2018年 9月 7日
盛岡市議会 9月議会
一般質問
平成30年 7月に西日本一帯を襲った豪雨災害は、200人以上の死者がでる平成最悪の水害となりました。
2カ月をたった今なお避難されている住民がおり、大動脈である山陽本線も復旧できていないなど大きな爪痕を残しております。
あらためて災害はいつ何どきやってくるかわからない、ということと日常の備えの必要性を実感したものです。
岡山県倉敷市真備町の水害の場合、救助された人の内訳は 70代が 33%、ついで 50代が 21%、60代、80代が 12%で地域の人口の 1割の 2,350人が警察や消防、自衛隊、海上保安庁におる救助とされ公助の割合が非常に高い印象を持ちました。
背景には、地域としては江戸時代以降の水害の歴史は知っていたものの自身は備えていないという住民が 84%にものぼったという地元新聞社のアンケートで明らかになっております。
住民の知識と意識の差が今回の公助の高さとなったと思います。
つまり繰返し啓発と訓練が必要であるということを実感したものです。
7月の西日本豪雨災害は、直後に私たち盛岡市議会の常任委員会の行政視察の日と重なり、私も視察先の岡山市でみた報道による水害被害の状況下や品物不足、代行バスの運行状況を見るにつけ心を痛めたものです。
防災対策は「想定外」の無い様にということがうたわれていますので当局におかれましては想定外の答弁が無いようお願いいたします。
盛岡市の水害対策と防災マップについて伺います。
盛岡市は 8月に A4 判 66ページの防災マップを作成し各戸へ配布を行い風水害・土砂災害・地震災害・火山災害の想定区域を示したものです。
これまでの市内を3つにわけた洪水ハザードマップからより詳細で、全域が網羅され、アンダーパスも全て記載されており力作であると思います。
その上で、住民説明会はこれからという状況ですが、配布時期もそうですが、梅雨時期を越して台風シーズン真っただ中に行うということは危機管理上スピード感が足りないと感じましたが。
配布時期についてそして、住民説明会の時期の選定はどのように検討されたのか、特にも単年度主義で 4月からはじまり 3月で終了というサイクルの中で動き出すのが 7月頃からというようにも感じましたが、季節の変化に呼応することはできなかったものでしょうか。
内水被害についての被害想定は河南地区のみの公開ですが、盛南地区や都南地区のどうようの公表はいつになるものでしょうか。この情報は急ぐものですが、内水被害調査のこれら地域への公表はいつになるのか、見通しをお聞かせ願います。
洪水想定区域における避難の考え方について伺います。
自主防災隊の役割は情報伝達や避難所開設、要援護者の避難支援や行政と連携した被災後の活動です。
しかしながら、今回の西日本豪雨や東日本大震災などを経験して感じたのは、「自警団業務」つまり災害直後の窃盗犯に対する自主警備組織が地域の防災活動において大きな役割りではないかという点です。
前述の倉敷市真備町の場合、災害時に安全対策上制限区域を設けました。
制限区域への検問は、動員された地元所轄以外の警察官もあたっていたようで、規模の大きな災害となると地域事情に不得手な人員による防災体制の構築となります。
つまり外の人が知らない地域を警備するということとなり、窃盗犯の発見がおくれるのではないか、と容易に想定できるものです。
避難をするということは留守にするということと同義であることから留守宅を狙った空き巣被害を防ぐ自警団を自主防災隊の組織図に追加できないものか提案をするものです。
西日本豪雨の場合、水害で廃棄された自動車からナンバープレートをはずして地元民を装った貨物車(軽トラ)が出たという指摘もありました。
盛岡市では防犯カメラの導入のアンケートを町内会へ行っているようですが、移動式防犯カメラの確保とあわせて制限区域の検問所設置訓練、つまり防犯カメラ作動中という大きな看板や垂れ幕とワゴン車を置く、地元の顔のきくひとを配置するといった訓練、被災地を青パトのように回転灯をつけて巡回する要員の配置巡回訓練、座学による災害時発生した窃盗被害の傾向と対策の講座を頂き、いざ災害時は制限区域境の検問所に自主防災隊と公の部隊との混成による自主検問所と防犯カメラ設置を防災計画に位置付けてほしく思いますがいかがでしょうか。
