2021年 9月 8日
盛岡市議会
令和3年 9月定例会
一般質問
市政クラブの鈴木一夫です。
初めに令和2年度決算についてお伺いいたします。
新型インフルエンザ等対策特措法に基づき政府は令和3年5月23日より沖縄県で4回目の緊急事態宣言を発令したのをかわきりに、その対象地域は7月12日より東京都、8月2日からは神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、8月20日より茨城県など7府県、8月27日にはお隣宮城県など8道県に拡大されました。
緊急事態宣言を発することで感染症を抑制し、地域の医療崩壊を防ぐという緊急事態宣言は、達成され解除されるとぶり返すことの連続となっています。
これまでの3度の宣言では、いずれも患者数は減少できたものの、今までの宣言で国民に「慣れ」が生じたことや、ワクチン接種が進むことで収束に向かうという期待感があったこと、新たな変異株の登場、感染経路の不明者の増大、7月に開催された東京五輪開催による空気感のゆるみや、夏休み中の移動が加わり、いまだ収束するメドが立っていないという状況です。
また、危惧していた経済への影響ですが法人税は令和元年より1兆円多い決算が政府から発表されました。
これは本来執行されるべき企業活動が停滞したことによる資金への課税という見方もあり経済活動の減退期での税収増にむしろ危惧の声もだされています。
岩手県は、8月12日より岩手県独自の緊急事態宣言が出したことに加え、8月30日からは盛岡市全域は午後8時までの営業という強い措置も発出されている現状ですが、県内市内の陽性患者数は高止まりという状況がつづいております。
今回の決算は、コロナ禍での影響がはっきり出る決算であることから、私は本市の数字の動向について危惧してまいりました。
特に、歳入の増減はもちろんですが、予算未執行率や未収金の動向、黒字計上された市立病院経営など経済や経営に関する指標については、より深い分析が必要と感じております。
一方人口減少と高齢化は進行している現状はかわらずという状況はそのままとなっています。
政府による財政支出が一定歯止めとなり底を支えているものの、ちょっとした動きから瓦解しなかねないツマ先立ちの状況ではないでしょうか。
市長は今回の決算の提出をするにあたり、例年と比較し突出した予算の項目が見られますが、どのような数字の動きを危惧しているでしょうか。
特にも市民生活への影響やコロナウィルス感染症が無ければ執行できた行事や街づくりなどの行事について、率直なご所見をお聞かせ願います。
緊急事態の中ですから、予算執行の弾力化について盛岡市としての要綱や緊急時の際の基準をつくり、予算執行の弾力化を図ることはできないものでしょうか。
行政運営は、一般に判断に迷った場合は「守りの姿勢」を選択するわけですが、これでは、現場のニーズの移り変わりなどへ対応する自由度を高めての予算執行はできません。
普段抑制されてきた修繕や備品購入あるいは職員研修や資格習得を促し、上へ延びることができないときは根本から下の幹を太くし、次の時代に備えるという予算執行の弾力化が必要であると認識します。
予算執行の弾力化策を盛岡市は持つべきと考えますがどうでしょうか。
予算未執行分は、財政調整基金として戻して基金が積みあってしまう平時の市政運営ではなく、危機感を市民や議会と共有し、市民生活を支える事業や人材育成への投資を図ってほしく思います。
この際の判断材料となるのは、過去配分されていた予算の傾向をみることができる、長期にわたる決算の数字です。
5年10年20年単位の決算つまり全体の流れを把握する視点を組み込み、人事異動があっても容易に予算の変遷史がわかるようにすることが自治体経営にとって必要な指標と考えますがどうでしょうか。
今回の決算で見た場合、財産収入や未利用市有地の貸付事業の進捗はどうでしょうか。
所有あるいは出資をする不動産や事業体にあっては損益分岐点を超える稼働率を維持することは必要と思います。
縦割りを排し、未利用財産の活用と稼働率の向上による固定費比率の軽減は、急務ですが現状の執行体制はどうでしょうか。
各担当課の縦割りや行政財産が普通財産になった後も旧所属部が引き続き所管をする方式から転換を図り、一元管理をする部署の新設が待たれますが、実施主体の発足はいつされるものでしょうか。
