2019年 10月 11日
盛岡市議会 10月議会
一般質問
市政クラブの鈴木一夫です。
初めに、盛岡のまちづくりについてお尋ねをいたします。
盛岡市の街づくりの大きな要素である地価の動向は、バブル期を頂点として一貫して下落してまいりました。
全国的にはコンパクトシティの推進がうたわれる反面で、クルマ社会の浸透と郊外の大規模な土地供給で中心市街地の求心力は回復をしていないのが現状ではないでしょうか。
また、社会全体が人口減少社会であること、空き家率の高止まり傾向や集合住宅の空き室状況から積極的な不動産価格の上昇は起きにくい状況にあるものと認識をします。
地価の下落は、むしろ都心回帰の好機ととらえ施策や再開発を行う自治体もありますが盛岡市では地価下落傾向で都心回帰の動きは商業施設や集約施設で統計上あるいは売上は反映されているものでしょうか。
また、盛岡市の不動産価格の総額、時価総額はかつて2兆円をこえていましたが、現在はどのような現状でしょうか。
ところで、中心市街地の命運を握る新しい盛岡市役所の建設についてですが、早期に盛岡市側から構想をしめし中心街の衰退に歯止め策を打つべきと考えます。
つまり一般質問や委員会の場で小出しに情報が議会や市民に伝わるのではなく、市の基本構想や構想の前段の大きな基本線を早期に市民に示すこと、すなわち市民的な関心の喚起が必要です。
そして中心街全体の下支えを新しい市役所とともに推進していく対応が求められるものと認識をします。
中心街のありようについては岩手医大跡地20,000平方メートルの再利用や旧ななっく跡地利用に市民の関心がむいているところですが、対処療法的な視点ではなく、中心街の再生という盛岡市政の100年の計に見合った方向性を示すべきと考えます。
新しい盛岡市役所の建替のための基金は2030年代半ば、おおむね2035年には目標額に達成するとされておりますが逆算するとあと16年後です。
市長の任期は2023年までですので任期満了時でみると12年後となります。
市長は新しい市役所について構想や場所について公表する代の市長となると思いますが、新しい盛岡市役所の基本的な考え方は市長任期のいつの時期に公表される見込みなのか、また中心市街地を維持し関心を高めることとの兼ね合いも含め市長のお考えをお聞かせ願います。
私の街づくりの考え方は「交通まちづくり」です。
鉄道駅やバス停にまでたどり着けば沿線の公共施設や集客施設をめぐる中で生活ができるネットワークづくりです。
コンパクトプラスネットワークといういい方とも通じるわけですが、コンパクトプラスネットワークの構想では、新しい公共施設の建設までは求めないようですが公共施設あるいは医療機関や集客施設を駅勢圏に設定し、集客施設を駅勢圏立地に設定した場合の優遇策や誘導策を設定すべきと考えますがどうでしょうか。
公共交通の在り方についてお尋ねをいたします。
人手不足傾向により公共交通の運行にも支障をきたすようになりました。
全国的には運転手不足を理由として赤字路線からの撤退を表明するバス会社もありますが、市内運行で必要な運転手数に対し充足率はどのような状況なのでしょうか、現状をお聞かせ願います。
バス運行の本数減について、今後のバス運転手確保が出来ない場合どの路線で減便が行われるものか盛岡市に相談はあるものでしょうか。
JR 山田線については平成25年より夕方の列車の増便の社会実験が行われ上米内駅でのバス接続やファンクラブやワークショップ開催などの沿線住民の盛り上がりがありましたが、想定していた人員に至らず 3年弱の社会実験を経て元の列車本数になったところです。
道路整備の進まない沿線地区について道路のバイパス機能として鉄道にその分の輸送分担をして頂くということや、公共交通を盛岡市側から積極的に推進する立場から今度は積極的に予算を投じた上で、運行本数の増加は図られないものでしょうか、お尋ねをするものです。
特にも岩手医科大学の矢巾移転を含め盛岡駅を挟んで山田線側と東北本線側の行き来、つまり矢幅駅を起点としての増発であります。
矢幅駅から岩手飯岡・仙北町・盛岡、そして山田線沿線までの双方向の輸送力向上を果たしていく第2段の社会実験や交通軸の設定を提案いたします。
ここでは、工業団地を造成する向中野と岩手大学付近に新駅を設置し、大きな関心を呼びたいものです。
