2020年 12月 10日
盛岡市議会
令和2年12月定例会
一般質問

市政クラブ 鈴木一夫

 はじめに高齢化福祉について、介護保険制度についてお尋ねをいたします。
 平成12年(2000年)から始まった介護保険制度は、3年おきに見直しを図りながら今日まで運用されております。 令和3年からの3年間は第8期の計画期間として、その素案が先の市議会全員協議会に提出されたところです。
 第8期介護保険事業計画の目標は、「住み慣れた地域で自分らしく暮らすことができる長寿社会の実現」としております。
 今後の盛岡市の人口動態の見通しは、高齢化率は令和7年(2025年)に 30% の大台を突破するとされ高齢者の増加に対し、支える側である第2号被保険者数いわゆる生産年齢人口の割合が 60%(令和2年)であるものが、令和22年(2040年)には 53% に下がる見込みであり、支える側の負担が増すことが見込まれているところです。 この制度設計の根幹は、持続可能な運営であるわけですが、第1号被保険者数とその要介護者の割合が増加すれば、標準保険料月額に跳ね返ることが制度上の構造なのがこの保険制度の特徴です。
 現在施行中の第7期介護保険事業の総括は、包括支援センターを市内9か所から11か所へ拡充したほか、生活支援コーディネーター兼認知症地域支援推進員を配置して地域包括支援センター機能を強化したほか、職能団体との意見交換や盛岡広域成年後見センターの設置、シルバーリハビリ体操指導者の養成を図っておりますが、一方で高齢者施設の整備については、計画を下回る状況であったとされております。
 市長は、第7期介護保険事業を振り返り及第点をどのようにみておられるか、あわせて第7期で施設整備が計画値を下回ったことについてどのような要因があったと分析をされているものでしょうかご所見をお聞かせ願います。

 介護保険料は第6期・第7期と据え置きましたが、第8期の標準月額は 6,588円に改定される見込みですが、これは20年前の第1期の標準月額 3,031円と比較すると 2.2倍の保険料です。 第2号被保険者の平均所得はこの20年間はむしろ抑制傾向でかつコロナ禍の経済情勢です。 計算式に当てはめた数値だけで保険料を算定するだけでは、工夫が足りないのではないでしょうか。
 また、ここに政策誘導をする余地があるものと思います。
 また、健康寿命増進や人生100年時代といわれる中で、介護や医療に頼らなくてもよい健康寿命増進について明快に示しながら、介護給付費の抑制を図る数値目標は定められないものでしょうか。
 医療や介護にたよらない健康な高齢者に対しの得点としての一時金支給制度については、以前提案した際に、「受診抑制になり問題がある」といった回答を頂きました。
 しかし、受診抑制にならないように定期健康診断や介護ヨガ教室など必須行事の参加等を抱き合わせで行っておけば、受診抑制は回避できると思います。 健康寿命増進による財政効果の試算をする自治体があります(福岡県など)が、盛岡市としても是非財政効果を試算し、健康維持を投資と見立てた事業への展開や健康な高齢者への特典付与の推進を図っていただきたいのですがご見解をお願います。 ちなみに、第1号被保険者(前期・後期)にあって介護や医療に頼らない方は何名(何%)いるものか把握されているものでしょうか。