予算組みをしたものの2年連続休止とした事業の再開には大きな労力が必要です。 イベントでは、イベント再開の労力を鑑み、これまでの実績をもとにした予算ではなく、未執行予算の合計額は貯金と捉え復活倍返し予算を組む必要があると認識をしますが、2年連続の未執行事業はその分を考慮した予算編成を思い切って組むべきと考えます。 いかがでしょうか。
つづいて代表監査委員に令和2年度決算における監査について伺いいたします。
令和2年度決算を迎えるにあたりどの点を重視されたのか、特にも代表監査委員が就任後これまで指摘をしてきた事項についてどのように改善をされた実感を含めたご所見をお聞かせいただきたく思います。
特にも特定部署の残業の現状、職員倫理規程、予算消化率とその効果、近年継続して変更された最低賃金法の改定と盛岡市の委託先の給与水準、一人の会計担当者で行われている団体への監査について、ほか、意識をして監査をした点があればお聞かせを頂きたく思います。
先の9月定例会初日、会計管理者は、その概要説明で、現金等の出納管理を正しく記録監理するとともに、歳出については法令、契約又は予算議決の趣旨に十分適合することを旨として執行していると報告されました。
ところで、先に生活保護費の詐欺事件が大きな問題として取り上げられ業務の適正な執行について、適正な市政の執行に大きな疑問符がついたところです。
代表監査委員は先の生活保護費の不正受給案件についてはどのように把握されまた、監査の際に指摘をしていたのでしょうか。
市政へ特定要求あるいは、度を越えたいわゆる不当要求行為でありますが、この不正受給案件は数年にわたり継続してされてきた案件であり、もっと早い段階での摘発や法的措置ができなかったのか疑問が残るからであります。
この案件について代表監査委員はどう認識をされているものか、保健福祉部の監査の際に、どのように監査されたのか、今一度ご見解をお聞かせ願います。
防災まちづくりについて伺います。
今年梅雨時期には、線状降水帯の発生した九州地方では、この数年、連続して水害の惨状が発生しました。
また衝撃的だったのは静岡県熱海市の盛り土の大規模崩落事故であり、今なお行方不明者がいるという惨状です。
豪雨災害は、温暖化で更に進行する見通しから、河川の町である盛岡市では特に警戒するべき自然災害であるものと認識をしております。
その中で、河川水害で、水量が増しその水圧で排水できない逆流・越水はもっとも警戒をするべき災害です。
盛岡市では内水ハザードマップを作成しておりますが、近年続く豪雨にあって再検討はされているものでしょうか。
まだ配布されていない市中心部以外の地域の想定とその想定図の配布時期についてご所見をお聞かせ願います。
住民の避難路の確保に加え避難手段の確保はとても関心の高い分野です。
早めの避難を呼びかけるまでは良いのですが、高齢者や弱者をどのような移動手段で移動させるのかは、触れられていないのが現状ではないでしょうか。
そこで提案ですが、高齢者等避難準備情報の発令とともに住民の足の確保として市の保有する自動車の招集をかける。
あるいは、タクシーの貸切徴用、など移動する車両のメドと出発地点の周知、とその目に見える待機などをお願いしたく思います。
徒歩圏にある近くの避難所まで行けば、離れた安全とされる避難所までの移動手段がある。
また、自宅から避難所まで避難所から安全な避難場所までの再移動について、送迎があれば移動手段を持たない市民は避難しやすいと思います。
高齢者が雨風の中、数キロも徒歩で移動するのは困難ですが、最寄りの第一次避難所まで避難した方をより安全な避難所へ再移動させることは可能ではないでしょうか。
市は、現在住民の広域避難の場合においては住民の輸送力をどの程度手配できるものでしょうか。
実際移動手段を持たない方に対し、避難させる図上訓練は行っているものでしょうか。
ぜひ、避難所から安全な避難所までの移動手段の確保とその周知、避難所に待機を連絡があれば送迎できる体制づくりを検討してほしいのですがご所見をお聞かせ願います。
防災自主公民館制度について伺います。
