆勤の現状。つまり小学校六年間の無遅刻無欠席、中学校三年間の無遅刻無欠席そして義務教育課程の無遅刻無欠席者数についてはどのような現状でしょうか。
このような偉業を発揮した児童生徒そして保護者に最大限の賛辞を送ってほしく思いますが盛岡市内学校における皆勤の状況や近年の傾向、さらには学校便りなどに名前を掲載するなど努力を称えたらどうかと思いますが、どのようになっているものでしょうか。
入学式において皆勤を目指すことの意義と卒業式での表彰制度の周知、そして子ども達の身近な努力を称える姿勢をもっと打ちだしたらどうかと思いますがご見解をお聞かせ願います。
また、盛岡市以外の自治体の学校における皆勤は盛岡市内と比較してどのような傾向があるものでしょうか。
あわせて長期欠席者の現状も気になるところです。全国では 13万人を数えるとされておりますが、最新の現状はどうでしょうか。
また 30日以上欠席をしている長期欠席児童生徒における現状と課題についてお聞かせ願います。
(盛岡市議会 2018年 六月議会一般質問 終わり)
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