盛岡市民の移動は山田線内で完結するものではありませんし、乗り換え抵抗は大きいものです。
盛岡市南部と東部を結ぶ骨格路線になるような誘導策を図ることは出来ないものでしょうか。
また医大と県立中央病院を結ぶ医療路線にもなりえます。
にわとりが先か卵が先かの論争つまり、現状の輸送量がないから増発に至らない、という理由に対し、積極的に誘導をすることで増やしていく取組みを行うことが必要です。
仙北町や厨川の駅勢圏人口と上盛岡・山岸の駅勢圏人口を考えると利用したくでも出来ない列車本数や落ち葉や動物との衝突で列車が安易に運休をする信頼性が利用者の支持を得られないもう一つの要因ではないでしょうか。
宮古までの都市間輸送と域内輸送は区別をした形で山田線を巻き込んだ盛岡近郊区間の利便性向上について対策を講じてほしいのですがご見解をお聞かせ願います。
盛岡市の景観政策についてお尋ねをいたします。
日本での都市景観は美観地区・風致地区、あるいは伝建地区といった歴史的な地域における街並み保全以外でのいわゆる普通の住宅街の街並み形成については重視されておらず、景観政策の主眼が屋外広告物の制限にややかたよっていると感じてまいりました。
人口増加時代には住宅供給や社会資本整備などハード事業に主眼がおかれ、結果として既存住宅街は、統一感の無い街並みや乱立する広告看板、クモの巣のような電線で街並みを保全するような動きは無かったのか昭和から平成までの盛岡市の都市政策であったと感じております。
盛岡市内では北松園地区のように景観との調和を意識した住宅街もありますが、これら基盤整備やハード事業が市内全体に横展開をされることはなく、欧米との住宅街との比較では雲泥の差を生んでいると指摘をしてまいりました。
景観政策は、伸びしろのある分野であると認識しており、景観まちづくりを掲げ景観の醸成や・風景の保全、これからは土木工学から感性工学への移行、機能からデザイン性や潤いや生活の豊かさを実感できる街並みの創生、新築や改築をする際の景観を意識したデザイン性の重視を浸透させていく市民運動の醸成を図っていただきたいものです。
盛岡市の都市景観賞は建築物が主流であり街並み全体での受賞は数えるほどですが、都市景観賞を建築物と眺望や景観との調和の街並みや、電線地中化など地域一体での景観の配慮をおこなった事業と 2つの分野に区分することはできないものでしょうか。
また景観とは自分のすむ住居・不動産がそのまま参加することから、建築指導の段階での意識醸成の機会の提供や学校教育での機会の提供や教育旅行での他地区での研修、景観シンポジウムだけではなく、まちづくりをよくしていく NPO の醸成など官民をあげた運動をしていきたいものです。
ところで屋外広告物の適正な管理についてですが、現状の屋外広告物の管理状況や違法看板の撤去状況はどうでしょうか。
違法看板の撤去そのものについては、地域住民がおこなうものではなく、行政へ連絡をしてその行政が撤去する方式を採用しております。
自治体によっては研修を受けたものに委嘱する制度がありますが盛岡市でこのような制度を発足させて市民や景観の NPO と連携をして地域の美観の維持が図られないか提案をするものですがどうでしょうか。
鉈屋町地区の電線地中化の現状とあわせて伝建地区指定の見込みや進捗はどうなっているものかも併せてお聞かせ願います。
つづいて道路の管理についてお尋ねをいたします。
盛岡市内の各級道路は、昭和30~40年代であれば、砂利道で道路は穴ぼこだらけ、降雨時には水たまりとなり泥でクルマは土まみれが当たり前でした。
また除雪についてもかつては道路の雪かきはなかったことから雪の上を歩いており、これら道路状況や降雪時の道路状況は記録映像での偲ぶことができますが道路管理行政が如何に発展してきたのかを実感するものです。
舗装道路が浸透し砂利道であることが珍しくなった今日、今度は穴ぼこによる、道路管理上の瑕疵責任を伴った事故の弁済の時代となりました。
また、除雪もアスファルトが出なければ苦情の対象となるようですが、時代背景があるからかもしれませんが、昔に比べると贅沢になったものと感じております。
穴ぼこによる賠償つまり瑕疵責任はいつのころから専決処分を始めたのか、きっかけとなる判例や事例はどういうものだったのでしょうか。