自主防災隊の発足に伴い各防災隊には、機材の提供がされるところですが、自主防災隊の結成率に注目をするところから次の段階の環境整備を行うべきではないか、という点で質問をいたします。
防災公民館制度もしくは防災避難所環境整備事業の導入についてです。
具体的には「無料 Wi-Fi、洋式便座、災害本部とのホットライン、映像で情報収集できる受信機の設置、一定数の毛布や水、食料、携帯電話発電機と携帯電話用充電コード(B、C タイプ)、車いす、段差部分の手すりの設置もしくはスロープ設置事業、ハザードマップの屋外掲示等」を標準装備とし、この認定と支援を行う事業です。
防災拠点は主に公共施設を指定しています。
この公共施設ではこれらは、標準仕様とすることはもちろんですが、町内会管理の公民館は、無料耐震診断を行った上で、防災拠点として開放してよい町内会管理の公民館についても、このような財政支援をしてほしく思いますがどうでしょうか。
景観政策についてお尋ねをいたします。
盛岡市は中核市移行後、景観行政団体となり、平成21年と平成30年に景観計画を策定し、景観法に基づき景観形成上重要な公共施設や樹木、眺望などをまとめまちその保全や、整備の方針、景観形成に関わる基準等をまとめてきております。
平成21年の計画策定以降、これまで12年がたちますが、景観計画を盛岡市として導入して以降、どのような面で景観政策が推進をされたものか市長の総括をお願いいたします。
屋外広告物の撤去や鉈屋町や北山地区の歴史的街並み保全、さらには岩手山を中心とする眺望の保全などで景観計画の効果はでているものかを含みご所見をお聞かせ願います。
盛岡市の景観政策について推進をしていただきたい論点を3点申し上げます 。
まず、第一点目は、住宅街を絵葉書にできる街づくりについてです。
景観計画では、歴史的眺望や自然眺望についてはその方向性が定められておりますが、一般の住宅街についてはなんの景観誘導策もありません。
これは、10年以上たつ景観計画にあって盲点ではないか、と感じてまいりました。
欧米との街並みの差は、住宅街における景観を意識した街づくりができているかどうかと感じてまいりました。
電柱の地中化を住宅街でも推進をすることはもちろんですが、一定程度の景観の方向性を示し、地域全体の景観力を上げていく取り組みが盛岡市では見られません。
景観計画では「地域の景観に関わる課題は行政主導のみで解決出来るものではなく,地域の発意による景観からのまちづくりに対する支援など,市民協働の仕組みづくりが重要となっています。
具体的には,地域からの景観計画提案制度や景観に関する協定などがありますが,これらの制度を推進する地元組織への情報提供や活動への技術支援等に努めていきます」とありますが、具体的な景観誘導策はあるものでしょうか。
また導入事例があればお知らせ願います。
実施主体は町内会なのかあるいは NPO なのか、市民協働のような公募型景観向上策があるべきなのか、はともかく開発業者に対し一定の方向性や指針を示すべきではないでしょうか。
住宅の断熱についてはヒートショックを防止するためにまた省エネ性能を高めるために一定の気密性を定めた住宅モデルを法的義務とする検討がありますが、景観面でも同様に誘導する盛岡モデルを定めることはできないものでしょうか。
色合いや玄関のデザイン、庭の形状など花を中心に行く地域や建築デザインを中心に行く地域、また、景観上連続してみられる特有の塀を活用する地域など、地域一体となった景観力向上の市民運動です。
街並みを角館の武家屋敷にしろとまではいいませんが、景観上誘導すべき意匠の地域一体での採用は積極的に表彰をしたり、助成を設けたり建築家、都市デザイン家、建て主、町内会などが一体となった景観力を向上させる事業を行政が認定制度を制定し、認定された計画は財政支援する方策について導入をしてほしく思います。
特に一定程度の住宅供給がされるところ、再開発で一定程度の供給戸数の出る地域は、建築確認の項目に景観を加えることを通じ景観力を50年かかってでも向上する施策をしてほしく思います。
かつてはグラウンドワークという NPO を交えた街づくりがおこなわれていましたが、この発展版としての景観力向上策についてご所見をお願いいたします。
ところで、道路管理者がもし電柱は原則設置できないと宣言をすれば、電線地中化されるものか?