 介護施設の不足については、施設整備量を 377人分と試算をされました。 これは入所申込数から緊急待機者数の推移から計算された数字ですが介護待機者全体数から見ると施設数整備は足りないと思われますがどうでしょうか。 介護施設待機者全体を充足する必要はないとはどのような判断なのでしょうか。
 この 377人で見た場合の施設整備の総費用はいくらと見込まれるのか。また、介護職員や医療関係者・給食等関連職員は何名の増員が見込まれるものでしょうか。
 施設整備をしても介護人材の確保ができなければ、事業者や利用者に負担が出てまいります。 ところが、市内介護福祉士養成施設は、高齢化率の上昇や高齢者施設の整備とはむしろ逆行する形で定員を充足できずにおります。 理由は、学生を募集しても学生が集まらないからという理由です。
 卒業見込み者 1人につき 100施設来るということもあるそうで就職先には全く困らないという現状であるにもかかわらず、不人気学科となっている残念な現状があります。
 この流れに追い打ちをかけるように市内専門学校では介護福祉科養成課程で近年2校募集停止を行いました(大原学園盛岡社会福祉)。
 また、介護施設の経営者からお聞きするとコロナ禍で余剰となった労働力が介護施設へ向かうと踏んでいたが、実際はそのようには成らなかったとのご所見を頂きました。
 岩手労働局が10月発表の介護業界の有効求人倍率では 2.45倍であり全体の 0.98倍と比較しても高止まりの現状がつづいています。
 介護離職はこれまでも大きな問題とされております。 介護業種の有資格者が介護職に就かないという課題がありますが、要因として挙げられる処遇改善を含め第8期以降ではどのように人材の定着を進めるつもりでしょうか。
 また将来推計としてみた場合ですが、市における令和7年(2025年)における介護人材不足と何人と見込むのか、また、これらを踏まえ計画的な人材確保策とその充足策、人材の定着率向上についてどのように組み立てていくつもりなのか具体的な方向についてお示しください。

 在宅での介護ですが、訪問介護事業者の撤退がつづいております。
 これらを含め要因をどのように分析されているものでしょうか。 訪問介護職員の資格要件や職員確保の課題があるとお聞きしますが、今後の在宅介護の課題をどのように見ているのかお聞かせ願います。
 独居老人対応についてですが、盛岡市の人口動態は、世帯数は増加し、世帯あたりの数が減少する傾向にありますが、今後高齢者世帯・高齢単身世帯はどのようになるものと見込まれるものでしょうか。
 盛岡市では今年度より住民支え合い型訪問サービス事業を行うこととしておりますが、参入できるのは、無償で活動する奉仕団体となっています。
 この善意を前提とした制度設計は、第8期計画では実施団体数見込みも微増であり事業拡大の意欲を感じません。 広がりを計画段階から打ち出せないのは残念です。
 高齢者世帯・高齢者単身の増加に対し、地域の助け合いの意欲を喚起する施策は必要ではないでしょうか。 もっと危機感を持って対応をすべきと考えます。
 国の交付金の範囲内で事業を行おうとする姿勢からの見直しを図ることはできませんか。 市の持ち出しゼロ予算の発想では現場のしわ寄せが強まります。 市の支援とあわせて民間営利事業者の参入や人件費を盛り込むことなど制度設計を再点検できないでしょうか。
 地域の皆さんが地域で月 50,000円程度小遣いを稼げる公益事業の推進が図られないか、改めてお尋ねをいたします。

 防災対策についてお尋ねします。
 政府は11月14日、自力避難が困難な高齢者や障がい者ら「災害弱者」の逃げ遅れが後を絶たないことを受け、来年の通常国会で災害対策基本法を改正する方針を固めたと報道されました。 一人一人の避難方法を事前に決めておく個別計画を同法に基づく法定計画へ格上げするとともに、市区町村の努力義務とする「作成に努めなければならない」などの規定を追加する方向とされています。 低調な作成率の向上を促すため、法改正に加えて福祉関係者との連携も進めるとしております。
 支援が必要な住民ごとに作成し、避難ルートや避難場所、手助けする支援者の氏名などを明記する方向です。 昨年6月時点で対象者全員の計画を作成した市区町村では全体の 12% とされております。
 法定計画格上げを見据えた第8期計画への反映や市の体制の再点検が必要ではないでしょうか。
 高齢者の自力での移動を加味して、遠くの公設避難場所以外に空白を埋めるようにした公営住宅や集合住宅、大規模小売店等を避難場所とする指針をつくり、不動産業界や施設管理者へ伝達するなど、市主導のこまめな対応はできないものでしょうか。
 また、避難所のうち洪水想定区域では最大水位を予め校舎に記載をしておき、普段より意識化をするよう徹底すべきと考えます。 東京都足立区の公立学校では最大想定区域を校舎に掲示し、児童生徒・住民に普段から注意喚起をしております。
 盛岡市でも足立区の取り組みを是非取り入れしてほしいのですが、ご所見をお聞かせ願います。