もうひとつは、水害想定区域の住民はそもそもどこへ避難するのかの場所がわからない、ということです。水害想定時には、想定区域の外へ逃げるわけですが、この際に大きな混乱が想定されますがこの点について市の防災訓練の机上演習ではどのように総括されているでしょうか。
水害・火山災害・土砂崩れの危険区域とその危険性の低くかつ公共避難場所のある地区との姉妹町内会制度もしくは自主防災隊の住民同士の相互協定制度、また自主防災隊交流会や名簿の交換などを行い各地区別にどこへ避難するのか、また、仙北町であれば水害想定のない本宮や飯岡の公共施設を第2避難所とする避難想定区域外の避難場所を設けるべきと考えますがご見解をお聞かせ願います。
防災用ドローンを購入した盛岡市ですが、現在操縦できる資格者数、防災協定を結んでいる団体をあわせたドローン稼働能力数、今後の拡充予定、また、防災対応においてドローンの出動はこれまであったものでしょうか。
学校の防災訓練と地域の防災訓練との連携についてお尋ねをいたします。
職住分離の住宅が主流の今日では、地域に常にいる中学生の力は非常に期待されるものです。
盛岡市が 9月に行う防災訓練では地域によっては中学生の参加もあるようですが、組織的に動く中学生版地域防災隊は期待できるものです。
特にも高齢者の移動の介助に中学生の組織的な動きがあると助かりますし、避難所開設訓練での中学生の応援を加えることは出来ないでしょうか。
また、地域の自主防災隊への訓練へ中学生は参加を促進するなど避難する訓練から地域と一体となる自覚を持つ訓練についての御見解をお聞かせ願います。
また高校における防災訓練でも市内における公立・私立高校との防災協定の締結は可能でしょうか。生徒を安全なところへ避難させる防災訓練から、高齢者の避難支援へ避難参加する訓練に目を向けていただきたく思います。
首都圏直下型地震における疎開の場所としての盛岡市の役割についてお尋ねをします。
盛岡市は過去の災害発生件数が少なく安全であることされておりますが、この安全を売り物にして都市のブランド価値を上げることが出来ないか、考えております。
そのために被災者受入を積極的に行う都市、つまり疎開受入都市宣言を行ってはと思いますがどうでしょうか。
もちろん契機は、今後予定されている東京都文京区との友好都市協定や文京区との防災協定ですが、東日本大震災における避難民受入実績も加えて是非、生活拠点の提供を申し出る体制づくりを計画に定めていただきたく思います。
もちろん、事前に受け入れ可能戸数や稼働可能バス台数、それを動かす燃料確保、受入担当者数と疎開側の必要人員の派遣要請などを加味しておき、震災時に混乱なく行っていく毅然とした体制が必要と思います。
もちろん、この計画が実行に移されることは望まないものですが、住居や余裕ある空間と都市機能のある盛岡が全国にも安心・安全であるというイメージづくりは重要であると認識します。
もちろん、災害時は政府の要請があると思いますが、即呼応する体制がとれるかどうかという立場から計画づくりをしてほしく思います。
参考までに3.11東日本大震災で盛岡に避難され結果定住された住民はどの程度になっているものでしょうか。その被災者支援の今日の現状や内丸分庁舎の来年度以降の使用の継続の有無、避難された皆さんの現状の課題も併せてお聞かせ願います。
ダメ―ジコントロールについて伺います。
3.11 震災の津波被害で大槌町の町長が被災し死去される経験をしました。
改めて危機管理をしっかり行っていく必要があると思いますが、組織における体制について確認をします。
市長・副市長ともに出張やアルコールを伴う会食をしている機会もありますが、この時災害や国防上危機が迫った時の人員体制、つまり当番はどのようになっているものでしょうか。
市長・両副市長・総務部長・次長となるのと思いますが、上役が欠けた場合の陣頭指揮者は盛岡市の場合、序列第何位まで定めているものでしょうか。
またこれらは確実に盛岡市内におりアルコール摂取を自粛する当番制を採用しているものなのか、確認をしたく思います。
公費解体制度についてお尋ねをします。
公費解体制度は半壊以上の被害にあった家屋の解体費用を補助する制度です。
所有者の依頼に基づき、市と申請者、解体業者の3者で解体範囲の現地確認を行い自治体が所有者に代わって全半壊した家屋を撤去処分する制度です。
被災者の生活再建支援や生活環境の保全が狙いで費用は国と自治体が負担する仕組みです。