このような宣言は可能でしょうか。
電線地中化について、道路占用料を事業者から徴収しているわけですが、仮に無電柱化となった場合には電柱設置による道路占用料の徴収はどのようになるものでしょうか。
2つ目が住宅街アート、空き家アートもしくは沿道アートの導入です。
住宅街アートとは私が考えた造語ですが、住宅団地の住民に協力を頂き遠目に見た場合のカラフルな色合いの住宅街をつくることです。
海外では、近くで見ると普通の住宅街でも遠目に見ると赤や黄色、紫やオレンジなど色とりどりの住宅街を見ることがあります。
北海道西興部村を伺った時、公共施設はすべて黄色一色とし沿道を通るととても目に留まりました。
あるいみ「けばい」かもしれませんが、目をそむけたくなるような空き家の増えた住宅街にはむしろいい刺激になると思いますが景観政策上はどのようなご所見でしょうか。
また西興部村の取り組みを郊外の沿道の建物にも生かし、アートと街づくりの合体ができないものでしょうか。
3点目が景観教育の導入についてです。
都市景観力の向上のため学校の授業において盛岡市の景観のよいところの視点での授業、あるいは将来景観をゆたかにする公共心の醸成、歴史的町並みを保存し、まもる活動への理解、住宅街を絵葉書にできるまちづくりの主体者である市民の意識の高揚のための教育の機会を作ってほしく思います。
例えば教育旅行において景観先進地の訪問などはできないものでしょうか。
子供たちへの景観教育や景観について考える機会の継続した提供についてのご所見をお聞かせ願います。
教育についてコロナ禍における教育への影響についてお尋ねをいたします。
2020年初頭よりコロナ禍により各種行事や中止や延期あるいは盛岡市の推進する教育振興運動にあって地域との連携ができないまま、2年目に入っております。
この間、児童生徒に連続して陽性患者がでたことによる消毒や学校閉鎖などが多数みられ教職員や保護者にくわえ、児童生徒や地域にも動揺があるものと承知をします。
10代児童生徒の罹患情報を頂くごとにとても心配しております。
一方長期化するコロナ禍での「慣れ」もまた心配の要素です。
ワクチン接種における青年層への接種の見込みや方針もよくわからない状況から現場に負荷のかかる教育環境が今後も続くもの拝察するものです。
教職員のコロナワクチンの接種率はどのような段階でしょうか。
また生徒の集団接種の見込みはあるものか、をふくめワクチン接種の見通しはどうでしょうか。
ところで現場からは、部活動の休止による競技力の低下は著しいものがある。
コロナ禍で時間を持て余した児童生徒はネットゲームにハマりゲーム中毒症状やうつ症状になっているのではないか、と危惧をする声がでています。
盛岡市内の学校では夏休みが明け、2学期が始まったわけですが、コロナ禍で地域行事や学校行事が軒並み中止になるかで教育長の感じる児童生徒の変化(勉強への姿勢や欠席率等)や危機感があれば率直にお示しを頂きたく思います。
市内全体での交流試合の縮小や中止の中で、競技力が落ちたり、あるいは、スポーツクラブのような学校の管理監督とは若干距離を置いた団体でこの規制を受けないで競技力をつける児童生徒もいると聞きますが、実態はどうでしょうか。
このような建前と本音の使い分けについて教育委員会ではどのように把握しているものか、またご見解をお聞かせ願います。
文部科学省は 8月 31日、小学6年と中学3年を対象に5月に実施した「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果を公表いたしました。
新型コロナウイルスの感染拡大で2年ぶりの実施だったが、学力への影響について、「全体ではなかった」と結論付けたと報道されました。
盛岡市の小学6年生と中学3年生の学力テストの結果はどのように分析をされているものでしょうか。
それぞれの教科における分析と学力テストとあわせてアンケートを実施しているようですがどのような傾向かお知らせを願います。
小中学生へのアンケートでは、過半数が休校中の勉強に不安を感じたと回答。
また、中学生の過半数が「計画的に学習を続けること」に課題があったという報道がありましたが盛岡市内の児童生徒はどうでしょうか。
学校弁護士(スクールロイヤー)事業についてお尋ねをいたします。
この提案は以前の議会でも質問をさせていただきましたが、導入するべきという立場で提言をしましたが、その後の導入に向けた検討状況はどうでしょうか。
特に、様々な保護者からの意見や提言が時には現場の教員や管理者では負担となるものもあるものと思います。
この場合は学校弁護士を交えてしっかり対応していくのが良いと私は考えます。
学校弁護士の導入時期や規模、どのような相談体制になるものか、教職員と保護者あるいは地域が学校弁護士とどのように関わりを持つのか、また、どこまでがこの制度では活用が可能なのか、盛岡広域圏の自治体での団体導入や市独自の拡充の方向などを含めお聞かせ願います。
(盛岡市議会 令和3年 9月定例会一般質問 終わり)
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