令和3年度予算編成についてお尋ねをいたします。
 令和2年はある意味、コロナ禍に覆われた時代であったと思います。 その状況下、個人市民税や法人市民税、固定資産税や軽自動車税・市たばこ税ほかの落ち込みや経済の冷え込みから来る景気の縮小は令和3年度に大きな影響を及ぼすものと危惧されます。
 令和3年度予算において歳入不足をいくらと各税目・科目ごとに試算しているものでしょうか。 減収をどのように補填する見込みなのかも併せてお示し下さい。
 また、各交付金や使用料収入についても利用が見込めない中で指定管理料の積算は大きく変わる見込みだと思われます。 これらについてはどうでしょうか。
 予算編成方針ですが歳入見込みから来る歳出抑制をどの程度断行するのか、もしくは財政再建路線の一時凍結など大きな方針転換はあるのかどうか、職員人件費の見直しや会計年度任用職員の来年度の任用抑制はあるものでしょうか。
 また、予算の一律カットの手法の復活や財政調整基金の投入や他の基金の積増しの一時凍結の有無、事業の一時凍結、イベント中止を見込んだ予算編成はあるのか、これらを含め市長のご所見をお聞かせ願います。
 また、年度内完成される予定の土木工事あるいは建築工事、上下水道事業においては、予定通りに行く事業と年度内完成の見通しが立たない事業の見込みはどうでしょうか、その要因もあわせてお尋ねをいたします。
 この時代にあって次の時代を作る投資には積極的な展開を期待したく思います。
 例えば12月5日に国道106号線の新区界トンネルが開通しました。 直轄権限代行により国による整備をしてきたところです。
 この道路は東北自動車道へのアクセスの目的がありますが、国道4号線の三本柳交差点が平面交差で交通処理の問題がでてきます。 是非この交差点の立体交差化について推進をしてほしいのですがどうでしょうか。
 また、10月と11月に説明会を行った市道津志田白沢線ですが、矢巾町境までの第工区が着手されることとなりました。 全線開通の見通しが立ったことは喜ばしいことですが、しかし、現在の予算の付き方では、全線開通まで10数年かかるとされております。 これでは医療機関である岩手医大の搬送には問題があるのではないでしょうか。
 事業の効果を高めるものはむしろ早期完成を望みますがご所見をお聞かせ願います。

 今回中ノ橋1丁目地区第1種市街地再開発事業については市内事業者による市街地再開発組合が設立されました。
 このような民間主導による中心市街地の再生の取り組みは、是非推進すべきです。 昭和56年に建築基準法施行令が改正され新耐震基準となりましたがそれ以前に建築された建築物のうち小規模の建物ではその多くが耐震診断やその結果に基づく補強工事は行っていないのではないかと思われます。
 盛岡市内には旧耐震基準で耐震診断を終えていない建物数(特定既存耐震不適格建築物の要件階数 3 以上かつ 1,000m2 以上など)の実態は把握しているものでしょうか。
 これら老朽化した施設は耐震性に加えて、賃貸利用者の時代の要請(エレベーターの設置やトイレの高機能化、バリアフリー化未対応)、また駐車場の配置など見劣りをするわけですが、この点からも市街地再開発事業により近隣地権者と一体となった再開発事業を進めていくべきと考えます。
 特に今後放出される公共用地の再生事業では、単に敷地内での再生だけではなく、周辺底地所有者との連携で隣接地の一体的な再生事業を行うことを市の主要事業にできないものでしょうか。 加えて申し上げるならば、内丸官庁街一団地の再生にこの手法を取り入れ、官庁街の再生に周辺民間地権者を巻き込みながら用地の確保を図り公共と民間資本の合体で官庁街の再生はできないものか、ご見解をお聞かせ願います。