盛岡市としてこの制度の創設を行い、後追いにならない対応が期待されますが、制度設定についてお尋ねをします。
つづいて平成29年度決算についてお尋ねをいたします。
盛岡市の平成29年度決算が示され歳入総額が 1,108億 1,090万円に対し歳出総額が 1,093億 5,101万円で 14億 5,989万円が剰余金として次年度繰越、平成29年度は 10億 3,642万円の単年度では黒字決算とされました。
しかしながら平成28年度から平成29年度の繰越が 11億 261万円あったことから繰越金額でみると 6,618万円減り、実態とすれば赤字決算と会計管理者より報告を頂きました。
また経常収支比率も 94.9% に上昇。70~80% で余裕のある財政運営とされる経済指標からすると自由度のない財政運営という決算状況ではなかったかと感じます。
盛岡市の経常収支比率は平成29年度決算で 94.4% となり、平成24年度は 91.7% であったことを鑑みると非常に高くそろそろ上限値に来ているものと思います
また基金をみても平成28年度 139億 6,600万円の基金が、平成29年度末で 131億 5,600万円と 8億 1,000万円余減少しましたが、赤字でかつ財調が 13億円余減少したことは、どのような理由であったものでしょうか。
平成29年度の 2つの数字の変化は過去の決算とは趣がことなると考えますが、どのような予算執行や予算編成の考え方であったものでしょうか。
市長は今回の単年度で赤字決算でかつ財政調整基金が減額されたこと、経常収支比率が上昇したことの要因をお聞かせ願います。その際に平成年間における経常収支比率の変化と併せて盛岡市の目標とする経常収支比率は何 % なのでしょうか、
併せてお願いします。
市は過去行財政改革で予算を一律削減した時代がありました。
しかし、その後それらを元に戻すことなく一般財源で新たな事業やイベント、海外チームの招聘を行っているようにも見えますがどうでしょうか。
予算を減らされた事業は、物価の上昇や事業遂行の要求水準の基準の変化により、相対的に減額となる厳しい状況が続いております。
新規事業もさることながら、まず優先すべきは一律カットした事業の予算額を元に戻しかつ、物価スライド分の上乗せができないものか、ご見解をお聞かせ願います。
盛岡市の監査について代表監査委員にお尋ねをいたします。地方自治法 195条の規定により設置が義務付けられている監査委員は財務に関する事務、法令順守体制の監査等が行われ首長とは独立した立場であります。
監査委員は定例監査にくわえ、例月出納検査が行われ、毎年の決算議会において決算審査と基金運用状況審査を頂いているところです。
まず代表監査委員におたずねをします。
盛岡市の代表監査委員に御就任以降、盛岡市の監査においてどのような点について関心を寄せられ、力点を入れられたのか。
そして監査を行ってこられたものでしょうか。
特に、監査委員の年間計画で決められた時期に対象の監査を行っているわけですが、監査委員には任期があり人に蓄積されたノウハウの継承がどのようにされているものかを含め盛岡市における監査体制の特徴についてお尋ねをしたく思います。
また、事務局は市長部局との人事異動が想定されますが、将来の市長部局へ再移動の想定から監査に何かしらの遠慮は働かないものでしょうか。
決算については、特にこれからの自治体経営では単年度単位で出納簿を把握して法令順守の確認を行うことはもとより経年変化を追いながら 5年単位、あるいは 10年単位など各方面の数字の動きをとらえるということについて代表監査委員はどのようなご所見をお持ちでしょうか。
また監査委員と市民との意見交換の場の設置は可能かどうかも併せてお尋ねをいたします。
池田副市長の時代に、不正経理が発覚し、市長歳費の返還や関係者の処分、不正経理分を市職員が拠出して返還をするといったことがありました。 この時は市長部局からは「漂白」された書類があがってきた場合、その書類を監査する以上、不正経理は監査委員側では発見できない、とされてきました。 この不正経理以降監査委員の監査体制についてどのような改善が図られまた、歴代監査委員よりどのような引き継ぎがあるものかお知らせを頂きたく思います。
財政援助団体の監査についてお尋ねをいたします。
監査委員は盛岡市の財政援助団体のうちの一部を監査しているわけですが、年に何団体がその対象となるものでしょうか。