市の道路管理上の瑕疵責任は、50 対 50 と聞いておりますが、市の負担割合はどの程度までみるものかご見解をお聞かせ願います。
近年で見た場合専決処分はどのような時期に多かった傾向があるものか、傾向についてお聞かせ願います。
札幌市では市が管理する大通公園敷地内で歩行者と自転車が接触し後遺障害をおった 50代女性が行政の管理責任体制が不十分であったとして民事調停に訴える事例もあり簡易裁判所が調停に乗り出す案計も発生しており、私も正直驚きました。
道路管理上の瑕疵責任が穴ぼこだけでなく、空間そのものによる事故までが瑕疵責任となれば業務がより困難になるものと感じますが、道路管理者として市長はこの事例をどのようにお感じでしょうか。
人口が減少しても、既存社会インフラ維持はその時の市民で維持管理をしていかなければなりません。
2040年の人口は 247,000人の予想ですが、これは昭和50年の盛岡市の状態となります。昭和50年の盛岡市はまだ盛南開発を着手しておらず、その盛南地区の新都心の道路の分の維持費がのしかかってまいります。
ちなみに昭和50年における市道の道路延長は何キロであったのか、今日の市道延長と比べるとどの程度路線長が伸びたものかでしょうか。
また、昭和50年における道路修繕予算は一般会計で何%であり、今日の道路管理費の割合と比較しどのような状況かをお聞かせ願います。
開発行為による市道の認定は今後もつづくことが想定されますが、これは将来の政策的経費を圧縮する要因にも繋がるものと認識をいたします。
公共施設については、将来的に減少させていくという流れですが、社会基盤側つまり道路側は開発行為により認定を今後も受け付けると以前の私の質疑で回答されております。
請け負っていく姿勢をつづけていきながら維持管理の見通しは果たして大丈夫でしょうか。
舗装道路から砂利道へ戻していくことはない旨の回答を以前頂きましたが、改めて盛岡市道の将来の維持管理の見通しはどうなっているものでしょうか。
現状でも融雪装置が再稼働できないままの道路やかなりボロボロになってからの補修など要因や財源が追い付いていないことは明白ではないでしょうか。
ここで私は、道路管理や狭隘道路改良を市の戦略プロジェクトに位置付け、枠配分の予算査定を脱し、道路の 2次改良を徹底的にすすめる集中投資期間の設定や狭隘道路改善など推進すべきと考えます。
各町内会に道路改良のアンケートをとって、生活道路を一斉にかつ徹底して改善する官民をあげたプロジェクトを立ち上げではどうかと思いますが、市長のご見解をお聞かせ願います。
し尿処理について伺います。
今後の在り方についてお尋ねをいたします。
盛岡市は「県央ブロックごみ・し尿処理広域化基本構想」に基づき県央ブロックごみ処理広域化の推進について、新焼却場の整備候補地として盛岡インターチェンジに隣接する上厨川地内を候補地として、私たち議員への説明のほか地域住民や周辺住民に対する住民説明会や先進地視察を行っているものと認識をしております。
平成11年 3月策定の岩手県ごみ処理広域化計画に基づき効率化や人口減少社会など社会環境の変化に対応できる広域処理を行うため盛岡広域8市町共同で処理をすすめるとしており平成27年 1月に「県央ブロック・し尿処理広域化基本方針」を策定し平成29年には 4か所の整備候補地がそして平成31年 3月には、盛岡インターチェンジ最も有力な候補地として地域との協議を優先するとされたものです。
ところで、この整備候補地選定の進捗をみていますと、「ごみ・し尿処理」から「ごみ処理焼却場候補地」の議論が先行しているように見えます。
ここで確認ですが、ごみ処理の新焼却場の整備と、し尿処理の整備候補地は同一敷地で同時期に一体で整備することでよろしいものか、もしくは、ごみ処理場だけが先行し、し尿処理場は別な場所の選定や時間差による着工・稼働があるものか、また、既存処理施設の延命化・改修等で対応することの選択肢はあるものかどうか、お尋ねをいたします。
私は同一敷地で同時開業という見方ですが、どうでしょうか。