 つづいて、市内経済の情勢についてお尋ねをします。
 新型コロナウィルス感染症とその対応で経済は大きな混迷をしているのが現状です。
 特にも11月に入り盛岡市では相次いで感染者が増加しました。 飲食業での集団発生や医療従事者の感染と患者への感染拡大、市職員の感染や小学校の休校措置、高齢者施設での感染拡大などこれまで岩手は感染者が少ないという思い込みが一気に吹き飛ぶような様相となってしまいました。
 もちろん、全国的な拡大の先行事例があったこと、盛岡市保健所や医療機関等の備えとその対応をしているところですが、今後も予断を許さないところだと認識をしております。
 また、市内経済で特にも年末商戦や飲食による忘年会や新年会などは厳しい現状が見えております。 市内の個人消費動向はどのようになっているものでしょうか。
 このような状況下であっても株価は、政府の積極的な下支えから高値にあります。
 株価はたしかに経済活動の指標の一つでありますが、盛岡市の経済の実態を示す指標とまではいえず、日々刻々と民間事業者から聞かされる声が本当の経済の実態であると危機感をもっております。
 通信販売や医薬品メーカー、オンライン会議システムなどいわゆる引きこもり需要を支える業種では収益を伸ばす一方で運輸や飲食、宿泊・観光、製造、印刷、広告、イベント、小売業などで GO TO キャンペーンで個人消費喚起を図っていますが、なお厳しい決算状況となることが見込まれます。
 盛岡市は第3次産業の割合が 9割近いサービス産業の都市ですが、経済に与える影響はコロナ禍がはじまった 2月以降どのようになっているものか試算されているものでしょうか。
 盛岡市の総生産額の 3割は公的需要とされておりますが、公的需要の現状と民間需要の現状をそれぞれお示し頂きたく思います。
 新規住宅着工件数、設備投資、企業誘致、製造品出荷額、有効求人倍率や完全失業率、倒産件数、金融機関貸出残高・融資件数、持続化給付金など公的補助制度の活用状況、中心市街地の1階の路面店の空き店舗数の推移、不動産取引価格、人口の社会増減率の推移と首都圏との関係から見える移住者の状況など盛岡市が定点観測をしている指標での景気情勢や社会情勢の分析と市の対応策についてお示し頂きたく思います。

 つづいて教育についてお尋ねをします。
 新型コロナウィルス感染症の猛威から令和2年(2020年)2月以降急速に社会的に距離をとる習慣が浸透しました。
 政府による 2月末より春休みに入る要請からはじまり、3月の卒業式や 4月の入学式の関係者を限定した形での実施の影響、授業時間数の確保、あるいは代替授業の導入による弊害、教育振興運動の縮小あるいは中断、修学旅行の延期や中止、学校行事の中止、地域参画の機会の見直しなどコロナ禍における教育体制の方針はどのように変更されたものでしょうか。
 コロナ禍で様々な行事や授業の見直しはやむを得ないものと思われます。 来年2月末には体制の変化から丸一年になろうとしますが、全体としてどのような状況でしょうか。
 特にも学力の現状はどうでしょうか。
 現場では児童生徒の学力については、顕著な変化をどのように感じ取っておられるものでしょうか。 また生徒との時間の確保ができたことなど良かったこともあるとも聞きましたが実際はどうなのか、また、体力面においては競技力や肥満の傾向、大会開催の有無からくる選手選抜での不公平感は無かったのか等適正な運営はできたものか、体育系における学校外活動への移行してしまった実態はどうでしょうか。
 気になるのは PCR 検査を受けた児童生徒保護者の人権は守られているかどうかでありますが、これら学校現場におけるこの1年の変化について教育長の率直なご所見をお聞かせ願います。

 盛岡市内の児童生徒の数は平成元年には 27,542人でしたが、令和2年では 20,940人と 2万 1千人台を割り込み 2万人の大台を割り込むのも時間の問題というところに来たところです。
 気になるのが今後の児童生徒数の動向ですが、令和3年度の児童生徒数はどのように見込まれるのでしょうか。 特にも、2万人を割り込む時期はいつ頃来ると想定されるものでしょうか。 また現在と比較し令和3年度は学級数ではどのような変化なのか、盛岡市教育委員会が学校存続の基準とする学級数を持たない学校は、3年度何学年何学級学年増加すると見込まれるのでしょうか。
 最後に小学校や中学校の統廃合ですが、現在保護者地域と継続して検討している学校とこの 1~2年以内に動きはあるのかどうか確認いたします。

(盛岡市議会 令和2年 12月定例会一般質問 終わり)

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鈴木一夫後援会事務所 © 2020年12月12日
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