そのうち毎年実施される団体とそうではない団体、そうではない団体の場合何年に一度程度の周期で監査がされるものでしょうか。
特に毎年ではない団体の場合は、事務局体制にもよるでしょうが、かなり書類作成力に濃淡があると思われます。
監査を行った上でどのような改善指導があったものか、あるいは再提出を求めた事例、また監査によって経済援助が打ち切りになったという事例はあるものでしょうか。
また、匿名による情報提供、あるいは公益通報によりこれら団体の監査を急遽行うことはあるものでしょうか。
続いて教育について、キャリア教育についてお尋ねをします。
私は職業観や社会観を醸成するキャリア教育の推進についてこれまで議会で質疑を行ってまいりましたし、
また多くの議員の皆さんからもキャリア教育についての質疑を頂いているところです。
全国的に中学生が模擬会社をつくり特産品の販売や林業振興が報告されております。
福島県楢葉町では総合学習の一環として特産品を売る中学生の会社を設立があり東京で町のアンテナショップで販売をするようです。
以前質問をした際に、盛岡市内の中学生のアルバイトは無いといった回答を頂きました。
中学生のアルバイトは生活苦が根源にあった時代背景もあるでしょうが、むしろキャリア教育の一環として長期休暇における教育委員会推奨の有益アルバイトの斡旋や中学生の起業などは価値があると思います。
これまで職場訪問や保育士体験などが主でしたが地元経済界を巻き込み一歩踏み込んだキャリア教育ができないものか、中学生の起業体験を事業化することについてご見解をお聞かせ願います。
学校給食における未収金の現状についてお尋ねをします。
先日文部科学省は、新たに給食費の徴収・管理業務を一般会計として扱い教員の負担を減らすというガイドラインを示すと報道されました。
現在学校給食費は学校内で管理する私会計ですが、これを公会計へ移行するものです。
私は、給食費の債権管理については、負担の公平性からやむを得ないという立場です。
現在、盛岡市における学校給食費の未納はどうなのか。直近の決算における学校給食費の未収の現状について、未納ゼロの学校数とあわせて、未納の金額や期間、卒業後の扱いや不納欠損処理(時効・民事調停等)の現状をお示し願います。
またこの未収金の現状は経年でおっていった場合はどのような傾向をしめしているものでしょうか。
一般会計に移行した際の債権管理はどのような段階を踏むのでしょうか。また例えば市営住宅の家賃未納が民事調停の申立てとして議案として提出されておりますが、長期未納者における民事調停の申立てを含め、一般会計移管における債権回収の手法とその段階がどのようになるものかについてお知らせを願います。
さる 6月 18日に大阪府北部を震源とする地震により小学校プールのブロック塀が倒壊し幼い命が奪われるという大変痛ましい事故が発生をしました。亡くなった児童に衷心より御冥福をお祈り申し上げます。
ブロック塀の倒壊は、私は昭和53年に発生した宮城県沖地震での倒壊事故を思い出しましたが、その時の教訓が生かされていなかったのかと頭をよぎったのものです。
盛岡市は国土交通省や文部科学省から通達をうけブロック塀の緊急点検を実施し、そこ結果を公表、「危険」という告知をおこなっています。
まず、ブロック塀が調査の結果不適合とされた後、市長専決でただにち撤去しなかった理由はどこにあるのでしょうか。
つまり、構造上は危なくはないが、国土交通省通達では撤去の対象となったのものか、それとも予算措置の関係なのか、という点です。
確かに実際のところは 3.11 でも倒壊しなかったわけですが、それならそれで地元や市民に対し説明が不足しているのではないでしょうか。
市長専決で即撤去とまでは至らないのであれば、例えば「10月以降撤去予定」とか、危険の告知よりはより市民に施設管理者の姿勢が伝わる表現方法はとれなかったものでしょうか。このあたりの表現方法についてどのような見解なのかお聞かせ願います。
盛岡市が所管する公共施設や指導監督の立場にある保育園等の施設でのブロック塀の緊急点検の指示を行っているようですが、その全容と対策、撤去する時期のメド、また発生する費用はどのようになるものか、お尋ねをします。
(盛岡市議会 2018年 9月議会一般質問 終わり)
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