住民には候補地選定と併せて、地域振興策としての熱源の確保やまちづくりへの還元策・新駅設置や新たな道路整備等の期待があるものですが、し尿処理や浄化槽汚泥処理の分野で、住民・行政と先進地視察をおこなったのか、行う予定があるのかを含め住民説明会の際にどの説明をされているものでしょうか確認のためお知らせ願います。
ところでし尿処理および浄化槽汚泥処理における盛岡市の現状ですが、人口減少や公共下水道の普及などによりこれら処理状況は市域全体で減少をしております。
平成26年の地点では 31,026キロリットルあったこれら処理が平成30年で見ると 27,047キロリットルこの 5年で 13%の減少なっております。
平成28年の台風10号災害での広域処理の対応の経験から災害対応の余力は残しておく必要があるとは思いますが、し尿・浄化槽汚泥の処理は今後も減少傾向が示されております。
2040年将来人口 24万 7,000人と見越した場合、16%減少と見た場合、年間処理は23,260キロリットルとなります。
ところで盛岡広域 8市町の現在のし尿・浄化槽汚泥処理量はどうなのか、あわせて2040年の広域の人口でみた場合の処理量はどうなるものでしょうか。
し尿処理については、災害対応等で何%の処理余力を作るのかを含めどの程度の規模の新施設が必要と試算されているのか、面積や着工金額をお知らせ願います。
この面積は上厨川の候補地にゴミ処理場と併せて整備可能な面積であるのでしょうか。
あわせて2040年時点で見た場合、仮に既存の処理施設で見た場合に広域全体から出されるし尿浄化槽汚泥で既存し尿処理施設の処理力で対応可能なものかどうか、お尋ねをいたします。
現在の玉山地区のし尿浄化槽汚泥については、広域化とは別に、当座の行政事務集約化の観点で盛岡地区衛生処理組合へ処理を移行したらどうかと提案をしますが、どのようなご見解でしょうか。
お尋ねをいたします。
つづいて盛岡市の決算についてお尋ねをいたします。
民間会社の経営では、予算編成よりも結果責任、つまり決算こそ重要でありこれこそが経営陣の評価ですが、行政運営では予算編成が重要であるという認識がこれまでは当たり前でした。
盛岡市では平成21年度に行政運営から自治体経営へ転換を図ると表明して早10年が経ちました。
市政運営を切り盛りし執行する企画側と予算ありきの財政側において、財政の削減の締め付けの中で、職員のやる気や企画力の低下、発想の硬直化が生まれてこなかったのか懸念しておりますが、谷藤市政下の自治体経営はどのような決算(評価)なのかまた、職員の人材育成という観点ではどうだったのか、ご見解をお聞かせ願います。
官庁会計は単式簿記の記載方式で、歳入と歳出の記載が示され未執行予算つまり予算現額と決算額の差額を 12月議会で基金へ積み立てをする方式を採用しております。
盛岡市が策定した公共施設の保有の最適化・長寿命化長期計画などで今後の財政不足見通しが金額で示されています。
盛岡市では具体的は公共施設の減量の数値目標は掲げないということですが、財源不足だけが喧伝さて将来の財政不足の確定額=つまり計画的な積み増し目標額が設定できない状況が課題とこれまでも指摘してまいりました。
民間企業でいうところの経年劣化相当分の試算と毎年の計画額を積み増ししていくという計画性についてはどのような認識なのでしょうか。
予算と決算の執行率の差額を基金へ積み増ししていく手法から予算編成の段階から積み増しを図る施策ができないものか、お尋ねをします。
最後に代表監査委員にお尋ねをいたします。
代表監査委員の就任以降、定期監査や決算における監査意見書の提出、また例月出納検査における各種指摘事項や基金運用状況の監査等において、監査委員としての指摘をおこなっておりますが、今期決算において、これまでの指摘事項がどのように市政運営に反映され、また改善されたものと実感されているものか、また未達成であったとお感じなのか率直にお聞かせを願います。
地方公共団体の運営は単年度の現金主義・発生主義によるものですが、現在東京都などが採用している新公会計制度についての所感と盛岡市への導入の是非について、またこの制度に対応した監査体制での監査についてはどのようなご所見をお持ちでしょうか、お尋ねをいたします。
(盛岡市議会 2019年 10月議会一般質問 終わり)
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